徳島へ〜⑧ 映画「バルトの楽園」
バルトの楽園と書いてガクエンと読む。
徳島旅行で、板東俘虜収容所の事を知りこの映画を帰ってすぐにamazonで見た。
この映画「バルトの楽園」を知ったのは、偶然旅先で見つけたこの映画のセット。
この映画では、第一次世界大戦時、中国の青島で日本軍の捕虜となったドイツ兵4700人ほどの内1000人が暮らしたという徳島の板東俘虜収容所を舞台に収容所長松江豊寿陸軍中佐の元、ドイツ軍将校やドイツ兵との暮らしを描く。
この松江所長は、とても人道的で日本軍の司令部にはむかってでも、ドイツ人たちに規律ある自由を認める。志願兵の多かったドイツ兵たちは元々の職人が多く自分の特性を生かしてパンを焼いたり、家具を作ったり建築もしたりする。その自由な雰囲気に坂東の人たちとも親しくなり、博覧会を開いたり、商売をしたり、交流を深めていく。
中でも、オーケストラの技術は高く、ヴェルサイユ条約で終戦となり、帰還が決まると、坂東の人たちへの恩返しに第九を男性ばかりの合唱で演奏する。これが日本で初めて第九が演奏された日であり、そして今も世界で一番第九が演奏されているのは日本だといわれているきっかけとなったのだ。
この映画で会津藩出身の少将で板東俘虜収容所所長松江豊寿を演じるのは、松平健でドイツ語も交えてリーダーはこうあれと思うぐらい懐の大きい男を描いている。ドイツ人将校を演じるのは、なんと、ブルーノ・ガンツ。ベルリン天使の詩の天使や、ヒトラー〜最後の12日間間〜でヒトラーで多くの賞賛を受けた名優だ。この二人が映画を拡張高くさせている。
ステレオタイプな陸軍省の将校たちや、松江所長の温和な規律に反対する阿部寛の収容所役員の兵隊がいたりはするものの、坂東の人たちとドイツ兵たちの暖かい交流が描かれている。
中でも今回の旅で訪れた霊山寺での博覧会の様子がとても素晴らしく、途中から阿波踊りを坂東の町の人とドイツ兵たちが境内で踊り出す輪が本当に楽しそうでこんな繋がりがあったんだろうと思わせてくれた。
それを証拠に、ドイツ兵たちがドイツへ戻る時に、この映画で描かれた第九の演奏だけでなく、お礼にと散歩でよく訪れていた大麻比古神社にドイツ橋とめがね橋を友好の印に記念として築造を提案したとのこと!これがあの神秘的なめがね橋の池だったのだ!この池も一緒に作られたとのこと!だからあんなに神秘的な色をしていたんだ!と納得のいくばかり!
とても興味深く感動的で、徳島の坂東へと行きたくなる映画だと思います。気になった方はぜひ、ご覧になってください。
先日、こちらで紹介した二宮くん主演の「ラーゲリより愛を込めて」と見比べてもこの松島所長と坂東の人たちがどんなに人道的だったのかを感じることができるかと思います。
最後にyoutubeで入れなかった「BANDOロケ村」の映像がありましたのでこちらで紹介させていただきます。
↑バルトの楽園 /徳島いきいきテレビ
徳島〜⑧