
生徒と地域社会の協創プロジェクト「第2回 新陽YUKIASOBI」実施報告 【週刊新陽 #197】
2月1日(土)新陽高校で雪遊びのイベントを行いました。
小さなお子様から年配の方まで、来場くださった人数は310名。協力企業や団体、新陽の関係者を入れると400名を超える大規模なイベントとなりました。
冬の学校グラウンドの利活用企画として昨年行った「新陽YUKIASOBI〜アウトドア体験してみない?〜」を、企業と有志生徒によるプロジェクト型イベントとしてアップデートした今年の「新陽YUKIASOBI」をレポートします!
大盛況御礼!新陽YUKIASOBI
まずは当日の様子から。1月中旬まで例年にない雪の少なさだったため心配しましたが、週の半ばから降り続けた雪でグラウンドは覆われ、当日は朝から晴れて最高のコンディションになりました!

10時スタートに合わせて準備OK!


絶えず人が集まってきました

2週間かけてイグルーを完成させました
(1つ目が溶けないようにテントでカバー)

高校生も一緒になってはしゃいでました


ゲームコーナーでは生徒が子どもたちをおもてなし

卒業生がスコーン店を出店してくれました

札幌市定山渓自然の家にも協力いただきました。
南区子育て支援キャラクターのさくらんぼちゃんと
自衛隊札幌地方協力本部のモコちゃんも♡


思い思いに過ごしていただきました。


本当にありがとうございました!
96日のプロジェクト記録
このプロジェクトを担当する髙橋励起先生と植田祐矢先生から校内に募集があったのは昨年9月で、1年次から3年次の有志生徒30名近くが手を挙げました。
そして11月、地元札幌のスノーウェアブランド「43degrees(株式会社フォーシーズンズ)」が主催するイベントを、新陽の生徒たちが43degreesのインターンシップとして企画・運営するプロジェクトが始動。

11月1日のキックオフミーティングでは、43degreesのブランドストーリーや、地域に向けて冬のアウトドア体験の提供と43degreesのブランドPRを行うという今回のプロジェクトのゴールが発表されました。
翌週から、生徒たちは「企画」「協力企業」「協賛金」「広報」の4チームに分かれ、目的と目標、それからタスクを整理し担当者や期限を決めて、いよいよ本格的に活動スタート!毎週金曜日の放課後を定例活動日とし、プロジェクトは進んでいきました。
企画チームは、来場者を「小さい子供〜小学生のいる家族連れ」と「中高生」の2つの層に設定し、それぞれ楽しめる遊びや過ごし方を相談。43degreesの認知度アップや新陽のことをもっと知ってもらいたいという思いも込めながら、企画を煮詰めていきました。シミュレーションしているうちに最初の案から形が変わっていったコンテンツもあったようです。
形に残るものを持って帰ってもらい思い出に残してほしい、と、ステッカーやオリジナル缶バッヂのグッズ休憩所や受付の運用、場内アナウンスなど、遊びのプログラム以外の工夫も企画チームのアイデアです。
協力企業チームは、生徒が受け持つ相手先を決めて、協力依頼やお引き受けくださった企業・団体との連絡調整を行いました。
イベントの柱となるコンテンツについては、サムズバイクさん(雪板体験)、アルペンアウトドアーズさん(スノボのジブコース体験)、自衛隊札幌地方協力本部の皆さん(イグルーづくり)の協力のもと、企画チームと連携しながら設営や道具を準備。フードコーナーに出店してくれたのは、居酒屋SInoさん、フードトラックサクラさん、ひょうきん顔さん、layer sconeさんの4店。他にも大型のテントを貸してくださったLOGOSさんや、ラジオで発信してくださったFMアップルさん、新陽のグラウンドの除雪整備をしてくださっている北ノ沢建設さんなど、多くの方のご協力を得ることができました。
協賛金チームは、イベントにいくらかかるのか、そのためには一口いくらx何口集めればいいのか、を検討することからスタート。以下のような支援募集の文書を作成し、近隣の商店や連携企業、個人の方などにお願いして回ったようです。
***
2025「新陽 YUKIASOBI」は高校生が一からイベントの企画をし、地域のたくさんの子どもたちが笑顔になることを目指しています。このイベントを実現するにあたり、広報や当日の充実度を高めるため、十分な資金を確保することが必要です。新陽 YUKIASOBIを実施し、魅力的なイベントにするため運営のご支援をお願い致します。いただいた協賛金は、広告チラシ印刷費、当日用パンフレット印刷費、参加者への飲食提供、プログラム内容に沿ったサービス提供に使用する予定です。
***
一軒一軒伺った結果、16の企業・団体・個人の方から総額118,000円を獲得することができました!
広報チームが掲げた来場者の目標人数は400名。それに向けて、ポスターとチラシの配布、SNS発信、そして札幌市青少年山の家のイベント「あそびばざ〜る」に出店しての広報活動を行いました。また、イベントサイトも生徒たちが作りました。
6500枚印刷したチラシは、近隣の小中学校と幼稚園、保育園でも配っていただきたいとお願いの電話をしたところ、すべての校長・園長先生が快諾くださり、生徒が持参しました。協力・協賛企業や店舗にポスターを貼らせていただいたり、地元・澄川では回覧板にチラシを入れていただいたり、地道な努力が身を結び、当日は家族連れや町内会の方々もたくさん遊びに来てくださいました。

