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Chromebookを置いて、町へ出よう 【週刊新陽 #65】
「雨女(あめおんな)」「雨男(あめおとこ)」と呼ばれてしまう人、いませんか?科学的根拠は無いようですが結構当たっている気もします。
新陽高校にも自他共に認める「雨女」の先生が数名いて、先日のYOSAKOIソーラン祭りや学校行事のたびに「お願い、雨呼ばないで!」と言われています。(新陽には「晴れ女(というか太陽神レベル)」の先生もいるので、そちらを拝んでなんとかしてもらいます・笑。)
ちなみに私は「雪女」です(大学時代、スキーに行くと必ずと言っていいほど初日に吹雪いてました。新雪が積もるので喜ばれましたが・・・)。
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さあ、晴れたでしょうか??
多様性を体感する宿泊研修
6月27〜28日、1年次の生徒が宿泊研修で平取町(びらとりちょう)に行ってきました。
宿泊研修とは、日常を離れた環境で仲間たちと寝食を共にしながら学ぶ機会です。単位制1期生の生徒たちのために昨年度から先生たちが準備してきた研修のメインテーマは、新陽ビジョン『人物多様性』。
自然を感じたり、アイヌ文化を学んだり、さらには生徒同士お互いの異なる価値観に触れて多様性を体感するプログラムを、平取町の全面協力のもと企画しました。
研修初日は4つのコースに分かれて体験学習。
・多文化共生コース
・食育インターンコース
・自然科学コース
・野外教育コース
どのコースも平取町の特色や担当する先生の得意分野を活かしたものとなっており、その中から生徒が自分で参加するコースを選び、活動します。
以下、各コースを引率した先生たちから活動の様子を聞かせてもらいました。
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多文化共生コースの生徒たちは、二風谷アイヌ文化博物館を拠点に研修を行いました。事前学習した上で実際にアイヌ民族の方々の生活品や言語などを見学したことで、「多文化とは何か」、「多文化と共に生きるためにどのようなことが必要なのか」という学びを深めることができました。博物館では学芸員の方に熱心に質問する生徒もいて、アイヌの文化や歴史への関心が高まったようです。
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食育インターンコースは平取町のトマト農家さんにお世話になり農業体験。農作物が育つ過程に触れることで、農業や食について学ぶ機会であると同時に、なぜ平取町でトマト農家を始めたのかなどのお話を聞いて、将来の仕事について考えるきっかけにもなりました。ハウス内はとても暑かったのですが、生徒たちは一生懸命作業しました!
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自然科学コースは二風谷ダムを舞台に自然探索を行いました。「研修にどれくらいの過酷さを求めるか」と事前アンケートを行い、それをもとに初級・中級・上級の3段階に分けて活動を実施。 自然の中にある巨大人工物のダムをじっくり味わう生徒、シャクトリムシの動きをジーッと観察する生徒、ササをかき分け自然の中に溶け込もうとする生徒、クワガタ探しに没頭する生徒などなど、100通りの感性で、100通りの自然探索が繰り広げられていました!
生徒も「中つ火を囲む」夜
今回、私も平取町に伺い、植田先生と青山先生が担当した野外教育コース@二風谷ファミリーランドオートキャンプ場の様子を見に行きました。
前の週の予報では、6月27日の平取町の天気は雨(1年次メンターの先生の中にも「雨女」がいました・笑)。テントを張って寝泊まりするプランのため他の3コース以上に天気が心配でしたが、前日まで降っていた雨は、新陽生が来るのを待っていたかのように止みました!
おかげで火を起こしての調理や、焚き火を囲んだ対話の時間も持てましたし、夜にはすっかり晴れて満天の星が。生徒たちは、星座を探したり、夜空の"映え写真"がどうやって撮れるか研究したり、アウトドアならではの非日常を満喫したようです。(今週号の見出し画像は生徒提供です。)
リフレクションコメントからも、体験からの気付きがたくさん伝わってきました。
「自然の厳しさや素晴らしさを感じた。」
「考えて行動することの大切さと難しさが分かった。」
「1人だと大変なことも何人かで協力してやったらラクにできる。」
「みんなの得意分野を合わせればより良くなる。」
「普段は見れない姿を見れて、あらためて仲を深めることができた。」
「初めて話した人もいたし、いろんな意見が出たりした。」
***
新陽では、以前からアウトドア活動を行なってきましたが、昨年度より、さらに野外教育に力を入れるためソロキャンプ用のテントを学校で所有しています。「子どもの頃からよく家族でキャンプに行く」という生徒だけでなく、「アウトドアは初めて。家にテントがない」という生徒も体験してほしいと思っているからです。
多様な生徒が一緒に活動することで新しい関係性が生まれたり、協力し合う大切さを学んだり。野外教育プログラムには多くの可能性を感じています。
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この日初めてテントを組み立てた生徒もいました!
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テントを張れました。
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先生が抜けたあと恋バナは盛り上がった??
出会いと感謝
2日目は、国立日高青少年自然の家に宿泊していた多文化共生・食育インターン・自然科学の3コースのメンバーも平取町に戻って合流し、全員でレクリエーション。(全員が体育館に着いたとたん雨が降ってきました!)
レクは、企画から進行までハウスリーダーの生徒たちが担当。新陽の単位制にはクラスという概念がなく、ハウスという(ハリーポッターのホグワーツ魔法魔術学校の寮のような)集団が活動のベースになっています。
今年の1年次はブルーハウスとグリーンハウスの2つに分かれているので、ハウス対抗で4つのゲームを競いました。
実は、集合時間が押してレクに使える時間が半分になってしまったのですが、直前に「ショートバージョンにできる?」と先生から頼まれたリーダーが臨機応変に調整。入学当初から生徒主体・生徒主導を意識している成果だと、とても頼もしく感じました。
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おつかれさまでした!
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各ハウスを白熱応援!
最後は、2日間お世話になった平取町の皆さまに感謝の気持ちを込めて、新陽ソーランを披露。
事前に町の広報誌で「新陽生がYOSAKOIの演舞を行います!」とアナウンスいただいていたので、雨にも関わらず、庄野教育長や町民のみなさんが集まってくださいました。
YOSAKOIソーラン祭り以来の新陽ソーラン演舞で、たぶん、1年次全員で踊るのはこれが最後。みんな全力で踊り切りました!
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生徒がデザインしたアイヌ文様があしらわれています。
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【編集後記】
今回の宿泊研修のしおりに「Chromebook(ノートパソコン)はいりません!」と太字で書いてありました。1人1台端末が数年前から整備され、どの科目の授業でもChromebookを日常的に使う新陽だからこそ、非日常での気付きや学びを大切にしたい宿泊研修には持って行かない。研修をデザインしたメンターの先生たちの想いを感じるしおりでした。