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秋篠寺、唐招提寺と薬師寺
今回の奈良旅はコンパクトに1泊。私には珍しく雨の降る中、11時に神戸を出て12時半ぐらいに近鉄西大寺駅についた。
秋篠寺へはバスで行こうと思ったけど駅からバスを待ってつく時間と歩く時間が同じぐらいらしく歩くことにした。雨も霧雨ぐらいの感じで悪くない。
秋篠寺までの道は田舎の普通の民家が立ち並んだ道をうねうねと行った中にある。お寺あるあるで寺の近くになると立派なおうちやそこが目的地かと思わすような割と大きいお寺があり、そこは違うかと思った後に、空気が変わって本丸が現れる。
大体アホの神仏分離令のせいで隣に立派で空虚な神社がある。
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ずっと敷地内にあったんだから祈りが足りないので仕方ないんやけどそこには浄められた空気だけが虚しく流れていて空虚の意味を教えてくれる。
その横に山門があってそこからは別次元。今回の秋篠寺もそんな感じだった。
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秋篠というと秋篠宮をどうしても思い出してしまうんやけど、門の中へ一歩踏み入れるとそんな雑念は全て消えてしまう。
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雨でかえってよかったなと。門から参拝料を払うまでのアプローチ。そこが苔むした濃密な庭で黄緑色に発光してるように見える。
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よくぞ今まで残っていてくれたなと奈良時代末期から令和までありがとう。有難いね。
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この場所は平城宮大極殿の西北になるらしい。そう思うと、みんなが生活し生業があり政治も行われていた平城宮跡は何もない(最近できたけどw)のに、祈りの場所は連綿と続いているんやね、と感慨深い。大体どこの都の跡もそうやんね。国破れて山河ありや。今となっては発掘して柱のでかさを愛でるだけやもんな。
秋篠寺。苔の道を進んだ中に奈良時代らしい簡素で軽やかな本堂がある。
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外から見ると入り口は開け放たれていて真っ暗。新薬師寺もそうだけど、堂内が人間が観れるギリギリの暗さになっていて、須弥壇の上の仏たちが浮かび上がっている。私は御本尊から行かず端から観ていく派なんだけど、ここの左端にあったのが五大力菩薩。すんごい面白い。密教的。今にも踊り出しそうなキャラクターに興奮!
そして!秋篠寺の一番のスター。東洋のミューズ、技芸天!!数々の芸術家達が魅了された仏なんやけど。。。そこまでなんかな?男が好きな女と女が好きな女が違うやつ?いや、ほんまに美しいけどそれよりも、本尊の薬師如来の方が好きやわー。なんか子供みたいやねん。かわゆい大仏像やったわ。ふふふ
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そんな事を思いつつバスで駅まで戻ろうとしたけどまた時間が合わず歩いて駅まで帰る。秋篠寺の横に全く似合わないけど、競輪場があった!なんかおもろー。
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さて。この次に行ったのは近鉄西の京駅。薬師寺へ行ってみようと前の日に決めていた。というのも、隣の唐招提寺が好きすぎて薬師寺をさらーっと見てしまうから仏に注目するつもりで計画を建てた。
けど、お昼を食べてないので前に行った蕎麦屋さんへ。蕎麦切り よしむら。すごい美味しかった。蕎麦焼酎蕎麦湯割りを2杯。かき揚げとのセットにしていただく。蕎麦焼酎飲んでたらこんな近くまで来たのに唐招提寺へ行かないのはおかしいなと。これが仏縁やなと思って唐招提寺までてくてく。この蕎麦屋は薬師寺と唐招提寺の間ぐらいにありその距離はらどちらも5分ぐらい。みなさんもこの二つのお寺を訪れるときはぜひ行ってください。
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はー。やっぱり唐招提寺は素晴らしい。山門から入って金堂を眺めた時に心がほんまに気持ち良いのだ。
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これは鑑真と一緒に日本にやって来た中国人の大工たちが唐招提寺を作ったからと後に聞いてなるほどと思ったんだけど空間の使い方が他の寺にない広々と開かれた気分になれるんよねー。もちろんあの奈良時代の千手観音や盧舎那仏、あー素晴らしい。
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やっぱり、すっとでも見てよかったなー、と唐招提寺を後にする。
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てくてく薬師寺へ。
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もう、薬師寺というと高田好胤さんしか思い浮かばいぐらいセットになってしまっている。あんな伽藍を復興させたのはすごい。すごすぎるんだけど、唐招提寺の後に行くと建物として新しすぎて仏もちょっとぺらく見えてしまうという自分の眼の情けなさを恥じてしっかり拝見させていただくことにする。ここの薬師如来は超有名国宝でコロナ禍にこそお出会いしたい仏様。真剣に薬師如来の黒々と光るお姿に対面し日光月光菩薩も好きになった。日光月光菩薩の腰がいいね。そして大講堂へ入って弥勒三尊像を見た時に、その佇まいと建物全てが似ているように見えていつもこれがデジャヴか!と思ってしまうのは私だけなんだろうか。。。
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この伽藍を復興させた高田好胤さんの写経。写経を買ってお写経して奉納するというのをやってみたく、写経道場へ行ったけどもう閉門時間だった。哀しい。もっと朝早くに出ていたら、又は蕎麦焼酎を一杯にしていたらよかったなと思う。
あー、でも蕎麦焼酎のおかげで唐招提寺の宝物館へも行けたんだった。宝物館素晴らしかった。唐招提寺は今出張中の鑑真和上像で有名だけど、宝物館に奈良の大恩人、行基さんの像があった。鑑真みたいなやつ。これがすごい生々しくて見とれてしまった。この前生き人形をおふさ観音で見たけど、そんなんよりももっと生きてる感じ。行基を信じて愛した人が作ったんだろうなとその思いが伝わってきたわ。鑑真和上像も本物は見た事ないけどきっとそんな気持ちにさせてくれるんやろうなー。いつか見てみたいわ。
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そんな気持ちを抱きつつ、近鉄奈良駅へ。いつも開いてなかったクラフトビールの店があいていてビールを飲んでからいつもいく居酒屋の蔵へ。すっと入れて奈良のお酒を飲んだりおでん食べたり。そして又いつものバーで飲んでからタクシーで今夜の宿へと。
21.6.19
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