
越境体験が生むもの〜国内留学from福岡 【週刊新陽 #189】
12月11日〜13日の3日間、新陽高校が包括連携協定を結んでいる福岡女子商業高校(以下「女子商」)の生徒さん3名(2年生1名、1年生2名)と先生2名が、新陽高校に来てくれました。
協定式で女子商の柴山校長が「生徒たちにとって遠方に「第二の母校」のような存在ができる」と話されていたとおり、連携事業の一環としての国内留学が実現しました!
「第二の母校」へ短期留学
12月10日に札幌入りした女子商の生徒さんたち。
初日となる11日は、ホームステイ先で朝ごはんをもりもり食べて登校し、新陽のホスト生徒と合流。(女子商の生徒さんそれぞれに、同学年の新陽のアンバサダー生徒が一人ずつ付きました。)
新陽では、2年次以降は自分で時間割を作るため、女子商の2年生1名はホスト生徒の時間割で過ごします。1年次は所属するハウスによって時間割が決まっていますが5教科の授業は「コンパス(学び方)」によって違うので、1年生2名はそれぞれのホスト生徒と同じコンパスの授業に出ます。

放課後は、一緒に遊びに行ったり市内観光したり、ホストファミリーとバーベキューしたりしたそうです。3日間という短い期間ではありましたが、みんなと仲良くなって、すっかり新陽に馴染んでいました!


先生たちの短期研修
生徒さんたちの短期留学に合わせて、2名の先生もやってきました。
「挑戦を、楽しめ。」をスローガンに掲げる女子商は、生徒さんの挑戦を後押しするカルチャーや、自由を重んじ対話を大事にしているところなど新陽と似たところが多いと思います。一方、進路支援や小論文指導に定評があったり、マルシェのような商業高校ならではのプロジェクトが行われていたり、唯一無二の特色もたくさんあります。
お二人の先生には授業や打ち合わせに参加いただき、新陽を体感していただきました。実際に授業をしてもらったり、生徒や教員と話したりして、女子商と新陽の共通点や相違点をいろいろと感じていただいたようです。


屋上からの藻岩山に感動してくれました

座談会!多様性と共通性
あっという間の3日間。最終日の放課後、お別れ会がおわった後、最後の最後にみんなでリフレクションするために座談会を開きました。

女子商の3名の生徒さんは
授業が選択できること、自分で授業を受けに行くのが新鮮だった。コースで授業が決まっているのと比べて、自分で選択できることで気合が入る気がする。選択肢を与えてくれるのは良いと思う。
机が4人1組になっているのは、他の子に質問したり相談したりしやすそうだと思った。
メイクや髪型が自由なのは良い。同じクラスになった子が「メイクするとモチベが上がる」と言っていて「わかる!」と思った。個性が出ているので、こういう人なのかなと見て分かる感じがする。
など、新陽の良いところを見つけてくれました。また、
新陽の生徒がけっこう発言する。それは女子商も同じで、意見が言えたり質問しやすかったりするのはやっぱり良いなと思った。
教室移動は大変だったから、移動がない女子商のほうが良い。
と、女子商の良いところを再発見できたという意見も。
新陽の生徒からも、
マルシェ面白そう!やってみたい。
SNSや修学旅行など生徒が主体でやっていると聞いて良いなと思った。新陽も生徒自治を目指しているから見習いたい。
新陽の単位制や、新陽にしかない学設(学校設定科目)に興味を持ってくれたのが嬉しかった。
見た目だけじゃない新陽の多様性を感じてくれたら嬉しいな、と思っていた。
札幌を案内したいと思って今回いろいろ調べた。意見を聞いてコースを考えて、というプロセスを経験できたことや、あらためて札幌の良さに気付けたのも良かった。
と、福岡や女子商のことを知れたことや、ホストとしての経験ができたことによる充実感があったようです。
最後に、両校の2年生の2人が移動体験の価値について語りました。
「色々な気づきがあるからいつもと違う経験が必要だと思った」と話してくれたのは女子商の2年生。福岡を出て違う地域に行き、そこの人たちと関わることで、「当たり前」の違いに気が付けたり新しい気付きが生まれたりするということを学んだそうです。
「まだ、今は具体的にやりたいことやなりたいものはないけど、こういう経験を積み重ねていることで見つかるのかもしれないと感じた。」と。
それを受けて、新陽の2年生は「自分は来てもらった側だけど、分かったことがたくさんあった。女子商のことも知れたし、新陽のことで改めて気付けたこともある。多様性を大事にしているからにはいろいろなことを知る必要がある。知って、理解して、受け入れることで多様性に近づいていくのだと思う。」と話しました。
2人の話を聞いて、女子商の先生が「もしかすると、海外留学よりも国内留学の方がかえって価値観の違いに具体的に気付けるのかもしれないですね。」と仰っていました。
福岡と札幌、遠く離れているとは言え同じ日本、そして同じ高校生という共通点がある中で違いがあるからこそ、それを知りたいと思ったり、より深く考えたりするのかもしれません。

(アンバサダー生徒1名は用事で参加できませんでした)
【編集後記】
3名の生徒さんたちは全力で短期留学を楽しんでくれました!その姿に生徒だけでなく私たち教職員も良い刺激をもらいました。そして、新陽の生徒たちがホスピタリティ度高く頑張っていた姿も誇らしかったです。今回生まれた繋がりが、この先続いていくのが楽しみです。
また今後も、生徒や先生同士の交換留学やもう少し長めの留学にも取り組んでいきたいと思います。女子商の皆さま、どうぞ宜しくお願いいたします!

玄関前に掲示しています。