英語ができなかった帰国子女~親や周りの協力がなかった私の場合 ⑭
9年生、つまり日本では中3、インターでは高1にあたる学年の時、私は選択科目(芸術科目)を取らせてもらえませんでした。取りたい授業を書いて提出する紙の「選択科目」の欄に、ちゃんと希望を書いたのに。
高校生は通常、時間割の中に空き時間が一日1コマあるのですが、私だけ2コマになっていました。そのことで教務課に話をしに行ったら「あなたは英語がすごく下手だから、選択科目を取らずにその時間で英語を勉強しなさい」と言われました。
私の英語が伸び悩んでいたのは英語の基礎、特に発音を学べる教材も教えてくれる人もなかったせいなので、時間だけ与えられても英語力を伸ばすのは難しかったんですけどね…。空き時間は宿題をやるか、英文を読んで辞書を引いて単語力を増やすぐらいしかできず、それで英語力全般が上がった感じはしませんでした。
はっきりとは言われませんでしたが、選択科目を取っていないので単位が足りません。だから私はもしあのまま向こうにいたら、高校卒業が1年遅れていたかも知れません。15歳で帰国したので遅れずに卒業出来ましたが。
途中で帰国するから留年は免れるだろうと思っていたとは言え、単位が足りていないことは親にも言えず随分悩みました(言ったらどんな目に遭うかわかりません)。
その後新学期になって時間割が変わったら選択科目を取らせてもらえましたが、今度は必修の社会科が私の時間割に入っていなくて、これはさすがに教務課に「取りたい」と言って取らせてもらいました。日本の高校では考えられないですよね…。
英語ができなさ過ぎて一部の授業を取らせてもらえなかったなんて子は、私が知る限り他にいませんでした。本当に学校生活では何も良いこと、楽しいことがなく、ただただ惨めで辛い日々を送っていました。みんなから何の取り柄もないバカの怠け者という目で見られ、一日2時間睡眠の日々で体力はとうに限界を超え、そこから抜け出す方法も「帰国できる日を待つ」以外に見つからず…。
これだけ心身が追い詰められていても、親には一切相談できませんでした。相談したって怒られるだけで何もいいことがないのは分かり切っています。それに両親は、どうせいずれ日本に帰るのだから子供の海外での学校生活なんてどうでもいいと思っているようでした。毎日学校に行ってそこで過ごさないといけない私にとっては、全然どうでもよくなかったのですが。