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時間割にはない特別な授業〜サツドラHDインターン実録 【週刊新陽 #73】
新陽高校が大切にしていることのなかに「出会いと原体験」があります。
人生でたった一度きりの3年間に自分を突き動かす原動力を見つけてほしい、そんな想いから、新陽では地域や企業と連携し、生徒と大人、社会がつながる学びの機会を設けています。
たとえばその一つがインターンシップ(企業を訪問して話を聞いたり、就業体験をすること)。
今週の『週刊新陽』は、先日包括連携協定を結んだサツドラHD様に受け入れていただき、先週、1 dayインターンを経験した2名の生徒の話です。
普通の会社のイメージは?
参加したのは、3年1組の西濱さんと合田さん。それぞれ別の大学を目指していますが、担任の先生に勧められて一緒にインターンすることになったそうです。
有名な会社であり同時に身近なドラッグストアでもあるサツドラに行くことになり、「大きな会社に行くんだ!ドラマみたいなオフィスなのかな。」とドキドキしていた西濱さんと、「ドラッグストアでの体験だから店舗で品出しでもするのかな?」とちょっと気楽に考えていた合田さん。
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そんな2人が朝9時に集合したのは、札幌市東区にあるサツドラHD本社(2020年9月に竣工)。社屋と店舗が一体となった建物で、知のスペース「BOOK LOUNGE」やコミュニケーションを創出する「HUB SPACE」など創造性が高まりそうな素敵なオフィスです。
最初にサツドラの歴史や事業概要を説明いただいたあと、社屋内を見学。そのときの感想は・・・
それぞれの社員さんが仕事しやすい場所でゆったりと働いているように感じました。こういうところで働きたい、と思いました。(合田さん)
すごくきれいでした。部署と部署の仕切りがなかったり、本棚も背板がなくて向こう側が見えるデザインだったり、とにかく会社っぽくない。社員の方々は働きやすそうに見えました。(西濱さん)
会社といえばドラマで見る"昔ながらの事務所"のようなイメージが強かった、という2人は、予想とまったく違う雰囲気にインターン冒頭から衝撃を受けたようです。
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上階のオフィスともつながっているイメージです。
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心が動いた出会い
今回のインターンは、生徒がオフィスを訪問し、実際に働いている様々な方からヒアリングを行うスタイル。どんなお話が聞けたか、2人にインタビューしてみました。
-- サツドラでのインターンはどうでしたか。
(西濱さん)楽しかったです!講演で社会人のお話を聞く機会はあっても、今回のように少人数で直接話すのは初めてで、自分が聞きたいことを質問したり、その場でやりとりしながらまた質問が生まれたり、とても貴重な経験でした。
これまでサツドラはドラッグストアだと思っていました。でもそれだけではなくて、事務的な業務やタクシーのような事業にまで手を広げていることを知れたのも良かった。でも同時に、そういう取り組みが知られてないのは残念だと思いました。
(合田さん)私も楽しかったです!!今まで、周りの大人といえば親と学校の先生だけ。だから、実際に社会で働いている人のお話を聞けてよかったです。同じ会社なのにキャリアや業種も違う方々で、いろんな観点からのお話が聞けました。
私は情報系の大学に行こうと思ってるので、なぜドラッグストアのインターンを勧められたのかちょっと不思議に思っていたんです。でも、サツドラは情報やITを活かして地域に貢献するプロジェクトに取り組んでいることを知って、深く関係していることが分かりました。
-- いろいろな方からお話を聞いたとのことですが、特に印象に残っているのは?
(合田さん)まずは人事部の方の、どうやって人材を割り振るかというお話が、とても興味深かったです。
たとえばサツドラには「チャレンジ制度」というものがあり、経験や役職に関係なく挑戦したい人が手を挙げることができるそうです。日本の会社は年功序列、与えられた仕事をやるもの、と思っていたので意外でした。
もう1つは、ウェルネス部門のブロックマネージャーをされている薬剤師の方。「今の仕事は薬剤師の免許がなくてもできる。」とおっしゃっていて、大学時代に頑張ってせっかく取った資格を使わない働き方をしていることに驚きました。しかもその仕事に満足している、と。
自分が進路を考える時、大学に行って、もし頑張ってきたことが活用できなかったり評価されなかったりすれば、これまでやってきたことが無駄になるような気がして不安がありました。でも、そうじゃないんだと思えたんです。
(西濱さん)私も、ずっとサツドラで採用を担当されてきた人事部の方が印象的でした。面接する側の視点や意見を初めて聞けたので、とても勉強になりました。
正直、会社が採用の時に重視するのは学歴だと思っていました。でもその方は「自分が当たった壁をどう乗り越えるかを重視している。」とおっしゃっていて。勉強ができても学歴が高くても、壁にぶちあたったら立ち止まってしまう人もいるはず。乗り越える力の方が役に立つ、というお話は聞けば納得ですが、これまで私の考えにはありませんでした。
-- 今回の「出会いと原体験」を今後にどうつなげたいですか?
