氷室神社、東大寺
1日目、今回は東大寺、奈良ではベタすぎるけど、土門拳も入江泰吉も写真集のページを厚めに割いて撮り、語っているので、今更ながらじっくり堪能してみようかと思っていた。東大寺って東の大きな寺だから東大寺なんやーって素直に感動の旅の始まり。。。
まず、興福寺から奈良公園を抜けて国立博物館前の氷室神社へ。いつも前は通っても中に入ったことがなかった。入ってみると拝殿の前に舞殿があり、なんと百円で舞楽を奉納できる!
氷室神社だけあって、冷凍庫がいっぱい!なんか面白いね。
氷みくじ。奈良にかき氷が多いのはそういうことなのね。。。
氷室神社から向かうは今日のメインテーマの東大寺。
南大門の狛犬は有名な石の職人。伊行末。般若寺のデカデカ石塔も同じ。仁王ばかりに注目しないで裏っかわも見てね!w
東大寺にも興福寺の国宝館みたいにライティングが素晴らしい「東大寺ミュージアム」があって、過去に行ったことはあるんやけど素直な目で行ってみたところ。。。、ほんまに素晴らしかった。興福寺の阿修羅的に有名なのは東大寺の戒壇院の四天王なんだけど、これが今は戒壇院が修理中なのでこのミュージアムにいてくれている。。。世のカメラマン達が撮ってみたいと言う気持ちがほんまにわかったわ。完璧なフォルムで完璧なグループ。これを四方八方から好きなだけ見れる贅沢を味わう。
そして大仏殿を見る前に八角灯籠を鑑賞。この国宝の灯籠は大仏開眼と同じ年、752(天平勝宝4)年の鋳造されたもので、家の近所の白鶴美術館に実はレプリカがある。これを見た新鮮な目で近々見に行こうと思う。
いつも、大仏殿で大仏を見てからミュージアムへ行ってたんやけど今回は大仏後に見たいものがあったので、先にミュージアムへ行ったのがよかった。大仏はそれ自体でかいっ!ていうパワーがあってそれだけで充足してしまう(そこが大仏のすごいところではある)ので、先に繊細な方を疲れる前にじっくり見ることができたのがよかったわー。
写真は大仏殿の多聞天。こっちも見てあげてねw
東大寺の大仏殿を出て転害門まで歩いている中で普段は開放していない秘仏が特別拝観していると看板があったので行ってみようとしていると、他のお堂の扉が少し開いているところがあり、拝観できそうなので立ち寄ってみた。声をかけるとどうぞと普段から観れるようになっているみたいだった。親切に説明してくれた上に、フラッシュをたかないなら仏像も撮影しても良いと!こんな事を言われたのは初めてでびっくり!
ぱちぱち写真を撮れる仏像はそれも国宝となると大仏しかないのではと思っているのだがどうなのだろう。
プロかアマチュアかのカメラマンの差は限りなく縮まってきてるけれど、本物の中の本物カメラマンしか撮れないのが仏像ではないのかと最近考えていたので、なんだかうれしくなった。そのお堂は「指図堂」。全くフリーにさせてくれるのに指図堂って面白いね。
この指図堂の写真はありがたくも私のnoteのヘッダーに使わせていただいてます。心より感謝申し上げます。
その後、特別拝観の、「戒壇院」へ。秘仏の十一面観音と四天王。可愛らしいサイズで鮮やかな厨子に入っている。ここは、その秘仏より荒くれた不動明王が面白かった。説明してれた人が眼を見てくださいと。よく見ると右目が緑で左目が赤。明王達はいつも怒ってておもしろいよねw仏ランク的には下やから煩悩ありすぎなんで仕方ないんやけどw
そして行きたかった転害門へ。東大寺から外れにありすぎて戦火が届かず唯一残ってる建築物。後で、てんがいもんって言ってたら、バーのマスターが「てがいもん」って。そう言うみたい。いやー。素晴らしい。天平の風を感じるー。てがいもん!。堂々と立派で確かにここまで遠くにあると火事や焼き討ちからも免れたのもよくわかる。寺の歴史は火事の歴史。今そこに建っているお寺は火事や焼き討ちから何度も再建されたものばかり。転害門はよく残ってくれたなと有難い気持ちになる。
そこから町の方へ帰ろうと。いつも私は奈良公園の遠くまでやって来たら国立博物館の仏像館をgoogle mapに入れるんだけど、そうしていたら、また東大寺の中の知らない道を一人歩くこととなった。誰もいない緑深い道を奈良ではよく歩く。いつも少し心細く山に試されているような気持ちになる。どこかわからない所に迷い込んでしまった自分を想像する。
そうしていると、通ったことのある道にたどりついて、そこは、入江泰吉さんの旧居だった。もちろんコロナの緊急事態宣言のせいで入れないんだけど、今回は入江さんの写真集をお供にしていたのでありがとうございます、と、挨拶する。次回は写真美術館と入江泰吉旧居に行きたいな。今は入江さんの法隆寺を展示しているので、どうしても見たかったのだ。
入江さんの本を読んでいると大阪から疎開して実家に戻って奈良の仏像の悲惨さを知り、初めて撮影をしたのが近所の戒壇院の仏像だったとのこと。秘仏の十一面観音と四天王を見せてもらったあのお寺だ。なぜか導かれたような気持ちもありうれしくなって、もう、お酒飲みに行こうと。奈良はその頃の神戸と違って禁酒じゃない。それしかないなと町へむかった。
21.5.13
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?