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忍辱山 圓成寺

この日は、あの、兵庫県知事選挙だったので、朝早起きして、選挙に行った。3番目に入ったのに、投票箱の中身を確認するのに間に合わなかった!残念!

前日購入した阪神近鉄の「奈良ワンデイチケット」を利用して近鉄奈良駅に友人と9時前に到着。バスが2時間に一本しか柳生・月ヶ瀬方面にはないから早く行かないといけないのだ。(それにしても、柳生も月ヶ瀬もええ名前やなあ)

近鉄奈良駅ビルの屋上のHの部分はどうなってるんだろうw

この日のお目当ての圓成寺には運慶の若い頃作った大日如来がおられる。バスを降りる。バス停の名前は「忍辱山」。さて、何と読むでしょう??
答えは「ニンニクセン」。忍辱山 圓成寺 からとられている。なんかかわいいよね。ニンニク山。

NInnikusen  Nばっかりw

でも忍辱とは菩薩の修行すべき六つの徳目をあらわす菩薩行六波羅蜜(布施・持戒・忍辱・精進・禅定・般若)のひとつで、いかなる身心の苦悩をも耐え忍ぶというということを意味しているらしい。

バス停の近くにある門 浄土式のお庭に入れる。
楼門

入ってすぐの多宝塔の中にピカピカの大日如来がガラス越しに見えて、これがもしや運慶??と一瞬思うけど、いやそんなはずはない。

奥に見えるのが多宝塔
その中に!ピカピカすぎる!

よく見るともちろん模刻で本物は別の宝物殿にあるとのこと。後でそれはゆっくり見ようと国宝の本堂に入ってみる。

本堂の写真がうまくとていない、、、すみません。

とても広くて薄暗い本堂は真ん中の大きな部屋を囲んで左右と奥に格子で小さな部屋が作られていて、その中に十一面観世音の古い仏さんなどいろんな仏さんがおられて見応えがある。真ん中の大きな内陣は太い柱に囲まれていて、そこには仏の絵が描かれていて素晴らしい。

御本尊の阿弥陀如来坐像がまだ金箔が顔に美しく残っていて暗い室内だからこその荘厳さを感じる。時代は平安というのに本当に綺麗だった。

本堂を出て少し奥まったところに小さな春日造の社殿が二つ可愛らしく建っていて素敵だと思ったら、春日造の最古のものらしくて国宝らしい!柵があって、なんで、お参りできないんだろうと思ってたんだけど、国宝だからなのか。。。

お参りしたかったのにな

そして、運慶の大日如来の本物の方だけど、もらったパンフレットの境内の地図を見てもわかりにくく、受付の横にあると書いてあるけどどこ〜〜?と思ってたら、受付の横に細い道がありその奥にあった。こんなこと言うのは失礼だけど、トイレとかがあるような雰囲気のところにあった。そんなわけで、たくさんの参拝客がいるのに気が付かない人も多いのかもしれないけど、私が入った時は、その大日如来と私たちだけだった。友人もふむふむと見ていたけれど、出て行って私と一対一の時間も長くあった。

現存する運慶の一番初期の作品と言われる大日如来は青年のようで若々しい。本当は仏像を作品とは言ってはいけないと思うけど、ここには運慶のサインが残されていて、この辺りから仏像に作者が名を残すことになったと聞いた様な気がする。だから、作品と言ってしまったのもしょうがないのかもしれない。

それまではどんなに素晴らしい仏でも誰が作ったのかはわからず、仏師と言われていたのだ。

見仏記では、みうらじゅんが運慶の大日如来を見て

「この大日、運慶の自分像って感じしない? ヤング運慶だよね」

見仏記5 ゴールデンガイド篇 (角川文庫)』(いとう せいこう, みうら じゅん 著)

と、言い得て妙なことをつぶやいている。

そんな大日如来の瑞々しさに少しやられて、外に出た。そう言えば、御朱印をいただいていないと受付でお願いする。最初の入山した時の受付から愛想ない感じでなんだかな〜と思ってたら、筆ペンだった!衝撃、、、。

お寺を出ると前は浄土式の庭になっていて、

池の周りの紅葉も美しくその池の少し奥に食事処がある。

秋は松茸が名物のその店で、天ぷらうどんと松茸ご飯をいただく。こういうところのご飯って普通の店が多い中、おうどんのお出汁も美味しいし松茸ご飯も美味しくてお土産に持って帰ってしまった。

食事を終え、30分ほどバスに乗り、近鉄奈良駅へ。30分であんなに田舎になれる奈良は素晴らしい。そして電車で30分で難波。この1時間の車窓の違いよ、、、。これだから奈良はやめられない。奈良が好きなところにこの帰りに都会でちょっと飲めるってのもあるんよね。

運慶と紅葉狩を楽しんで、難波で少し飲んで良き日となりました。

24.11.17

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