4チームに役割分担したとはいえ、一つのイベントを成功させるためにはそれぞれの連携も欠かせません。これだけの規模のイベントを自分たちが主体となって実施するなんてどの生徒も経験したことがない中、決してスムーズに進んだわけではありませんでした。
話し合いがうまくまとまらなかったり、積極的に動く生徒とそうでもない生徒の温度差があったり、3か月も期間があれば中弛みもするし、予定通りにいかないことも多かったのではないかと思います。普段は一歩引いて見守ることの多い励起先生や植田先生が、見かねて喝を入れたこともあったとか。
それでも自分の役割をしっかり果たし、協力し助け合いながら当日を迎え、5時間のイベントを見事にやり切った生徒たち。
グラウンドのあちこちで見られた笑顔や子どもたちの笑い声が、イベントが大成功だったことを証明していたと思います。お客様を見送り、撤収もすべて終えて集合した生徒みんなが達成感に満ちた良い表情をしていました。

お疲れさまでした!!!

めちゃくちゃ遠くから撮る励起先生w
単位認定されるプロジェクトの意義
このプロジェクト、実は学校外学修の就業体験活動として単位認定の対象となります。活動時間数が35単位時間(1単位時間を50分)を超える生徒については1単位が与えられる予定ですが、単位認定以上の学びがあったことは、生徒たちのリフレクションから明らかです。
自己理解が深まったり、挑戦への意欲が高まったり、リーダーシップやチームワークの視点を得たなど、全員の成長が感じられます。13項目の問いに対して、生徒がリフレクションしたコメントをまとめてみました。
◎企画の段階で特に大切にしたことは?
・参加者目線を意識した企画の設計
・チームワークと積極的な意見交換
・協賛企業の方への接し方やお願いのやり方
・イベントの完成度を高める工夫
◎計画段階で「もっとこうすればよかった」と思うことは?
・余裕を持ったスケジュール管理
・参加者層に応じた多様なアクティビティ
・役割分担の明確化と情報共有の徹底
・集客や協賛の戦略を綿密に立てること
・意見を主張することや議論を尽くすこと
◎実際にイベントを運営してみて一番うまくいったことは?
・企業の協力や協賛金が予想以上に集まったこと
・参加者の笑顔とイベントの雰囲気
・チームワークと柔軟な対応
・焚き火ブース、駐車場や会場内の案内、チラシやポスター
◎一番難しかったことや想定外だったこと、そのことへの対応は?
・役割分担と情報共有の難しさ:当日の急な役割変更や役割の偏り(→シフト制にする)、情報共有の不足(→共有頻度を増やす)
・計画と実際のズレ:イベント準備の進行の遅れ、ポスター掲示の想定外の問題、予算不足の発生、協賛金の入金が遅れた、など(→事前の確認と共有の徹底)
・予想外の運営トラブル:雪不足、人員配置のずれ
◎参加者の反応はどうだった?
・「また来たい!」という声が多数。「まだ帰りたくない!」と駄々をこねる子どももいた
・小さな子から大人の方まで楽しそうな様子が伝わってきた
・高校生主体の運営や本格的なイベントであることへの驚きと称賛
・ポスターやチラシのデザインが好評だった。広報の効果があった
・駐車場やトイレの案内が分かりにくかったなど、改善すべき点についての声もいただいた
◎もしもう一度イベントを開催できるなら、どこを改善したい?
・役割分担の見直し
・情報共有とチームの空気づくり
・会場レイアウトと安全管理
・広報・集客の強化
・企画の充実と運営の工夫
◎チームメンバーとの協力でうまくいったことは?
・確認と情報共有をこまめに行なった
・役割分担と協力体制、一体感
・イベント準備中のチームや役割分担を超えたサポート
・チームの雰囲気と協力の成果
◎意見が合わなかったり課題が生じたりしたとき、どのように乗り越えた?
・企画の目的に立ち戻り、冷静に考え直し、相手の視点を理解する
・話し合いと情報共有を通したチーム内の協力
・意見が対立する原因の多くは「モチベーションや不安の違い」。チームメンバーの熱量の差に目を向け、前向きに進めるよう雰囲気作りに努めた
・すべての意見を尊重できたわけではない
◎もっとチームで工夫できたことは?
・こまめな報連相(報告・連絡・相談)や仕組みの構築による情報共有の強化
・得意分野を活かした役割分担や時間交代制の導入など分担の最適化
・広報デザインの工夫やSNS活用
・余裕を持ったスケジューリングやリハーサルの実施など事前準備の工夫
・協賛金集めにおける工夫(目標金額を明確に決めて計画的に動く、各企業に合わせた提案をすることで説得力のある交渉ができたはず、など)
・チーム全体の意識向上につながる工夫(「困ったら先生に相談する」などサポートをうまく活用すればよかった、理想から逆算し挑戦する余裕を生む、など)
◎このプロジェクトを通じて新しく学んだことは?
・イベント運営の難しさと全体の流れ
・企画・運営の具体的なスキル
・企業との関わりと協賛の交渉
・広報・デザインの重要性
・自己成長とチームでの協力
・予期せぬトラブルへの対応
◎このプロジェクトによって自身の成長や変化はあったか?
・コミュニケーション力の向上:初対面の人と話すことに慣れた、積極的に話しかけられるようになった、企業と交渉できるようになった
・責任感と主体性の向上:リーダーシップの大切さを学び自分が舵を取る意識が芽生えた、仕事を探し、自分から動く意識が強くなった
・ 忍耐力・継続力の向上:長期間のプロジェクトでモチベーションを維持する難しさを実感、忙しさの中でも「我慢強くなること」「冷静に対応すること」の大切さを学んだ
・企画・デザイン・交渉スキルの向上:デザインを考える力がついた、伝えたいことを整理し見やすいレイアウトを意識するようになった
・「成長したい」という意識の変化:積極性が大事と痛感し行動する力がついた、「なりたい自分の姿」が明確になった
◎また同じような企画・運営をするなら今回の経験をどう活かす?
・情報共有とタスク管理の強化
・企画・運営の改善
・広報戦略の強化
・当日の運営の精度向上
・リーダーシップとチーム運営
・企業交渉の改善
◎プロジェクトを通して感じた自分の将来や進路に対する気付きは?
・企画やイベント運営、あるいは飲食業やカフェ経営への関心が高まった
・経営者の視点や組織マネジメントに活かせる経験を得た
・人と関わることの大切さと影響の大きさ、人との関わりが好きな自分
・自己理解と適性の発見:リーダーシップに関する意識、新しい挑戦への意欲、仕事の向き不向きへの気付き

