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五劫院の秘仏のアフロ仏「五劫思惟阿弥陀仏坐像」から空海寺へ
最近の暑さで奈良へ行くには朝早く行かねばと、開門の朝9時に間に合うように電車に乗って近鉄奈良へ。阪神の奈良のワンデイチケットを買っていたので、バスも無料なのだ!るるん。
東大寺の正倉院の上あたりにある「五劫院」。バスで行くと転害門を越えてすぐ。
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中世、東大寺の周辺にも、聖が多く住んでいた。聖の住むところは、「別所」と呼ばれていた。
東大寺の北すぐの界隈にある五劫院。
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こちらは、鎌倉時代に焼けた東大寺を再興してた俊乗坊重源上人が開山された由緒正しいお寺で8月1日から11日の間だけ、「五劫思惟阿弥陀仏坐像」つまり、アフロ仏が公開される。
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普通、仏像の髪型って螺髪なんだけど、こちらがアフロになってるのは、五劫というめちゃくちゃ永い間修行で思惟し続けてたら、髪の毛が縮れてアフロヘアーみたいになってしまったってことらしい。落語、寿限無の「五劫のすりきれ」も同じことを言ってて、下界に降りてきた天女の羽衣が巨大な岩の表面を撫で、岩が擦り切れるまでの時間を一劫とし、それを五回繰り返すという、ほとんど永遠に近い時間なんだって。天女の羽衣が岩を擦り切らす間、阿弥陀さんはずっと思惟してたんやねえ〜。
東大寺のアフロ仏は、3年前に拝見させていただいて、感動したので、
それと並んで有名な五劫院の仏さんにお会いできるのを楽しみにしていた。
山門を入って、小ぶりだけど堂々としているお堂に上がる手前、厨子を開けてられたのでアフロ仏を階段下から眺めることができた。遠くから見ても愛らしさと気高さが感じられてにっこりしてしまう。
その本堂にはおしょうさんがおられて、拝観料を尋ねると、御志納で!とのこと。御朱印をいただき、しばらく側にいさせてもらった。東大寺のアフロ仏は小さな手で合掌していてとても可愛らしくて出会ってすぐに泣けそうだったのだけど、五劫院のアフロは衣の中で手を組んでいるのか外側からは見えないようになって目をつぶっていた。思惟している姿だ!と納得させられる。(後でパンフレットを読むと衣の中で弥陀の定印を結んでるんだそうだ)
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このアフロタイプの五劫思惟阿弥陀仏坐像は、こちらと東大寺以外には、京都、和歌山、東京に1体づつ、そして奈良の十輪院にも1体、ぐらいしかおられないとのこと。てことは!以前、十輪院でショーケースの棚に入っていた小ぶりなアフロ仏がおられて、お寺の方が、「これもアフロ仏なんですよ〜。東大寺とかとおんなじのです。」と言われていた。その時はあまりに開けっ広げに置いてあるので、レプリカなんちゃうかな?と思ってたけど五劫院のパンフレットにもそう記されていたので、あれは本物だったのだ!(十輪院の皆様、すみませんw)あちらも素晴らしいお寺なのでまたゆっくり訪れて見てみようと思う。
朝一番にアフロ仏に会えてとても感動。そして、今年の10月の転害会で東大寺の仏さんにも会わせていただこうと思っているので、それも楽しみやなあ。
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五劫院を後にして、近くにある「空海寺」へ行く。
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こちらも司馬遼太郎の街道をゆくで、
東大寺の菩提寺で、近代の東大寺別当は多くはこの寺に葬られている。それは、東大寺の境内に墓所を築くことは高く禁じれているためで、現在も塔頭住職や寺族の墓所がある。
〜中略〜
いかにも「別所」の風がある
と記されていたお寺だ。
奈良時代に入ってきた時の仏教は葬儀をするものではなく、もっと学問的なものだったらしい。そんな中、日本人の死者を恐れ穢れを嫌う文化に習合して死霊を鎮めるものになって行ったとのことだ。東大寺が建立された時は仏教は生者のみのものであって、その精神を引き継いでいるので東大寺では葬儀はやらないらしい。そして、東大寺の僧が亡くなると、町方の住職がそれを受け持ったらしくこれがその空海寺なんだそうだ。
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墓地には入ることはしなかったけど、東大寺の近くの静かなお寺にたくさんの東大寺のお坊さんが眠っていて、その辺りには聖と呼ばれる官僧ではない野良のお坊さんが多く住んでいたんだなと「別所」の気分を感じることができた。
振り返って考えると、私はぼんやり死んだら東大寺の何か(例えば灯籠など)になりたいなんて思ってたけどそれは無理な話だったのだ。今となっては、八宗の中でも供養をしてもらえるところもあるけど、生者のための仏教を続けているお寺はすごいと思う、そうであるならこそ今の時代に物申す奈良の高僧がいてもいいのに。少し前までは有名なお坊さんがたくさんおられたのにね。
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御朱印を空海寺で頂いた後、東大寺を通って駅の方まで戻ることにした。
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時間が早いので久しぶりに大仏殿に行くことに。てのも、最近は大仏殿に入るにはものすごい行列になっているので滅多なことでないと入ることはしていななかったのだ。
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10時前だったので待たずに入れて、大仏の大きさにいつものように関心してから
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お堂の外のびんずるさんがコロナ禍を過ぎ、触れるようになっていて、外国からの観光客の方々に触られているのを見て微笑む。そして、やっぱり大仏殿のびんずるさんは大きいなあああ!と思うのであったw
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お昼を東向き商店街のベトナム料理のコムゴンで食べて、
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近鉄奈良駅ナカにあるクラフトビールを飲めるカフェで飲む。駅前の「MEAT×PIZZA YAMATO Craft Beer Table」でももちろん飲めるんだけど、
駅ナカの「カフェチャオプレッソ&YAMATO BREWERY 奈良駅店」の方が電車の時間に会わせて呑めていいんだよね。
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そして、ワンデイチケットを使って難波へ。いつもの店で飲んだり、赤垣屋の本店へ行ったり。
高島屋のデパ地下で買い物してから、阪神御影まで。うちの立ち飲みで飲んで家に帰ったのでした。
やっぱり奈良は楽しいな。行くなら朝早く行かないといけないけど!
帰って、おじさんに柿の葉寿司屋の焼きサバ寿司を渡してぐーぐー寝てしまった。
24.8.4
↑アフロ仏に会える日、転害会
↑十輪院で小アフロ仏に会った時の話
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