起業と言葉 vol.008 Uber
こんにちは!元電通のコピーライターで起業家のNOBUです。起業と言葉の連載も、ついに第8回。Forbes JAPANとNewsPicksでの連載が間も無く開始される予定(#あくまで予定なので依頼はまだない)ですので、張り切って書き続けております。意外と?起業家界隈でも話題になり始めており、すでに独立企業後に、スタートアップの企業スローガンやプロダクトキャッチコピーは4社、CMも合計8本制作させていただいております。ありがたいです。
今回は、世界的に有名なユニコーン企業Uberのピッチデッキについて解説していきます!
Uberのピッチデッキ
本日はアメリカのスタートアップ、Uberについてです。日本ではUberタクシーよりも、Uber Eatsの方が利用したことある人が多いのかもしれません。Uberは社風としても、データをとても大事にする企業であることが知られており、ピッチデッキでもその社風がよく伝わる内容になっています!では早速見ていきましょう!
問題点から語り出すお手本ピッチ
Uberピッチデッキは、表紙の「Next Generation Car Service」というキャッチコピーから始まります。そして基本に忠実に、まずは課題の紐解きから行っています。現状のアメリカのタクシー(Cab)の問題点である、「老朽化して」「非効率」なテクノロジーへの言及と、呼び出すのは「手」か「電話」という昔ながらの商習慣への疑問を呈するスライドです。
さらにタクシーの独占によるサービスの質の低下についても述べられています。グラフを使うことで、タクシーユーザーにとっても、ドライバーにとっても、今のタクシー業界が金銭面で問題があることを伝えています。そして、デジタル上でタクシーを呼ぶことができれば、路上でタクシーを捕まえる必要はなくなるとまとめています。
大事なことは言葉だけで伝わる。
現状の課題を提示したのち、UberCabのコンセプトと、「1-Click Car Service」という分かりやすすぎるプロダクトコピーが入ります。
新市場はまず言葉による概念から生まれる。
このように、新市場を作り出すような、新しいプロダクトジャンルはとても素晴らしいですね。Facebookの時にも説明した、「新しい概念を生み出す」コトバは、スタートアップのみならず、新規事業など全ての仕事に必要な考え方だと思います。
言葉の技法=ワクワクする未来を提示する。
UberはStreet hail=路上でタクシーをつかまえることをやめて、ワンクリックで車が呼べるという未来を提示しました。広告コピーでもこのようなワクワクする未来を提示した例がたくさんあります。
ワクワクする未来を提示した広告事例①/村田製作所
村田製作所はいいコピーの広告がたくさんあるのですが、中でも私が初めて見たときにびっくりした(いい意味で)のが以下の広告コピーです。
恋のドキドキだって、いつか、電気をおこせるだろう。どうやってコピーライターはこのコピーを考えたんだろう。と嫉妬してしまうコピーです。通常は商品やサービスの良さを直接的に表現するコピーが多いですが、このコピーは何気ない動作から発電できる技術を研究する中で、動作ではなく、恋のドキドキというものが電気をおこせると考えたのでしょうか。発電と距離が遠いけど、でもなぜかわかりますよね。一目惚れすると「ビビビって電気が走った!」とかっていう表現もありますもんね。
ワクワクする未来を提示した広告事例②/大成建設
続いて紹介するのは、大成建設の有名な企業スローガンです。どこかで聞いたことがある人も多いと思います。
この企業スローガンはとても有名ですが、自社の社業の意義をこれほどまでにわかりやすくまとめている例は少なくないと思います。社外向けだけでなく、こういう仕事の定義をできるコピーがあると、インナーのモチベーションを上げることができるという点で、とても意味があり素晴らしいと思います。
今回は、コピーライターの視点で、スタートアップ起業家や、新規事業担当者向けに言葉のチカラについてまとめてみました。起業をしていなくても、すべての会社の広告やマーケティング活動、企業の広報やPR活動において、これからの時代に言葉のチカラは必須だと思います。
ビジョンライティングやブランドを規定する言葉、心にのこるTVCMを作りたい方は、ぜひお気軽にご連絡ください!
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NOBU Planning CEO / コピーライター / クリエーティブディレクター
縦型グルメSNS「Popdish」CEO(Chief Eating Officer)
鈴木宣彦
nobu@nobuplanning.com
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