正解ではなく最適解をめざす、学校のリスクマネジメント 【週刊新陽 #11】
札幌新陽高校の赤司です。
本日6月17日夕方、沖縄を除く9都道府県の緊急事態宣言は20日の期限をもって解除との発表がありました。一方、依然として医療体制がひっ迫している札幌市では21日以降も強い対策が必要と、鈴木知事が述べています。
緊急事態宣言が解除されるまでのガマン?
「期限の6月20日を過ぎれば、きっと・・・」という気持ちでいる人は多かったのではないでしょうか。
私も、毎日新規感染者数をチェックし、5月21日に過去最多(北海道 727人、札幌 426人)が発表されたときはショックでしたが、少しずつ報道される数字が小さくなり、とうとう2ケタの日が続いた今週は正直かなりホッとしました。
ただ、札幌の医療提供体制はいまだ危機的な状況で、病床使用率や療養者数は北海道内全体でもステージ5(国のステージ4)レベルに留まっています。6月10日時点の札幌市内の病床使用率は90%という報道もあり、状況は厳しいと言わざるを得ません。
6月21日以降の教育活動について
そんな中、昨日生徒および保護者向けの案内を出しました。以下その要約です。
1. 引き続き6月21日(月)から7月30日(金)まで、生徒は在宅学習、職員はテレワークを原則とする。
2. 在宅学習が長期間に及ぶことを考慮し、希望する生徒については登校して学習することができる。
3. 毎朝の検温と報告については今後も継続。
4. 7月に予定している学校祭については、実施方法も含めてその可否について現在検討中。後日改めて案内。
5. 部活動について、活動がある場合はオンラインでの6時間目の授業終了後に登校してから活動すること。詳細は各部顧問から連絡。
今後、市中の感染状況や医療提供体制、ワクチン接種状況等を鑑みて、登校し対面での学習活動へと移行していきます。また、ご家庭ごとの事情にも配慮し、生徒の意見も参考にしながら、今後も在宅学習やオンライン授業の改善を図っていきたいと考えておりますので、引き続きご支援ご協力をよろしくお願いいたします。
4月以降、さまざまな生徒の声、保護者の方々の声が寄せられ、つい先日も生徒を対象にアンケートを行ったところ在宅学習における様々な困り感や学校への要望を聞き取ることができました。特に、友だちや先生とリアルな触れ合いがないことについては大人でさえ問題を感じていて、ましてや心も成長期にある生徒たちのストレスはいかばかりかと思います。
そこで今回は、生徒の心身のケアと在宅学習のサポートを充実させることにしました。特に、希望する生徒については登校し、学校で学ぶことができる環境を整えます。
もちろん、それで補えることに限界はありますが、『生徒の安全を守り、教育活動を止めない』という基本方針のもと、日々、検討を重ねています。
いつまでオンライン授業とするか
現在の新陽高校の校舎では、全員が登校した場合に教室内で2mの距離を確保できません。そのため、これまで完全オンライン授業としてきました。
ピーク時に比べると新規の陽性者数も減少傾向にあり、緊急事態宣言が解除されるとなれば、感染対策を一気に緩和したくなります。
でも、リスクを回避する時は一気にブレーキをかけ、緩めるときは少しずつ、というのが危機管理の鉄則。緩め方を間違えると、校内クラスターを出さずに来た新陽の努力が水の泡になってしまいます。
あくまでも今日(6月17日)時点ではステージ5、あるいは、限りなくステージ5に近い4であることを前提に、冷静に慎重に教育活動のレベルを決めました。
なお、7月30日までとしたのは、あくまでも夏休み前までの見通しを立てるため。
札幌市内の感染状況や医療提供体制の状況が好転するのに合わせて、徐々に対面での教育活動を増やしていきます。
『出会いと原体験』を大切にする新陽高校として、やはり、対面での体験の重要性は誰よりも感じています。1日でも早く、元気に活動する生徒たちであふれた新陽高校に戻りますように。
【参考】2021年4月から6月までの新陽高校の学習形態
4月23日:5月6〜14日までを完全オンラインとすることを決定。
4月27日:生徒の陽性判明を受け、4月28日を臨時休校、4月30日を完全オンラインとする。
5月6日(GW明け):完全オンラインで授業開始。
5月7日:北海道にまん延防止等重点措置が適用されることが決定される。
5月11日:オンライン授業を5月31日まで延長し、週1回の登校日を設定することを決定。
5月14日:北海道に緊急事態宣言が発出される。
5月16日:職員の陽性判明を受け、5月17日の週の登校を中止することを決定。
5月21日:北海道内の新規感染者数過去最多(727人)、緊急事態宣言延長の可能性ありとの報道が流れる。
5月24日〜26日:学年ごとに登校しロングホームルームを実施。6月1日以降の対応について協議、6月20日まで完全オンライン授業を延長することを決定。
5月28日:緊急事態宣言が6月20日まで延長されることが決定される。
6月4日〜9日:保護者アンケート実施(今年度より毎月実施しているもので6月のテーマは「多様性」についてであるが、学校への意見・質問ができる自由記述欄あり。)
6月9日:オンライン授業開始から約1ヶ月が経過。緊急事態宣言が解除見込みの6月21日以降の登校・授業形態について管理職等で協議。
6月9日〜11日:オンライン授業(在宅学習)などについての学校生活調査を全生徒向けに実施。
6月14日:6月21日以降の登校・授業形態について、管理職・コース長・分掌長で協議。
6月15日:6月21日以降の登校・授業形態について、管理職・コース長・分掌長で再協議。
6月16日:6月21日以降の教育活動について、生徒は在宅学習(オンライン授業)、教員はテレワークを原則とすることを決定。※ 現時点では夏休み前の7月30日までとして、生徒・保護者向けに案内。
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