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感想【THE ECLIPSE】

noteを初めて早4日は経つだろうか。出来れば毎日それとなくタイ沼関連の何かを更新していきたいと思うので、本だけに限らずドラマの感想なども書いてみようかと思う。

丁度昨日、「eclipse」を全て見終えた。ざっくりとあらすじを説明すると、支配者と非支配者の構造をタイの封建的かつ伝統ある男子校に落とし込んで物語は進行してゆく。主人公アック(攻め)は支配者側である先生達の膝元で、与えられた権力に疑問を持たず正義を振りかざす。対してもう一人の主人公アーヤン(受け)は身内の死の裏に隠された真実を探るべく、この伝統ある男子校に潜入する。己の行動は果たして己が判断し、考え抜いた結果の行動であろうか?誰かに洗脳されてはいないか?視聴者にそう問いかける、どこかミステリアスな空気を纏うドラマである。

正義とは何か、悪とは何か。脇に控える登場人物達の視点は、置かれた立場により見えているものがそれぞれ違う。時に対立するも、最後は友情と青春のストーリーとして終わるので爽やかだった。

BL的に評価すべき点はアックとアーヤンの心理描写だ。
アーヤンはゲイである自分を当初は自覚すらしていなかった。最初はアーヤンを目の敵にしていたのだ。BLに興味のない人は、アックとアーヤンの恋のキッカケに戸惑うかもしれない。好きになる要素、あった?と。けれどBLとはそう言うものである。きっかけは何でもいいのだ。いつも口うるさいアックを揶揄っている内にアーヤンの心に恋が芽生えたかもしれない。もしくはアックの内心に無自覚に燻る「本当の自分=ゲイ」であると言う葛藤に気づいたアーヤンがアックの心をサルベージしてやりたいと思ったからかもしれない。かなり序盤からアーヤンはアックに粉を掛けているので、もしかすると最初から顔が好みだっただけなのかもしれない。もしくは私が見落としているだけで、決定的な何かが二人のきっかけとして存在していたならばごめんなさい。

アーヤンはアックに対してひたすら献身的だ。アーヤンの性格が漢気溢れているので、献身的と言う言葉はある意味ミスマッチかもしれないが、けれどアーヤンは常に立ち止まって思考停止するアックを連れ出そうとしている。あたらしい世界へ一歩を踏み出すのすら怖いアックの背中を優しく押してやったり、時に精神的に蹴りを入れてでも進ませようとしたり、私から見たアーヤンは何せ献身的、その一言に尽きる。

アーヤンのような受けは誘い受け、というジャンルに属すのだろうか。誘い受けと聞くとあざとい受けを想像してしまう私だが、アーヤンのような二人の関係のリーダーシップを取る受けは男気溢れて好感が持てた。アーヤンが何かしらのアクションを起こさないと先に進めないアックの戸惑いと虚勢がしっかりと表現されていたのが良かった。「Not Me」でも思ったが、First氏は演技の上手い俳優さんである。

一つ残念だったのは、支配者側であるチャードック先生の過去である。ネタバレになるので詳細は書かないが、その結末を用意するならばもう少し伏線を張って欲しかったのが本音であった。突然サニ先生が脈絡なく取り出した写真が、実はこの物語の重要事項のうちの一つであるならば、どこかに一瞬でいいからサニ先生が件の写真を見つけて「は…!これは…チャードック先生、そうだったのね…」的な描写を挟んでくれたなら置いて行かれた感は感じなかった。この一点のみが残念でならない。

ラストシーンでアーヤンが心のつかえであった遺骨を海に流す描写を見た時、私が書いたタイBL一次小説「psychedelic」のラストもそんな感じなので、「どうかパクったと思われませんように…」と願った。私がその小説をウェブ公開したのは去年なのでパクリようもないのだが…せめてここでハッキリと言っておきたい。eclipseはパクってません。

★★★

eclipseを見るには→ https://www.telasa.jp/freemium
私はテラサで観ました。

★★★

psychedelic→ https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16917340

「RMITD;https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18095346」というお話をお読み頂いてからpsychedelicをお読み頂けると嬉しいです。

★★★

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