合格速報!!生徒の数だけ進路がある 【週刊新陽 #36】
「BOYS, BE AMBITIOUS(少年よ、大志を抱け)」は、札幌農学校(現・北海道大学)で教鞭を取っていたクラーク博士がアメリカに帰国する際、見送りに来た教え子たちに贈った言葉、とされています。諸説あるようですが、北海道の開拓精神を代表する言葉として若者を勇気づけてきたことは間違いないでしょう。
そして実は、クラーク博士が農学校で生徒たちに言い続けたのは「Be ambitious」ではなく「Be gentleman (紳士たれ)」という言葉だったとか。規則で縛るのではなく、何が正しいのかを自分の頭で考えて行動するよう導いたそうです。
新陽の生徒たちにも、「自ら道を拓く人」として自分で考え、自分の志を持って生きていってほしいと思います。
(丘の上のクラーク博士像がある羊ヶ丘展望台は、新陽高校から車で10分です。)
【合格速報】3年生の進路、続々決定!
生徒たちが多様な進路を選ぶ新陽では、専門学校入試や就職試験がある夏に3年生の進路先が決まりはじめ、大学の推薦型選抜や総合型選抜の行われる10〜11月にピークを迎えます。
現時点の2022年3月卒業予定生徒の合格・内定先は以下の通りです。(12月10日 10:00現在。速報のため卒業生分は含んでいません。)
【2022年4月23日追記:卒業生を含む最新の進路実績ならびに過去の実績は新陽高校Webサイトをご覧ください】
共通テストや一般受験を目指していたり、自分の進みたい道をじっくり探していたり、このリストにまだ載っていない生徒たちも引き続き頑張ってほしいです。
どの生徒にも、自分らしく生きていくために「自分の進路を自分で決めた」という経験を得て、歩んで行ってほしいなと思います。
新陽が推薦・総合型に強い理由
先日、学校に遊びに来てくれた卒業生から「大学でグループワークがあると、だいたい僕がファシリテーター役になるんです。」という話を聞きました。他の学生はファシリテートしたがらない、あるいはできないのだそうです。
また、推薦入試でプレゼンテーションを課す大学もあるのですが、ある生徒は「プレゼンが得意なので」と、敢えてその選抜方式を選んだと言っていました。
近年、特に私立大学において推薦型と総合型選抜の割合が増えていることは、以前の週刊新陽(#29)でも触れた通りです。
そして、年々、大学進学率が高まっている新陽では、この推薦型・総合型で合格を勝ち取る生徒が多数います。
それはなぜか。
推薦や総合型入試では、自己推薦書や小論文、プレゼンテーション、面接などを通して多角的な評価が行われます。私は、この多角的な評価と新陽での学びがマッチしているのではないか、と思っています。
新陽は、定期テストはなく、知識の習得は単元テストや課題で確認します。テストのための勉強はせず、しっかり自分の知識として身についているか、それを活用できるかを多面的に測ることができます。
また、新陽ではグループワークやフィールドワーク、インターンやボランティアなど、体験の機会がたくさんあります。どのコースの生徒も、探究的な活動やプロジェクトベースの学習(PBL)に取り組み、正解が1つある問題を解くよりは様々な答えを探したりチームで納得解を出したりします。
学校を飛び出し実社会で多様な大人と触れ合いながら学ぶ経験を通して、生徒たちの『自分を知る力』『自分を表現する力』そして『人と協働する力』が伸びていると実感します。
日常から始まるキャリア支援
進路部長の三ツ木義弥先生にお話を聞いてみました。
- 新陽ならではの進路サポートってなんでしょう?
指定校推薦は特徴の一つと言えると思います。新陽には、先任の進路部長たちが築いてくれた指定校枠が多くあり、そういう選択肢があることで「大学に行く」という可能性を生徒たちに示すことができます。
4年生大学に行く生徒は増えているものの、新陽は進学校ではないので、入学した時点では「自分の成績で大学に行けるわけない」と思っている生徒は少なくありません。
そういう生徒も、可能性を知ることや先輩たちの実績を見ることで「大学に行けるかもしれない」「行きたい」と思うようになります。
そうなったときに、背中を押すのはやっぱり担任の先生です。だから、日頃のコミュニケーションや関係性が大切。進路支援は1年生のときから、そして日常から始まっているんです。
自分もクラスを持っている時にはそういう意識でやっていたつもりですし、今は進路部として、担任の先生たちをサポートしたいと思っています。
- 生徒にどんな進路を選んでほしいと思いますか?
最近は進路も多様になりましたし、「これが学びたい」と具体的な目的を持って大学や学部を選ぶ生徒も増えている気がします。
どのような進路を選んでも、なりたい自分になることは大切。何をもって自分がハッピーなのか、突き詰められるような人であってほしいですね。
大学に行くことがすべてではない、とは思います。例えば、この仕事に就きたいというものがあれば就職すればよいし、このスキルを身につけたいとか資格を取りたいというのが明確なら専門学校を選ぶのもいい。
でももし、何をしたいかわからなくて、経済状況が許すなら、大学に行ったほうがいいと生徒たちには言っています。自分のために使える4年間で、視野を広げることはとても価値があると思うんですよね。
なお、家庭の経済的理由で進学を諦めなくてもいいように、奨学金などの可能性を探るサポートも行っています。今年から、奨学金プラットフォームCrono My奨学金との連携もスタートしました。
- 大学に進学する可能性を感じるのはご自身の経験からですか?三ツ木先生は新陽の卒業生ですよね。
そうですね。30年前、同級生はだいたい就職か専門学校。大学進学はまれでした。
自分は、親の仕事の関係で高2の1年間カナダに留学したのをきっかけに、大学をめざそうと思うようになったんです。英語の力も上がって自信がついて、挑戦したら行けるかも、と。それで公募推薦を受けて大学に進学しました。
とはいえ、その後も順風満帆ではなくて・・・大学を出た後、教職だけでなく企業の就職試験も受けたのですがどこもだめで、就職先が決まらずにいました。そしたら偶然、新陽のときの担任の先生が「英語の教員を探してる」と誘ってくれて、母校に戻ることになりました。
ちなみに、実は自分は覚えていなかったのですが、卒業するときに「ここ(新陽)に帰ってくる」と担任に言っていたらしいです(笑)。
当時、生徒も周りも「どうせ新陽」というイメージを持っていたと思います。でも「そんなことないよ」と伝えたくて戻ってきました。今も、自分が卒業生であることや、長く勤めているから感じることや分かることもあると思ってます。
生徒たちには、新陽は進路のレベルも多様性も上がってる、誇りを持って胸張っていこう、と伝えたいですね。
《三ツ木先生と川端先生。進路部はいつもなごやか。》