今年、ひさしぶりに対面での学校行事を行っている小・中・高校や大学も多いのではないでしょうか。この2年間、世界中でオンラインの可能性が広がった一方で、人と人が顔を合わせてコミュニケーションすることや同じ空間で時を過ごすことの価値が見直されている気がします。
7月15日(金)〜16日(土)、新陽高校も、久しぶりに完全対面で新陽祭(学校祭)を行うことができました。
今年あらためて掲げた方針は『生徒自治の新陽祭』。生徒の、生徒による、生徒のための新陽祭への第一歩となった取り組みを紹介します!
みんな初めての学校祭
対面での開催は3年ぶり。つまり、すべての生徒にとって初めての対面での新陽祭です。クラスやハウス、グループごとに準備を進め、生徒も先生もワクワクドキドキで当日を迎えました。
特に3年生にとっては最初で最後の新陽祭。ステージ発表も模擬店もやったことも見たこともないけれど、中学生の時の記憶や動画などを頼りにそれぞれが描く学校祭を体現しようとしていたように見えました。
そしてその熱に1・2年生も刺激されたようです。最後の1週間は、全校を挙げて『自分たちの新陽祭』を盛り上げようというムードが高まっていきました!
〜スケジュール〜
14日:前夜祭
15日:全クラスのステージ発表
16日:模擬店・ミニゲーム・有志ステージ発表
(16日は在校生保護者、中学生および中学生保護者にも公開)
生徒自治の第一歩
新陽が一体となった2日間。この新陽祭を引っ張ったのは、生徒会執行部、そして行事委員や美化委員の生徒たちです。
3年ぶりの対面での新陽祭は、あらためて学校祭のあり方を見直す良い機会でもありました。
「学校祭はなんのためにあるのか」
『自主創造』という校訓、そして『人物多様性』というビジョンを意識してみると、自ずと『生徒が主体の新陽祭』という方向性が見えてきたので、生徒会担当の細川凌平先生にその実現を託しました。
細川先生が『生徒自治の新陽祭』を明確に掲げてくれたことで、他の先生たちもそれを意識して取り組んでくれていました。
先日、教職員が対話する『中つ火を囲む会』で新陽祭のリフレクションを行ったところ、
「行事の時に主体性を発揮できるかどうかは日常から来るもの。日頃から主体的に行動するよう働きかけが大事。」
「口出し手出ししないようにしたが、間に合うのかずっと心配だった。」
「今年は私はなにもやらないからね、と最初に言っておいた。実際ほとんど自分は動かずに生徒たちがやっていった。」
など、生徒の主体性を尊重し任せようとしていたエピソードがたくさん出てきました。そして、「生徒たちはもっとやれると感じた」という意見が多かったのも印象的でした。
一方、生徒はどうだったのでしょう?
生徒会長の田浦さんの感想を一部紹介します。(新陽祭の翌週明けに広報担当の先生がヒアリング。)
学校祭プロジェクトの推進
年度当初に『生徒自治の新陽祭』を掲げたものの、実際にどのくらい生徒主導でできるか、自分たちでやれたという手応えを生徒に感じてもらうにはどうすればよいか・・・細川先生とも相談して行き着いたのが、学校祭をプロジェクトと捉え、そのプロジェクトマネジメント(プロマネ)を生徒自身がやってみること。
そこで、友人の定金さんが代表を務める株式会社コパイロツトさん(以下、COPILOT)に協力を依頼したところ、プロマネの知見やスキルを、生徒会執行部の生徒たちに直に伝授していただけることになったのです。
定金さんと山城さんのお二人が毎週行うミーティングに参加してくださり、COPILOTさんの開発したプロジェクト推進メソッドに基づき、新陽祭を進めてもらいました。
4月に始まった定例ミーティングはトータル14回。
2回目の会議では「学校祭のゴール(目的)は?」と話し合いが行われ、『新しい新陽祭』『満足感も興味も得る新陽祭』というゴールが決まり、プロジェクトがスタート。
とは言え、最初は「タスク」「アジェンダ」「ガントチャート」と慣れないカタカナ用語に戸惑ったり、他の行事が忙しくて学校祭の準備に集中できなかったり、会議への参加率が下がったり・・・心配になる場面も何度かありました。
それでも、生徒主体のプロジェクト形式で進めることも、感染対策をしながら完全対面で実施することも、一から作る初めての新陽祭。生徒が掲げた『新しい新陽祭』というゴールに向けて進んでもらえるように見守ろうと決めていたので、不思議と焦りは感じませんでした。
そして迎えた新陽祭直前のミーティング。
1ヶ月ぶりに除いた会議では、生徒がファシリテーション、タイムキーパー、記録を分担し、タスクの進捗確認や洗い出しを行なっていました。その日はその様子にただ感心したのですが、それが感動に変わったのは新陽祭の後。
2日間を終えてあらためてミーティング動画を見てみると、生徒たちが目指した『新しい新陽祭』とはなんだったのか、3ヶ月の積み重ねが『生徒自治の新陽祭』としてどう身を結んだか、実感しました。
▼最後の会議の録画です。プロマネに興味がある方もぜひご覧ください!)
最後に、COPILOTのお二人からいただいたコメントを紹介します。