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多様なキャリアに出会う機会〜11月全校集会 【週刊新陽 #184】

11月7日(木)の朝、目が覚めると世界が白くなっていました。今シーズン、初積雪です!

いよいよ冬が近づいてきた気がする11月6日(水)、全校集会を行いました。


生徒の頑張りが伝わる集会

生徒会執行部の生徒のアナウンスに従って全校生徒が体育館に集まると、まず、高文連石狩支部写真展で特選を受賞した写真局2年次・河村奏さんの表彰がありました。

特選となった「この道の先には」というタイトルの作品は、今年の夏期集中講座で十勝岳を縦走した時に撮影されたもの。

『この道の先には』河村奏

河村さんは「光のトンネル」というタイトルの作品で入選、「飛び立つ」というタイトルの作品で佳作も受賞しました。さらに、「光のトンネル」は全道高等学校写真展で優秀賞を受賞し、来年7月の全国大会に出展されることも決定。写真局員として新陽初の全国大会という快挙です!

『光のトンネル』河村奏

集会の最後には、10月に就任した66期生徒会執行部から連絡がありました。新たな行事に関する意見を全校生徒に募集するためです。

実は、球技大会や新陽祭(学校祭)の前夜祭・後夜祭あるいは勉強会など、生徒たちから要望の多い行事がいくつかあります。今回あらためてこれらについてアンケートを行い、その結果をもとに今後、生徒会提案で実施の検討に持っていきたいそうです。

生徒主体の生徒会運営を目指している新陽の生徒会執行部らしいアクション。生徒と教職員が協力して、よりよい学校生活を作っていきたいと思います!

アンケート回答への呼びかけをする副会長。
朝の教職員の打ち合わせでも、HRでメンターから
回答を呼びかけてほしいとアピールしました!

ひさしぶりの「多様性対談」

さて、この日は後期初の全校集会。3年生は今まさに進路活動のピーク、そして1・2年次の生徒は次年度の自分の時間割を作るために科目選択を終えたばかりです。校長挨拶では「自分が選んで進んだ道を、自分で正解にする力」について短く話しました。

人生は選択の連続です。新陽生には、自分の選択を自分自身でする、そして選んだ道を自分の力で正解にしていってほしいと願っています。

続いて始まった久しぶりの「多様性対談」。まさに自分の道を自分で拓き、その選択を明るくパワフルに「正解」にしている伊久美亜紀さんをゲストに迎え、お話を伺いました。

現在は、ライフスタイルプロデューサーで、株式会社鈴木商会の人事責任者でもある伊久美さん。実は『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち・ねこのいきもち』など年間約200冊の雑誌・書籍・絵本の編集を手掛けたベネッセコーポレーションの元総編集長。ラジオの情報番組のパーソナリティーも務めるなど多彩な活動をされています。

そんな伊久美さんがなぜ、25年勤めたベネッセを退職し、北海道の資源リサイクルという全く別の業界に飛び込んだのか、しかも広報ではなく人事なのか、そして生活から人生まで「ライフスタイル」に長く関わってきた伊久美さんが若者に伝えたいことなど、いろいろ質問させていただきました。

-- どんなご縁があって鈴木商会に入られたのですか?

ベネッセの元同僚が鈴木商会に勤めていました。彼から、社史を作ることになったので手伝ってほしいと相談されたのが鈴木商会との出会いです。社史のために多くの社員の方からお話を伺う過程で現場に行ってみると、本物のSDGsをやっていたことにグッときました。

ベネッセの時もSDGsという言葉は使っていましたけど、その言葉が出るずっと前から、持続可能な社会のためにリサイクル事業を本気で行っている人たちがいたことに感動したんです。

-- それで人事責任者に?

いえ、お手伝いしていたのも社史作りでしたし、自分のキャリアや得意分野からすると広報かしら、なんて思っていたのですが、鈴木商会の社長からいただいたオファーが人事で、青天の霹靂でした(笑)。

人事というと、採用、研修、労務管理など仕事は幅広いのですが、結局は人に関することです。社員一人ひとりの強みを掛け合わせて全体の力を高めるというのは、ある意味で編集の仕事と一緒なのかな、と。職場を明るくしメンバーを元気づけることが一番のミッションだと思ってやっています。

-- 業種も職種も違うお仕事をしてみて、実際いかがですか?