メンバーと、メンバーへ感謝を伝えるリーダー
最後に、43degreesの沼田さんからいただいたコメントを紹介します。3ヶ月にわたって生徒たちを見守り、一緒に走り、導いてくださった沼田さん、本当にありがとうございました!
今回、弊社アンバサダーである植田先生のご提案により、新陽YUKIASOBIを主催させていただきました。
キックオフから生徒の皆様のモチベーションが非常に高く、圧倒されました。チームとしてミッションをこなす中で、人数が増えるとモチベーションが下がる懸念がありましたが、杞憂に終わりました。生徒の皆様は、質問の内容や数、聞く姿勢など、常に高い熱量を持って取り組んでいました。
このチームであれば、さらに大きな企画ミッションも超えて、素晴らしいものを創り上げることができると感じました。
また、裏でサポートしてくださった励起先生と植田先生のさりげないご配慮にも感銘を受けました。
今回の新陽YUKIASOBIは、生徒の皆様のおかげで大成功を収めることができました。ご提案いただいた植田先生、そして新陽高校の皆様に心より感謝申し上げます。
今回の経験を活かし、生徒の皆様には更なる活躍を期待しております。
なお沼田さんが、43degreesのブログで素敵なイベントレポートを書いてくださいました!こちらもぜひお読みください。
【編集後記】
今回のイベントでは、学校の備品を使ったりグラウンドの雪の整備のため除雪業者さんに依頼したりと、事務長にも色々と協力してもらう必要があり、その相談や交渉も全て担当の生徒たちが行っていました。イベント前日の夕方、長机を外に出すのを事前に伝えてなかったことに生徒たちが気付いたのですが、その日の午後に限って事務長は不在。その件を担当の先生経由で聞いたので代わりに許可し、事務長へ「明日のYUKIASOBIで多目的室の長机を10台ほど借りています。PJメンバー生徒が事務長に依頼しに行ったそうですが3校時終わってからだったため会えず、とのことで、代わりに承りました。」とチャットすると、「あの子たちならOKです。キッチンカーのラーメン美味しそうでしたね。あとは怪我なく終わるよう祈っってます。」との返事。事務長からもここまでの信頼を得るとは大したものです!

センター3名(右から励起先生、植田先生、私)の
いい大人たちが一番はしゃいでますw