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新陽の出会いと原体験、再始動。 【週刊新陽 #28】

後期が始まり2週目となりました。今週から全コース・全学年が登校して6時間授業です。

新陽高校では、8時15分から全職員で朝の打ち合わせを行います。そのあと各コース教員打ち合わせがあり、8時35分から始まるショートホームルーム(SHR)に向けて担任や副担任の先生たちは教室に向かいます。

私はというと、朝打ち合わせが終わると(だいたい8時25分頃)、急ぎの予定等がない時は校門に立って生徒たちを迎えることにしています。

職員室を出て、階段や坂を上がってくる生徒の波を逆流し校門に向かい、登校してくる生徒たちと「おはようございます」の挨拶。8時35分ぎりぎりに駆け込んでくる生徒や、SHRに間に合わない生徒もいますが、どの子にも「今日もよく来たね。調子はどう?」という気持ちで声をかけます。

高校時代、毎日ぎりぎり(セーフ、でもなくて結構アウト)だった自分が、こんな気持ちで生徒たちを迎えることになるなんて、あの頃の自分に教えてあげたいです(笑)。

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さて、生徒たちとの接点が増えた今週、対面での活動も徐々に再開。

実際に行く、やってみる、人と触れ合う・・・そこでの生徒たちのエネルギーというか心が動く様子を目撃し、あらためてリアルな体験の大切さを感じています。

そこで今回は、さまざまな体験の場から3つの活動をご紹介します。

新陽生、舞う。

〜YOSAKOIソーラン保護者参観〜

YOSAKOIソーラン祭りとは、高知県の「よさこい祭り」をルーツによさこい祭りの「鳴子」と北海道の民謡「ソーラン節」をミックスして1992年に誕生したもので、毎年6月、札幌の大通公園を中心とする市内各所が熱気に包まれます。

このYOSAKOIソーランを1年生が踊る、というのが5年前に新陽で始まった伝統。

揃いの法被での舞を大通で披露するのが恒例でしたが、新型コロナウイルス感染拡大のため今年の本祭も中止になってしまいました。

当初、延期となったことで望みを繋いで練習を続けていたものの、結局中止になり、せめて保護者の方々に見てもらおうと参観日を企画。

10月13日、秋晴れのグラウンドで披露会が行われました。

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4月からクラスごと、あるいは個人でも練習を重ねてきた1年生たち。

とは言えオンライン授業も多かった前期、充分な練習の機会があったわけではなく、先週、体育館で踊っている姿を見た時は正直「来週、参観日だけど大丈夫かな・・・」と思っていました。

でも、本番に強いのが新陽生!!
青空の下、びしっと決めました!

30組以上の保護者の方に来校いただき、ライブ配信で参観してくださる保護者の方々も多く、生徒たちの晴れ姿を見ていただくことができました。

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《チーム名》
「つらぬき」1・2・3組生徒
「笑進」4・5組生徒
「ハレルヤ」6・7組生徒

なお、今年の法被はアイヌ模様が入っていますが、これは現3年生の髙橋椿さんがデザインしたもの。

授業で取り組むPBL(Project-Based Learning)で、平取町教育委員会ならびに株式会社パル・コーポレーションの協力のもとアイヌ法被プロジェクトが生まれました。監修してくださった平取町二風谷のアイヌ工芸家・関根真紀さんとオンラインで何度もやりとりして、3ヶ月かけてデザインを完成させたそうです。

参観日当日には、真紀さんや平取町の庄野教育長、アイヌ語講師の関根健司さんも来校され、法被のお披露目を見守ってくださいました。

ようやく真紀さんと対面できた椿さん。本当に嬉しそうで、「必ず二風谷に行きたい!」とアイヌへの想いがまた高まったようです。

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3年生のアイデアと想いが詰まった法被を着て1年生が舞う。その姿に、ただただ感動をもらいました。

新陽生、伝える。

〜探究コース成果発表会〜

新陽では、生徒主体の学びの一つとしてPBLを取り入れています。

特に探究コースの生徒たちは日常的にPBLに取り組んでいて、10月8日、成果発表会に招待されました。

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札幌大学のプレアホールをお借りし、アイヌPBLに取り組んでいる1・2年生からの中間報告と、宇宙PBLに取り組む3年生のフェーズ2発表が行われました。

教室や体育館ではなく特別な場所で、同級生や先輩後輩とはいえリアルにそこに人がいる前で壇上に立ち発表するというのは、なんとも言えない緊張感。

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アイヌPBLではまず、インプット学習でアイヌの伝統文化について学んだようです。

ウポポイ(民族共生象徴空間)に行ったり色々と調べたりして知ったことや感じたことを入り口に、チームごとにテーマを立てた生徒たち。今回の中間発表では、

・アイヌ語
・アイヌ食
・アイヌの暮らしや建築
・アイヌの歴史

など多様なテーマのアウトプットに向かう途中経過をプレゼンしました。

なお今年、アイヌPBLは全コースの1年生が取り組んでいて、10月27日に成果報告会が予定されています。プレゼン後に3年生や先生たちからフィードバックをもらっていたので、ここからどのようにテーマを深めたり広げたりするのか楽しみです。

3年生の宇宙PBLは、1年間かけて全教科で取り組む、新陽史上最大のPBLです。フェーズ1から3まであり、今回の発表はフェーズ2「宇宙×〇〇」の探究成果。(宇宙PBLについては、こちら▼の記事でもご紹介しています。)

こちらもアイヌPBL同様いろいろなテーマが設定されていましたが、テーマの究め方や伝え方はやはりさすが3年生。

宇宙という一見日常とかけ離れた分野を、衣食住などの身近な切り口とつなげる、高校生の自由で柔軟な発想に驚かされます。

宇宙PBLはこのあといよいよ最後のフェーズ。チームが合体して、12名で1チームとなりグループ学習していくとのことで、さらなる展開に期待が高まります!

