ニートの末路
私の友人はガチのニートです。アルバイトさえしたことがありません。私と同い年なので30歳です。実家がそこそこお金持ちで会社を経営しています。親父さんに言われて一時期は仕事を手伝っていたみたいですが(パソコンやネットワーク周りのこと)、きちんと労働契約を交わして何時から何時という勤務体系で働いていたわけではないので、あくまでも家事手伝いに毛が生えた程度です。一般的な労働とは言えません(本人もそう自覚しています)。休みたいときは休んでいたし、最終的にはダルくなってほとんど出勤していなかったみたいです。まさにお金持ちのボンボンといった感じですね。
しかし25歳を過ぎてから「海外留学がしたい」と言いはじめました。もちろん会社のお金ですが、まあ使えるものは使うべきです。それが社会であり文明です。最初は翻訳されていない洋ゲーを遊びたいからという理由で英語を学びたいと言っていて、「またなんかテキトーなこと言い出したな」と思っていたのですが、気がつけば華麗に現地の語学学校に入学して先日卒業していました。そのまま帰ってくるのかと思いきや、まさかの現地のハローワークみたいなところに通いはじめて職探しをしているようです。現地の連中ともパリピをかましているようです。海外の雰囲気が合っていたのか、英語を話すことが想像以上に楽しかったのか、実態はよくわからないのですが、彼は25歳を過ぎてから何か目標みたいなものを見つけたようです。iPhoneやApple Watchは英語表記にしており、Siriにも英語で話しかけてます。「Hey Siri, Set up alarm for 10 minutes.」みたいな。よく分からないですけど(笑)。
私の場合は彼とは真逆です。20歳で専門学校を卒業して2年前の2020年まではけっこう働いていました。正社員やアルバイトをはじめ、派遣・個人事業・起業・内職・フランチャイズ契約などいろいろな働き方を転々としてきました。正社員は3社でアルバイトは10社くらい渡り歩いた気がします。24歳くらいのときにインド政府が新たなビジネスをはじめる若者(外国人も可)に大金を援助するみたいなプログラムを見かけたことがあって、応募しようかと思いましたがさすがに止めました。海外留学した彼と違って私は日本が好きみたいです。自慢じゃないですが私は他の人よりも器用なので最初はスラスラと仕事を覚えてそれなりに適合するのですが、しばらくすると辞めたくなって仕方がなくなります。それは雇われだろうが個人事業だろうがフランチャイズ契約だろうがどれも同じでした。そもそも私は仕事自体に適合できない、あるいは非常に適合しにくいということが20歳から28歳までの8年間の経験で身にしみて実感したことでした。
現在はニートをはじめて2年が経ちました。私は今の状態が人生でもっとも安定していると感じています。もちろん出会いはなくなりましたが、この2年間でとりあえずnoteを書くという取り組みは見つけました。まあ取り組みというか、まずニートは外で出会う人々とは心を通わせることができない可能性が高い(ニートに否定的な人のほうが圧倒多数のため)のでインターネット上でコミュニケーションを取るしかないという消極的な理由のほうが強いかもしれません。海外留学した彼は長年のニート生活に終止符を打ち、外の世界に飛び出していきましたが、私の場合は長年の外の世界でのやり取りに絶望して自室に引きこもりはじめたので、むしろ部屋にいられるだけで満足している部分があります。余裕があってそこそこメンタル的に安定していないと毎日文章なんて書けないですからね。
長くなってきたのでこの辺で終わりたいと思います。ニートである私と友人の末路のお話しでした。末路と言ってもまだまだ人生は続いていくんですけどね。