新陽高校の新しいポスターが解禁となりました!
このポスターは、有志生徒10名が、クリエイティブのプロである文筆家の松浦弥太郎さんとデザイナーの小熊千佳子さんと共に歩んできたプロジェクトの結晶です。
「自分たちは宝石の原石。そんな原石を発掘し、磨いてくれる場所が新陽高校」というプロジェクトメンバーのメッセージが詰まったデザイン。
『出会いと原体験』を大切にする新陽ならではのプロジェクトで、『人物多様性』をビジョンに掲げる新陽らしいポスターが完成したと思います。
ぜひ多くの方に見ていただけたら嬉しいです。(そして触ってみてほしい!)
どこにもないポスターが完成するまで
昨年7月に参加生徒を募り、スタートした学校ポスター制作プロジェクト。
集まった生徒(スタート時は8名、その後増えて最終的に10名)が、「中学生に伝えたい新陽」を考え、言葉にし、それをクリエイティブのプロの方々がまとめてカタチにする、という共同作業を約8ヶ月にわたり行ってきました。
第1回セッション(23年8月):ポスターづくりの極意
第2回セッション(23年10月):「新陽高校さん」ってどんな人?
第3回セッション(23年12月):「宝石発掘」をポスターにしたら
第4回セッション(24年3月):ポスター完成間近、ゼロイチをつくるということ
弥太郎さんと小熊さんのプロフィール、企画の背景、そしてプロジェクト前半(1・2回目のセッション)についてはこちらのnoteをご覧ください。
***
3回目のセッションが行われたのは、冬休み直前の2023年12月20日(水)。
前回の帰り際に弥太郎さんと小熊さんが「今度は私たちが宿題をやってくる」とおっしゃったとおり、ポスターのデザイン案が示されるところからスタートしました。
「自由人」
「ひまつぶしの神」
「情緒不安定」
「好きなことに全力投資」
「石を宝石にする力がある」
など、2回目のセッションで生徒から出てきたイメージはどれも独特で、それらがどんなデザインにまとめられるのか想像も付きません。
そしてこの日、小熊さんが持ってきてくださったのは「完成ですか!?」と言いたくなるようなポスター7枚(7種類のデザイン)!クオリティも量も、私たちの予想をはるかに超えていました。
「うわぁ〜!」と興奮気味の生徒と先生に対して、小熊さんも弥太郎さんも至って平然。「これはあくまでもイメージ。この中からみんなに選んでもらって、その方向性で細かいところを作り込んでいくね。」と軽やかにおっしゃって、プロの仕事ってこういうことか・・・!と、感動と同時に、緊張感が漂った生徒たち。
初回に弥太郎さんから「誰に向けたポスターなのか、届けたい相手を意識すること」と教えていただいたことを思い出しながら、「中学生に、新陽の魅力をいちばん伝えられそう」と感じた1枚を選びました。
セッションの後半は、今回のポスターの大きなポイントである『石』に重ねる『顔』をそれぞれ描いてみることに。絵が得意な生徒ばかりではありませんでしたが、「新陽ってどんな顔がある?」と考えたり、友達とおしゃべりしたりしながら手を動かしているうちに、たくさんの『顔』ができました。
***
年が明けた3月15日(金)、4回目のセッションに合わせてお昼過ぎに来札してくださったお二人。実はその日の朝の出発ぎりぎりまで、ポスターのデザインについてやりとりしてくださったそうです!
そうやって完成したポスターの最終案。生徒一人ひとりがじっくり見られるように小熊さんが用意してくれたファイルが配られると、みんなドキドキとワクワクが混じった表情で、大事そうに資料を取り出しました。
最後のセッションを行った後、「あとはプロとして良い印刷でポスターを仕上げていきます!」と仰った小熊さんと弥太郎さん。
4〜5月は、色や加工の確認、表記やフォントなどの細かい修正のために、何度も校正を行ってくださいました。一切妥協なしのお二人の仕事ぶりに触れさせていただき、私自身、とても貴重な経験となりました。
ゼロイチをみんなでつくる経験
4回目のセッションでポスターの最終デザイン案を見たあと、みんなで8ヶ月を振り返りました。
以下、一部ですが生徒のコメントを紹介します。
生徒が一人リフレクションするごとに弥太郎さんが言葉を返してくださって、その対話がとても素敵でした。その言葉、あの時間は、生徒の宝物になったに違いありません。
生徒の感想が一通り出たあと、小熊さんがこんなふうに話してくれました。
2018〜19年に生徒が弥太郎さん監修のもとパンフレットを制作したプロジェクトにも関わっていた髙橋励起先生は、学校のイメージが変わっていたことに気づいた、と言います。
つくることは、わかること
パンフレットプロジェクトから5年、「また新陽の生徒たちと関われて幸せ」と言ってくださった弥太郎さん。
毎回のセッションでは、クリエイティブに関すること、仕事への向き合い方、あり方や生き方など、いろいろなお話をしてくれました。
最終回(第4回)に弥太郎さんが生徒たちにしてくれたお話の中で、特に私が印象に残ったメッセージを紹介したいと思います。