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初めて単著で本を出します!「校長の行動戦略入門」発刊のお知らせ 【週刊新陽 #193】

この度、初の単著『校長の行動戦略入門〜「カリスマ」じゃなくても変化を起こせるマインドと方法〜』が出版されることになりました!

明治図書出版から2月初旬発売(Amazonや書店店頭では2月下旬発売・1月下旬予約開始)予定です。これから校長になる方はもちろん、各校のミドルリーダーの皆さんに読んでいただけたら嬉しいです。

明治図書ONLINE

カリスマじゃなくても変化は起こせる

この本は、2021年4月に札幌新陽高校の校長になってから取り組んできたこと、あるいはやりたいと思っていることをベースに書かれています。

ただ、これは新陽高校の記録でも校長・赤司の自伝でもありません。

多くの学校改革のストーリーには、「〇〇さんだからできた」「〇〇学校だから成功した」という声がついてまわることが多い気がします。ある意味それは正しくて、どんな取り組みも、その学校や人の固有事情を含んでいるので「そこにしかないもの」です。でもだからと言って、他ではできないということにはならないと思うのです。

やり方さえわかれば、あるいは「やれる」と思えば、改革できるはず。それを「カリスマじゃなくても変化を起こせる」という言葉で表現しました。

この本に記した内容はすべて、私がこれまで仕事やプライベートで接した様々なリーダーの方々から教わったり、新陽高校の先生や生徒との対話の中で培われたりしたものです。関わった全ての人へ直接恩返しをするのは難しくても、せめてそこから得たナレッジを恩送りできたら、と思いながら書きました。

だからもし、何か一つでも全国の学校現場で日々尽力されている校長やミドルリーダーの方々のお役に立てたらこれ以上の喜びはありません。

校長になる前となってからのマインドと方法

各章の構成は、
・スクールリーダーが持っていると役立つマインドや理論
・大事なポイント3つ
・実践事例や方法
となっています。

なお、この『週刊新陽』で公開したエピソードも複数掲載。あらためて、noteにいろいろ書き残しておいてよかったなぁと思いました(笑)。

校長の行動戦略入門〜「カリスマ」じゃなくても変化を起こせるマインドと方法〜』目次:

序章:校長1年目で「職員会議をなくせた」わけ

第1章:「校長になる前」の行動戦略
1. リーダーシップを発揮する
2. 複数の視点を持てるようになる
3. プロジェクトマネジメントを知っておく
4. 人を動かすために自分が動く

第2章:「校長になることが決まってから」の行動戦略
1. 学校を知る
2. 組織体制をイメージする
3. 目指す学校像を確認する
4. ポリシーとアクションプランをつくる
5. やらないことを決める
6. リーダーとしての覚悟を決める

第3章:「組織」を変える行動戦略
1. 「学習する学校」になる
2. ビジョンを共有する
3. 余白をつくる
4. 共創的に対話しチームになる
5. 探索し探究する
6. 実践し体得する
7. 対話と越境を重ね自律を促す
8. ときに強いリーダーシップを発揮する

第4章:「業務」を変える行動戦略
1. ゴールを定めて共有する
2. 枠組みをつくる
3. 枠組みを具体に落とし込む
4. 目的に合わせた体制をつくる
5. 外部のスペシャリストの力を借りる
6. 会議をアップデートする
7. 学校DXを進める
8. 人材を確保し育成する
9. 広報はみんなで取り組む

第5章:「学び」を変える行動戦略
1. 学びが変わる背景を理解する
2. 学びを変える目的を体感する
3. 学習環境をデザインする
4. 子どもの変化を捉える
5. 越境を応援する
6. 校長自ら学び続ける

第6章:校長2年目からの行動戦略
1. 慣れすぎない
2. 焦らない
3. あきらめない
4. 止まらない
5. 校長室にいない

あって当たり前の職員会議をやめた

きっかけは、明治図書出版から2023年7月に刊行された『SCHOOL SHIFT〜あなたが未来の「教育」を体現する』です。この本では「学校組織のSHIFT」の実践編として、新陽高校の取り組みを紹介しました。

『SCHOOL SHIFT』(明治図書)

担当編集者の大江さんから、「スクールリーダーのSHIFTを支える本を作りたいと思ってるんですが」と連絡をいただいたのは昨年の春。

学校は、子どもたちが学ぶ場であると同時に教職員が働く場です。そのアップデートが必要な今、組織の中心となる校長の働きかけやあり方に注目した大江さんの問題提起をまとめると・・・

「これからスクールリーダーとして挑戦していく方々の中には、変革への熱意や憧れを胸に秘めている方も少なくないのに、何かを変えることは軋轢やリスクを伴うという恐れから踏み出せない方もいるかもしれない。でも、改革とは常に強引なものばかりではないはず。協調し対話しながら意識と仕組みを変えていくことが可能であるという事実とそのモデルを伝えることができれば、 多くのニューリーダーたちが、胸に秘めた変革への熱を絶やさずに学校を変える勇気につながるのではないか。」

という趣旨でした。どうやら、新陽の校長になって最初に「職員会議をやめて対話の時間を作った」ことがインパクトがあったようで、どの学校にも当然ある職員会議をなぜやめることができたのか、そこに変革へ一歩踏みだすヒントがあるかもしれないと思われたのかもしれません。

企画打ち合わせをして本の方向性や構成が固まったのが6月、そこから書き始めて順次原稿を送り、「あとがき」を書き終えた時には北海道はすっかり秋になっていました。

共著での経験はあっても一人で200ページある本を書くのは未知の領域ですし、図表やプレゼンを作ることに慣れていても実は文章を書くことには苦手意識があるので、コンフォートゾーンを抜け出し本気で挑戦する貴重な経験となりました。

本の発刊はいよいよ来月に迫りましたが未だ実感がないので、現物を手に取るのが本当に楽しみです!

【編集後記】
正直言って、1冊まるまる書くのは自分が想像していた以上に産みの苦しみがありました。「書きます、なんて言うんじゃなかった・・・」と後悔したことは一度や二度ではありません(笑)。だから一人ではきっと完成に漕ぎ着けられなかったと思いますが、本の方向性を決める際には新陽の対話の場「中つ火を囲む会」でもお世話になっているリクルートの福田さんに相談に乗っていただいたり、元新陽の先生であり現在も新陽の伴走をしてくれている高石大道さんと何時間も「企画会議」をさせてもらったり、他にも多くの方のご支援があってなんとかここまで来ました。あらためて皆さまに感謝すると共に、この経験を活かして更なる挑戦をしたいと思っています。

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