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新陽生、街に出る。

〜都⼼まちづくりプラットフォーム公共的空間活⽤プロジェクト〜

このプロジェクトは、公園などの公共空間が多くの人にとって使いやすく居心地良くなるために、公共空間のあり方に関して考え、実証実験を行おうという官民連携の取り組みです。

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企画・運営をしている札幌プレイスメイキング実行委員会に私自身が名前を連ねさせていただいているとともに、今回行われた札幌大通公園での実証実験(2021年10月8日(金) ‒ 10月11日(月)開催)に、新陽の生徒有志が企画メンバーとして参加。

札幌日大高校など他校の生徒さんたちと一緒に、何度もオンラインでミーティングを行い、それぞれが出したアイデアから今回いくつかの企画が実験に漕ぎ着けました。(★が新陽生の企画)

ゆらぎコワーキングスペース with フロンティア・日建・石屋製菓
コロナ禍での⻘空ワークプレイスの確保しながら、最高に集中力が高まる「1/fゆらぎ」が感じられる ワークプレイス。様々なパターンのゆらぎを複数個所つくり、最適な環境を検証しました。
カフェ with 丸美珈琲・丸井三越・日建 at ロンドンバス
実は高校生が「あまり訪れない」という大通公園が、どうしたら中高生の居場所になり得るか、という問いからスタートした企画。「珈琲でみんなに幸せを届けたい」「珈琲を通じてコミュニケーションをとりたい」と思う一人の新陽生の想いがカタチになり、期間限定のカフェがオープンしました。
大通うぇいLIBRARY with 図書館チーム(淺野さん・フロンティア・日建・石屋製菓)
「もしかして読書って面白いのかも...?」という発見を、大通公園からアプローチ。大通公園にPop-up本棚を設置し、本棚1 つを札幌プレイスメイキング(通称:大通うぇい)関係者でフリーにコーディネートすると共に、関係者インタビューをまとめたウェブサイトを開設しました。
コスメカウンター with 株式会社サッポロドラッグストアー
多くの女性は朝のメイクに時間が取られて忙しい日々を送っています。 だけど『せっかくメイクに時間をかけたのに、自然光の下で見ると補えていなかった部分がたくさん』なんて経験はありませんか?そんなユーザーの悩みを解決する方法として「屋外コスメカウンター」が考案されました。
トイレ企画 with日本セイフティー株式会社、株式会社 北海道ジェイ・アール商事、東洋物産株式会社
公園のトイレは汚いというイメージをなくし、床の綺麗さ、明るさ、きれいな鏡、泡石鹸まで清潔に。 女性にとっては、トイレは身だしなみや着替え、友人とのコミュニケーションの場所としても使われているし、 防災時に見えづらいところですが、大きな問題の一つ。そんなトイレについて防災のプロと高校生たちが考える 「世界一きれいな公衆トイレ」です。
ランニング・サイクリングステーション with WOTA株式会社
札幌にはランニングステーションの設備を備えた場所は多くありません。公園の中に設備があれば利用してみたい方も多いはず。ランニングやサイクリングを楽しめる設備を都市空間の中に設置する実証実験です。

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実は、新型コロナウイルスの感染が急拡大するなど先が見通せない状況の中、プロジェクト自体の実施が危ぶまれたこともありました。

緊急事態宣言下で思うように動きが取れず、それでもオンラインでのミーティングや少人数・短時間での準備を重ね、なんとか実現しようとする高校生の姿に、大人たちが動かされました。

結果、ほんとうに多くの方々のご協力やご支援をいただき、高校生と大人たちが協創する公共空間が生まれました。

新陽生たちが学校を飛び出し、思いっきり社会とつながる体験をしたのは、1年半ぶりかもしれません。

たった4日間。でもとてもかけがえのない4日間でした。

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なお、このプロジェクトに参加した生徒たちのインタビュー記事を、週刊新陽にて近日公開予定です。どうぞお楽しみに!

また、札幌プレイスメイキングについては、こちら▼のサイトもぜひご覧ください。

【編集後記】
コロナ禍でオンラインでの活動に取り組んだからこそ見えてきたことを、こんな感じで整理できるのではないでしょうか。
(1)オンラインによってできたこと:中止(活動ゼロ)にするのではなく「どうやったら何ができるか」を考えた結果、実現した活動。
(2)オンラインだからできたこと:時間や空間を超えた出会いや体験。
(3)オンラインをやってみたから分かったこと:オフライン(対面)の価値、リアルな体験の意義。

そして、この1週間、様々な対面での活動に立ち会いながら、その手触り感や五感が刺激される感じ、あるいは生徒たちの心が動くのを見て、「これでこそ学校。これこそが新陽高校。」と思わずにはいられません。
『出会いと原体験』を大切にしてきた新陽。1年半の試行錯誤を経て、これから対面とオンラインそれぞれの利点を活かしていけると信じています。


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