興福寺
興福寺は近鉄奈良駅の隣にある。
と、言っても言い過ぎではない。近鉄奈良駅沿いのひがしむき商店街の中の横道からもすっと入れるし、商店街を越えて猿沢池を眺めつつ南円堂から寄ってみたり、奈良公園の散策途中に気がつけば興福寺の中にいたりしてしまう。
初めて興福寺に行った時はあの五重塔に感動して写真をぱちぱちと、鹿も一緒に写真を撮ったりしていたのに、このコロナ休暇(と呼ばしてもらおう)の初回の奈良への旅では興福寺の写真が一枚もなかった。東大寺の後、奈良公園を通って興福寺に向い東金堂も国宝館も見たのにである。奈良の大仏の次に有名なイケメン、阿修羅像もいるのにである。(このnoteを始めるにあたって行った日の写真をあげる事をルールにしていたのにもう破ることになってしまった。。。)
写真を撮るのも忘れるぐらいに街中に自然にあんな大きな寺が溶け込んでいる奈良の文化度よ。興福寺の歴史を調べると今よりも遥かに大きな伽藍のお寺で何度も焼けて今の姿になったのだという。寺の歴史は火事の歴史だなといつも思う。
そんな中でもあの素晴らしい仏像たちが残り、国宝館で完璧なライティングの中、美しく展示されている。奈良に行ったら必ず行かねばならないのが興福寺の「国宝館」であることは間違いない。「国宝館」って言い切るところがすごいけどねw(褒めているw)
個人的には、飛鳥の山田寺の本尊だった白鵬時代の「仏頭」にいつも魅せられてしまう。子供の頃の歴史の教科書でこの仏頭の写真を見た時にどうしてこんな頭だけの仏が国宝なのか?すごく不思議に思っていたのが、この本物を見た時にその大きさと優美さ、欠落の美を感じたのだ。この仏頭は元々飛鳥の山田寺の本尊であったものが鎌倉時代に興福寺にやって来てその後の戦乱にのまれて胴体は焼けてしまい頭だけとなったもの。これが昭和12年、東金堂の修理の時に、本尊の台座の中から発見されたのだ!この仏頭の数奇な物語も含めて有り難く拝見させてもらっている。
20.8.26 (写真は21.5.13)
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