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卒業式

 卒業のシーズンだ。
ニュースで雨の中 はかま姿の女子大生が映っているのを見た。


卒業式で校長に証書を渡す係になったことがある。中学校である。
一つは卒業生が40数名の小規模校。
もう一つは学年7クラスある大規模校。

卒業生が40数名しかいないのならば
校長が一言ずつおめでとう以外の言葉を伝えるのは可能だ。
担任から聞いて、その子にぴったりの良い言葉を一言ずつかけても、
「卒業証書授与」は一時間かからなかった。

彼らがあるとき口にしたのは
「自己紹介 できるんだろうか」だった。
幼稚園からずっと一緒に育った彼らには、学級開きの自己紹介は
必要のないものだった。
毎年「今年の抱負」を言うくらいだっただろう。

ある意味他人を疑わなくて済むような人間関係で、
高校で悪さに巻き込まれた時に、逃げ遅れて叱られるのは
ここの卒業生だと聞いたことがある。

特別意地悪な子がいなくて幸いだったと言えるような学年だった。
小規模校で性格に難がある子がいたら、不登校につながるし
クラス替えがないのだから、復帰は大変だ。


それでも、女子はアイドル好きが大半な中で
ひとりだけ、アニオタ系がいて、一時ちょっと苦しんでいた。
高校に入れば、必ず気の合う仲間ができると励ました。

その後、高校では漫画研究会に入ったと聞いた。



そんなこともなかなか思い出さなくなっていたことを
久しぶりに思い出した。





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