エノーラ・ホームズの事件簿
題だけ見ていて、もっとほのぼのしている映画だと思ったのだがそうではなかった。テレビ代わりの、軽く流せる作品を探しがちな昨今である。
まさかの妹だった。シャーロックホームズの妹
16歳の誕生日に、母が失踪するのだ。それが事件だ。
ホームズ家は貴族だった。
兄マイクロフトが貴族院会員だと短編集の中にあったかもしれない。
知識が大してないころに私のアタマの中では「政府の要人」となっていた。
長男と、スペアの弟。
妹はおまけのようなものである。跡継ぎの命令で結婚を決められてしまう存在だ。
母の不在を知らせてきた兄に、寄宿学校に入れと命令される。
拒否権はない。文字通り。
シャーロックは母の寝室から妹の好きだったマスコットを母が大事にしていたと見つけて渡してくれる。
エノーラは、アナグラムを解いて、母からのメッセージとお金を見つける。
エノーラはシャーロックの少年時代の服を着て逃げ出すが
つい追われる少年に力を貸してしまう。
エノーラを逆から読んだらアローンだというが。
テーマは女性の人権・公民権だ。
母は「活動家」であった。
思わず選挙権は何年に得られたのか検索してしまった。
長兄マイクロフトは、エノーラの言葉など一切聞かなかったが
シャーロックは少しは聞いてくれた。
男性の既得権益について考えたことはなさそうだったが。
スペアである鬱屈があったということかもしれない。
マイクロフトの容赦のなさから
女性のヒステリーとフロイトの考察についての話を思い出した。
女性のヒステリーは性的虐待のトラウマのフラッシュバックから起きたのかもしれないとフロイトは気づいたが、男性貴族の社会の中では
口をつぐむことを選んだのかもしれない という話。
母を演じたのはヘレナ・ボナム・カーター
ハリポタやアリス チャーリーとチョコレート工場の母親など
ファンタジー映画にもよく出ている。
印象に残ってしまう人だ。