生徒より一足早く夏休みが明けた職員室 【週刊新陽 #122】
新陽高校は7月26日(水)から8月16日(水)まで夏休み。
とは言っても先生は、長期休業中も面談や研修、部活動などで出勤していて休みではないのですが(子どもの頃「学校の先生は休みが長くて良いな」と思ってました・笑)、それでも通常よりは少しゆったり、のんびり過ごしています。
8月17日の始業に向け、今週前半は先生にとって助走期間です。
ときどき行う職員会議
教職員の対話の場『中つ火を囲む会』を毎月開催していることもあり、新陽には一般的な学校にある月例の職員会議はありません。連絡・報告は、毎日の朝の打ち合わせや全職員チャットで行うことにしています。
その話を講演などでするので、職員会議が全く行われないと思われることもあるのですが、実は年に数回、大きなイベントの前などに皆の目線を揃えたり不明点を無くしたりするために全員が一堂に介します。
8月15日(火)も職員会議を行い、夏休み明けに実施するオープンスクールや体育祭、進路支援などについて共有しました。(新陽では3年生の進路決定の支援に全ての先生が関わります。)
今回の職員会議では、冒頭、チェックインを兼ねて「夏休みの思い出」を近くに座っている先生同士でシェアしてもらったところ、あちこちで笑顔や笑い声が起きました。皆さん楽しい夏を過ごしていたようで良かったです。
生徒の数だけ学びを叶えるために
『生徒の数だけ学びがある』がコンセプトの新陽の単位制カリキュラムでは、2・3年生の授業を自分で選択し一人ひとりの時間割を作ります。
生徒は、自分の興味関心や進路希望に基づき授業を選びますが、教室や教員数の制約があるので、必ずしも第一希望の科目が取れるとは限りません。
それでも、なるべく多くの生徒の希望が叶うように選択の幅を増やしたり、授業の組み合わせを工夫したりしながら、教育課程を作るのが教務の大事な仕事の一つ。1・2年生は2・3年次の授業の科目選択(履修登録)を9〜10月に行うので、教育課程作成チームの先生たちは夏休み前から準備を始め、夏期休業期間は集中してその業務をしていました。
また、集中講座の授業があったり学会や研修で自己研鑽したり、授業がない時だからこそできることもあり、生徒や保護者の方々からはなかなか見えない部分ではありますが、学校の先生は夏休みも結構忙しくしています。
学校DXへ、先生も学んでます
ところで、新陽では今年度から『教育課程ポータルサイト』をオープン。規定やシラバスをいつでも見られるように、と教務とICT/DX担当の先生たちが立ち上げてくれました。
新陽の単位制の特徴として、他校にない科目(学校設定教科『出会いと原体験』のアウトドア探究、eスポーツ研究、Google演習、澄川学、など)や、学校外学修が幅広く可能なことなどもあるのですが、これらの情報もポータルサイトにまとまっています。(一部、在校生しか閲覧できない情報もあります。)
昨今、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を聞く機会が増えた気がしますが、学校DXとは「デジタルを活用することにより学校の組織や働き方、そして学び方を変革すること」。単なるICT化に止めずDXになるには、考え方やマインドセットの転換が大事だと思います。
変革において私が意識しているのは、「困ったり悩んだりしたら”何のためにやるか”に立ち戻ること」と「小さく始めて検証をくり返すこと」。
例えば、生成AIについて、教員側が校務や授業で使うことはこれまでもやっていましたが、夏休み明けから授業の中でも生徒の年齢や状況に合わせて使用することにしています。これも、DX担当で情報科の尻江先生と「生成AIどうする?生徒たちに必要なことは何だろうか?」と相談し、まずは教員が理解して使ってみることから始め、保護者の方々への説明会や教員の勉強会などを重ねて、生徒の使用に向けて環境を整えてきました。
私自身、Chat GPTの外部研修に参加したり自分でも使ってみたりしながら、尻江先生や他の先生と情報交換しています。新陽の先生たちは好奇心旺盛でフットワークが軽い人も多いので、「生成AI使ってこんなの作ってみました」とか「この資料いいですよ!」など貴重な情報をシェアしてくれます。
一人で学べることは限られていますが、チームで知識や経験を共有することで学びは無限に広がります。シェアする習慣が根付いているのも、新陽の教職員の特色かもしれないな、と思います。
ちなみに、8月の1〜2週にお休みを取っていた教職員が多かったので、久しぶりに顔を合わせた8月15日の職員室は、海外旅行の話や家族で行ったキャンプの話、参加した研究会や読んだ本の話などをシェアし合ってあちこち盛り上がっていました。