フェイスブックでいいねが1000以上ついた投稿 女性が表に出ることをためらうようになるまで
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中学2年生の時、
国語の授業で、女は男よりも劣っている、とY先生が言いました。
Y先生の授業は、きちんと学力がつく授業で、
そのことを私は評価していました。
そこで、私はまさか公の授業で
そんなことを先生が言うのだろうかとびっくりして、
どうしてですか?と聞きました。
同級生の男子たち(男子が過半数のクラスでした)が笑いました。
学校を牛耳っていて、
毎週のように生徒たちを集めて体罰を加えていたY先生は、
授業が終わったら説明するから生徒指導室に来いと言いました。
生徒指導室で、先生は、
男と女の脳の作りが違っていること、
自分は母親に男子厨房に入らずと育てられてよかったと思っていること、
女は三つ指ついて男に挨拶をするのが美しいこと、
女は男より3歩下がって歩かなければならないこと、
野上弥生子のような優れた文学者が女性の中から出ることはあるが、それ 以外の分野、特に理数系で、女の脳は生物学的に劣っているのだから、女はそれに甘んじなければならないこと、
私もそうふるまわねばならないこと、
を一時間、一対一で生徒指導室で説明し続け、
私はそれを聞かされ、反論する力がありませんでした。
自分がきちんと論駁できる力をつけるしかないと思う一方で
無力感に打ちひしがれました。
今から45年前、社会は今よりずっと男尊女卑(今はそういう言葉を使うことも少なくなりましたよね)でした。
私は当時、360人ほどの学年で成績一番を取っていました。
あるとき学力テストの後で、成績のいい男子たちが集まって、
一番が誰だかを探していましたが、男子たちの中には見つかりませんでした。
一番が女かもしれないという仮定は、彼らの中で耐えがたかったのかもしれません。私のいる教室で、彼らはずっと「男子を」探していました。私はひっそりとしていました。
授業と生徒指導室のエピソードはその直後のことです。
高校に入ってから、
私の理数系の成績はY先生の言う通り
どんどん下がっていきました。
赤点も取りました。
やっぱり女の私の脳はだめなようでした。
・・・小学校の頃からいろいろなことがありました。
「取るに足らないようなこと」が積み重なっていきました。
その中で次第に
私は自分が表に出ることに恐怖を抱くようになりました。
そして、40年以上経過した今でも、
私の中の「ちゃんとした女の私」が
自分が目立つことは恥知らずなことだとささやきます。
そんなことは忘れようと私の頭は思います。
でも、体が、心が、恐怖を感じるのです。
目立ってはいけない。
一番になってはいけない。
三歩後ろにいなければならない。
その方が女として生きやすいと女の友人にも言われました。
あなたは強い。
そう言われることがあります。
前に出てしまって、
そのあとで自己否定をし続ける私は
その人たちからは想像できないでしょう。
今回、私は本を出しました。
直球を投げました。
カーブを投げるなんていう器用なことができません。
本が出て、2日経ちました(2021年5月15日)。
amazon で新書34位、楽天ブックスで36位だそうです。
(その後、15位になりました)
前に出たい、と思います。
もはや45年前の女の子であってはならないと思います。
あなたの体罰は、許されるものではなかったと、
あなたの言葉は、一人の人生を踏みにじる力はなかったと、
私は言い切らなければなりません。