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学校ビジョンのアップデート 【週刊新陽 #185】
11月19日の朝、目が覚めるとすっかり雪景色に。今シーズン2度目の積雪です!昼間になっても気温は上がらず雪が残り、翌朝、路面は凍ってツルツルでした。
そんな11月20日(水)、教職員で対話する「中つ火を囲む会(通称:中つ火)」を行いました。
4年経って変わったこと
今回のテーマは、前回9月に行なった中つ火に続いてビジョンのアップデート。
現在のSHINYO VISION 2030は、2020年度に、新陽高校の歴史やその当時置かれている状況、2030年の社会の未来予測などをもとに作ったものです。
当時は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大し、でも予防法も特効薬も見つかっていない混沌とした世界でした。そんな中で考えた10年後の未来は、4年経った今、変わったのか。また、その未来を見据えて取り組むと決めたことは、実際にやってみてどうなったか。
前回は、2020年当時から2024年現在の間に「変化したこと、気づいたこと」、そして「その変化をどう感じるか」について対話しました。そして様々な変化、成果と課題が見えてきました。
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それを受けて、今月の中つ火はビジョン2030のアクションプラン(施策)に注目。前回「課題発見」のために拡散した意見を収束し、「課題解決」に向けた議論を広げる一歩という位置付けです。
なお、いくつかの施策テーマがある中で学校として一番大切な「授業・カリキュラム」に絞って対話することにしました。
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改革よりアップデートを
前回と今回の中つ火をファシリテーションしてくださったリクルートの福田さんと、どのように対話を進めるか相談している中で「アップデート」というキーワードが出てきました。
変革や改革といった、ある意味過去を否定しガラリと変えるものではなく、ここまでの経験や成果を踏まえつつ、前提やゴールの変化を共有し目線を合わせて、ゆるやかで継続的に変化していくイメージです。
2030年に向けて進む過程で2024年現在の立ち位置を検証し、もう一度2030年に向けてビジョンをアップデートする。それによって、取るべきアクションはたぶん変わります。そしてこの先も、何度かアップデートは必要になると思います。
そのためにも、対話をもとに試行錯誤し続けることが大切。中つ火を中心に対話の文化を作ってきた新陽だからこそできるアプローチかもしれません。
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なお、アクションは見えますし記録にも残りますが、その背景となった考え方や大きな目的は見えづらいもの。だからこそ、語り続けること、対話することが大事なのだと感じています。
ダイアログとディスカッション
今回、「授業・カリキュラム」というテーマで近年取り組んできた施策を16個リストアップし、それについて
Keep: 概ね順調なので今後も継続
Problem: 解決できない課題がある
Try: 改善や変化させようとしている、あるいはその可能性がある
の、どれに当たるか分類しました。
施策の種類は
・単位制(自由度の高い時間割)
・コンパス別授業
・学校設定科目
・総合的な探究の時間/リクリ
・100分授業
・ノーチャイム
・ハウス・メンター制
・教育保障制度
など。
全般的に意見を出し合ったグループもあれば、最初にKPTを分類した後は一つの施策について議論を深めたグループもあったようです。各グループからは以下のような意見が出てきました。
・Kが新陽の強みや特色で、Pも議論次第でTに持っていけると思った
・ノーチャイム等も最初は懐疑的だったが浸透し特色になった
・科目選択は定員等の理由で、本当の意味で「自由」になっていないのでは
・自由に時間割を組んだ結果の空きコマを生徒はどう活用しているか
・新陽にしかない学校設定科目は有意義な反面、属人化している課題もある
・学校外履修をより認めていくべき
・100分授業は使い方が確立されていない。科目にもよる
・クラス担任とハウスの違い。メリットはどこか精査する必要がある
最後に、対話に参加していたハウス長たちにも感想を聞くと、「単位制3年目で生徒が全年次そろった今年、様々なことを検証し、今後に向けて検討していく必要がある」という意見や、「課題は色々あるがそれも含めて新陽が高校教育の再創造に進んでいる証拠だと思う」などのコメントがありました。
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ピーター・M・センゲ氏の「学習する組織」によると、対話にはダイアログとディスカッションという二つの異なる方法があり、両者の違いを見分け、使い分けることが大切である、とされています。
「ダイアログでは、複雑で微妙な問題を自由かつ創造的に探究し、互いの話にじっくり耳を傾け、自分の考えを保留する。対照的にディスカッションでは、様々な考えを発言したり弁護したりして、そのときに下さなければならない決定の裏づけとなる最善の考えを追求する。」
ビジョンのアップデートには、まさにこのダイアログとディスカッションの両方が必要。中つ火の場に限らず、この先も対話を続けていきます。
なお今月の中つ火、実はちょうど教育実習の受け入れ期間と重なったので、新陽の卒業生である教育実習生にも一緒に参加してもらいました。
チェックアウトの時に「自分がいた時よりも進化していてびっくり!もっと進んでいってほしいです。」と話していたそうです。卒業生や在校生から認めてもらえるのはやっぱり嬉しいですね。
【編集後記】
終了後、いくつかのテーブルで延長戦が行われていました。過去にも、中つ火の後に対話の灯が燃え続けていた回があり、そこから次のアクションが生まれたこともあります。この延長戦(放課後タイム)が、対話の場のもう一つの価値だったりします。
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