一番嬉しかったのは新卒採用の応募が増えたこと。2年目になるのですが、高卒も大卒もどちらも急増しました。説明会や面接では、鈴木商会の良さをこちらから一方的に伝えるというよりは、何度もお会いして相手の方とのコミュニケーションを大事にしているつもりです。

編集の仕事でやっていた、情報を集めたり分かりやすく伝えたり、というスキルも活きていると思います。

-- 伊久美さんは、採用する時、どんなところを見ているのでしょうか?新陽の生徒たちにアドバイスはありますか。

学歴などの履歴はあまり重視しません。面接にいらっしゃるみなさんは大抵しっかり準備していて・・・だから内容よりは、その中で伝わってくる人となりというか、オリジナルな自分を語れること、それと、元気がいいこと、ですかね。元気というのは、内に秘めた英気や覇気といった意味です。

新陽の生徒さんたちは、十分オリジナリティはあると思うので、自分らしくそのままを表現されたら良いと思います!あとは自分が何をしたいのか、何に興味があるのか。そのことについて話す時に、人はエネルギーが表出しますよね。もし皆さんが進みたい道があるなら、それについて積極的に知ったり触れたりしてみてほしいです。

高校生の時に社会を知る、社会と繋がるのはとてもいいと思うので、新陽のように色々な人が来る学校はすごくいいですよね。あとはバイトでもいいので、自分で社会に出てみるのもお勧めです。

-- 実はこのあと、伊久美さんのラジオ番組に出演させていただくのですが、そのテーマが「EZOのミライ」です。鈴木商会さんが北海道の若者を応援する活動をされている背景を教えていただけますか?

鈴木商会はこれまでも、石狩レッドフェニックス(北海道の独立リーグ・北海道フロンティアリーグに所属する球団)や、ハッシャダイソーシャル(若者がどのような環境からでも自分の人生を自分で選択できる社会を目指して活動している一般社団法人)をサポートしてきました。会社でも若い方に働いていただいていますし、若者との接点はもともとあった。そこであらためて「若者を応援する!」と宣言することにしました。

とは言っても、勝手に応援されても却って迷惑でしょうし、ただ応援してると言われても・・・という感じだと思うので、具体的に役に立つことをしたいと考えています。若者に喜んでもらいたいので、みなさんの声をぜひ聞かせていただいて、一緒に活動していけたらと思っています。

それから個人的な思いとしては、大人になるって楽しいよ、と伝えたい。大人になることに希望を持ってもらえるように、若者の力になりたいんです。

-- 最後に生徒たちへメッセージをお願いします!

今日はどうもありがとうございました!皆さんの前で話をするというとても良い経験をさせていただきました。皆さんの人生、これからだと思います。ご自分の力を信じてハッピーに生きてください!

話を聞くのは当たり前じゃない

ラジオのパーソナリティをしたり、数々の企業のアドバイザーを務めたり、様々なイベントで大勢の前で話をすることに慣れているはずの伊久美さんも、700名近い高校生を前にして緊張したそうです。

終わった後、「大人向けだとウケる話が、高校生にウケなくて焦った(笑)。あまり反応がなくて心配になったけど大丈夫だったかしら、、、」と仰った伊久美さん。

全員ではありませんが、しっかり伊久美さんの方を見ていた生徒、頷きながら聞いていた生徒もいましたし、対談の時に壇上から話していると目が合った生徒が何人もいました!

以前、福島でお世話になった先生に「授業でもなんでも、たった一人に伝われば十分。まずは一人に届いたらいいなと思って話すんだ。」と言われたことがあります。それ以来、全校集会でも「一人でも聞いてくれて、何か一つでも記憶に残れば御の字」と思って話しています。

集会後、ラジオの収録のために外出しようとしたところばったり会った女子生徒が「校長先生、これからラジオに出るんでしょ。頑張ってねー!」と言ってくれました。

そう、意外とみんな、聞いているのです。

そもそも、700名もの人が黙って30分近くも話を聞いてくれる状況なんて、社会人になってそうそうあるものではありません。これが大人だったら、興味がなければ参加してもらえないし、つまらなければ途中で帰ってしまうでしょうし、場合によってはクレームが来ることだってあります。

校長だから、先生だから、ゲストだからといって、生徒が話を聞くのが当たり前と思うのはおかしいのです。聞いて良かったと生徒に思ってもらえるような話をする努力や、素敵な話をしてくれるゲストに生徒の関心が向くような紹介の工夫を怠らないようにしたいと思います。

【編集後記】
全校集会の日の午後、生徒たちにも伝えたとおり、伊久美さんがパーソナリティをされているラジオ番組「EZOのミライRADIO」の収録がありました。10月から始まったばかりの北海道の若者の未来を応援する番組で、隔週で土曜日のお昼に放送されています。
なんと光栄なことにゲストとしては一人目の出演とのことでちょっと緊張しましたが、アナウンサーの渕上紘行さんと伊久美さんに助けていただき、自分のことや新陽高校のことについて楽しくトークしてきました!前編は11/9に放送済み(ポッドキャスト配信あり)、後編は11/23の12:30から放送です。ぜひお聴きください!

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