海外留学という選択。『人物多様性』と国際交流 【週刊新陽 #117】
今年3月に新陽高校を卒業し、アメリカの大学に進学することが決まっている林あかりさん。4月からはインターンとして時々学校に来て、授業をアシストしたり在校生の相談に乗ってくれたりしていました。
先日、いよいよ渡米が迫ったとのことで挨拶をしに来てくれたのですが、「ビザが届いたら、とうとう留学するんだ〜って実感が湧いてきました!」と話す表情は、自信と希望で輝いていました。
文化の多様性体験
最近、海外に関心を持つ新陽生が増えてきたような気がします。
あかりさんのように海外留学する先輩に憧れて、という生徒もいれば、感染対策が緩和されて自由に動きやすくなったから、というご家庭もあるようです。
現2・3年生の保護者の方向けに「留学プログラムに興味がありますか?」と意向を調査したところ、26家庭が「Yes」と回答。「金額次第ではYes」と答えたご家庭も71ありました。
そしてこの夏以降、実際に20名の生徒(2〜4週間の短期:17名、3ヶ月:2名、1年:1名)が、カナダ・オーストラリア・シンガポール・アメリカなどに留学します。
また、英語科の先生や海外とのコネクションがある先生が、学校活動の中でも様々な国際交流の機会を作ってくれています。
これまで、文科省とAFS JAPANの共同事業「アジア高校生架け橋プロジェクト」に参加してアジア各国からの留学生を受け入れたり、JICAの異文化交流プログラムでフランス語圏のアフリカ出身の方々に来校いただいたりしました。
さらに、今年はフィンランドからの体験入学生もいます。6月中旬に転入してから色々な授業に参加するなどして新陽ライフを満喫してくれているようで、今ではすっかり馴染んで週末の学校祭に向けてみんなと一緒に準備に励んでいます。
言葉の壁を越えるもの
札幌市と姉妹都市のアメリカ・オレゴン州ポートランド市。この夏、ポートランドにあるグラント高校の日本語イマージョンコースに通う高校生20名が、市立高校と交流する夏期研修プログラムのため来札しています。
その中から4名の生徒さんが、先日、新陽高校にも遊びに来てくれました。
最初はすこし緊張しているように見えた新陽とグラントの生徒たちでしたが、山上先生のファシリテーションでトークタイムが始まるとあっという間に打ち解けて気付けば大盛り上がり!
英語と日本語を交互に使いながら全身でコミュニケーションしたり、スマホを使って単語を調べながら話したり、大事なのはやはり、相手のことを知りたいとか、伝えたい、という思いのようです。
半日という短い時間ではありましたが、交流した生徒たちは口々に「楽しかった!」「友達になったよー!」と嬉しそう。グラント高校のみんなも「新陽高校に行って良かった!」「楽しかった!」「またみんなに会いたい!」と言ってくれていたそうです。
「留学したい」を後押し
新陽の単位制は、留学に挑戦したい生徒も視野に入れてカリキュラム設計しました。
ほとんどの科目が半期で単位を取れるので、半年や1年という単位で留学しやすいことや、留学先で履修・修得した科目の単位を新陽の単位として認定できることなどにより、留学しても同期生と一緒に卒業することができます。
さらに今後、少しでも「留学してみたい」という気持ちがある生徒の背中を押せるように、留学への心理的や経済的なハードルが下がるような仕組みを整えていければと考えています。
新陽ビジョン2030には、『文化の多様性を尊重し、北海道を原点に他地域との連携、国際交流、グローバル体験などを積極的に行う』というアクションプランがあります。
留学するしないに関わらず、生徒たちには国際交流の体験を楽しみ、新しい価値観を得たり、客観的な視点を身につけたりしてもらいたいな、と思います。