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製造業の工期短縮・コスト削減を実現するスタートアップ、ニューヨークで急成長の秘訣

「従来の半導体工場の建設に比べて、コストは100分の1、サイズは10分の1、工期は5分の1で実現可能」―コロナ禍以降、半導体を自国で製造したいニーズが高まる中、劇的に工期短縮、コスト削減を実現したソリューション提供を目論む製造業向けスタートアップがニューヨーク・ブルックリンにある。

この会社は名前はNanotronics。AI搭載の光学検査システム「nSpecシリーズ」を中心に、製造業向けの検査・プロセス制御ソリューションを提供する製造業スタートアップだ。

同社は日本では全く知られていない。しかし著名投資家ピーター・ティール氏が率いるFounders Fundが出資し、ティール氏が自ら取締役を務める、急成長中のスタートアップである。

冒頭の半導体工場の建設ソリューションはCubefab。半導体工場の開設に不可欠な機器を搭載したモジュール式の小型半導体製造装置を開発し、40フィートコンテナで輸送可能なユニットとして提供することで、低コスト・短納期・早期立ち上げを可能とするものだ。

Cubefabを利用した半導体工場のイメージ図

Nanotronicsは2019年、ニューヨーク州の支援を受けて新たに製造センターを建設することを発表。社員34人のスタートアップが、1100万ドルの投資と190人の新たな雇用を創出する、ということで話題になった。

このダイナミックな成長を支えたのが、ニューヨーク・ブルックリンの造船所跡を利用したイノベーション拠点「Brooklyn Navy Yard」である。Brooklyn Navy Yardは東京ドーム約26個分の広大な海軍工廠の跡地を再利用した、小さな「街」と呼べるようなもの。敷地内には40以上のビルに加えて、複数の埠頭が稼働しており、製造業系のスタートアップや企業が軒を連ねている。

Brooklyn Navy Yardの前を流れるのはEast River。対岸はManhattanだ

Nanotronicsは2019年当時は、インキュベーション施設Newlabに入居していたが、ニューヨーク州の支援を受けて、Newlabとほぼ同じ大きさの隣の建物に製造拠点を作ることで、引っ越しに伴うオーバーヘッドを最小限に済ませるとともに、現地のエコシステムを引き続き、享受し続けることが可能だった。

朝活ウェビナー詳細情報

Nanotronicsをはじめとした製造業系スタートアップが、ニューヨークでなぜ急成長しているのか、その成長を支えるエコシステムはどのようなものなのか。日本企業のイノベーションに与えるインパクトなどについての詳細は、日本時間2月26日(水)8時の「朝活ウェビナー」でお話します。大企業がシリコンバレーを超えて、自社の領域に合ったエコシステムと協調するための実践的なヒントをお届けします。

Monozokuri Innovation Instituteがお届けする朝活ウェビナーは、新規事業の立ち上げや、スタートアップとの付き合い方のヒントを探すビジネスパーソン向けに、米国や日本での事例を紐解きながら、朝の30分で学んだり考えたりするきっかけとなる場を提供します。ウェビナー形式で、参加者の顔は見えませんので、お気軽に覗いてみてください

Monozukuri Innovation Instituteは、米国でオープンイノベーションを実践する日本企業向けの オープンイノベーションのアクセラレーションプログラムです。詳細はこちらからご覧ください。


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