(西濱さん)みなさんに「好きなことをやるべきか、将来につながることをすべきか」という質問をしたのですが、「楽しいことをやった方がいい」という意見ばかりでした。どなたも「仕事が楽しい」と言っていたのが強く印象に残っています。
私はこれまで、働く意味は「給料をもらうこと」であって、やりたいとかやりたくないという私情を挟むべきではないと考えていました。やりたくない仕事でもお金は稼げるし、それを貯めれば老後は幸せに過ごせる、と。でもこの1日を通して、仕事に対する考え方が変わりました。
たとえ将来が楽でも、仕事をしているときに楽しくなければ時間がもったいない、楽しんで仕事することの意味は大きい、と思うようになりました。
(合田さん)私は、仕事もバリバリやりながら楽しんで働きたいと思っていました。でもそういう人を見たことがなくて、そんなのはドラマの中だけと思っていた部分もあったんです。だから実際に「楽しい!」と働いている方々に会って、現実にできるんだと感動しました。
特進コースには「一生学び続ける人に〜LIFE based on Learning」という目標があります。正直これまであまりピンと来ていなかったのですが、お話を聞いて、皆さんが働きながら学んでキャリアアップしていることが分かり、今はこの目標を達成したいと思っています。
「大人もみんな悩んでるよ」とお話してくださった方もいました。大学進学、就職、転職、ずっと悩む、と。もしずっと悩み続けるなら楽しい方がいい、とあらためて思いました。
体験に挑戦する意味
-- もしまたチャンスがあったら、どんなインターンをしてみたいですか?
(西濱さん)サツドラは本当にすてきな会社でした。でも、これって普通ではないのでは?どこもこういう感じと思ってしまうと社会に出た時にショックが大きいんじゃないか不安です。だから、一般的な会社や組織で働いている人の姿を見てみたいし、話も聞いてみたい、と思っています。
(合田さん)私はユーザーに体験を届ける仕事に興味があります。今回お会いした方々はお客様と直接触れ合う機会が少ないお仕事をされていたので、もしまた機会があるなら、イベントなどお客様目線をもっと考えなければいけない部署の方からもお話を聞いてみたいです。
-- 充実した1日を過ごしたことが伝わってきました。体験談を聞かせてもらってありがとうございます。最後に一言!
(西濱さん)インターンは早めに行った方がいい、と感じました。まだ進路に悩んでいる時期や悩むことができる間に体験した方がいいと思います。今回のタイミングは私にとっては良かったです。
もし、親や先生に言われて進路を悩んでいる人も、実際に働いている方のお話を聞いたり仕事を知ったりすることで、方向性が見えて自分の意思が固まるきっかけになることもあると思うんです。
(合田さん)今回行けて本当に良かったと思います。インターンとボランティアの違いが分かりづらいし、実は積極的ではありませんでした。なんならバイトをしてバイト代をもらった方がいいと思っていたタイプです。
でも、インターンを体験して、お金ではなく得られることがたくさんありました。一見自分が興味が湧かないことでも、いろいろなインターンやボランティアを経験することで世界が広がることもあるので、行こうと思っていなかった人も一度参加してみるといいと思います。
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2人に話を聞かせてもらいました。
【編集後記】
この2人、「少人数クラスじゃなかったら、話すこともなかった(笑)」とお互いに思っているほど考え方も価値観も違うそうです。その分、今回一緒にサツドラの方にインタビューしていると、自分が考えない質問が出てきたり、「そっちの考えもあるんだ!」と驚くことがあったりして、面白かったとのこと。
実はサツドラの方が「週末も来たら」と言ってくださって、次の日もコワーキングスペースで朝から夕方までテスト勉強をした2人。どうやら勉強スタイルも全く違うようですが、違うからこそお互い意識し合って、そして周りにいた大人の方々の影響もあり、良い緊張感で(学校で自習するより・笑)終日集中できたそうです。サツドラの皆様、本当にお世話になりました!!