◆久保田健司氏の「SLIP WARE」
こんにちは、のぶちかです!
さて今回は5月3日10時よりオンラインにて販売をスタートする久保田健司氏の「SLIP WARE」についてです。
SLIP WARE(スリップウェア)とは?
スリップウェアは18世紀から19世紀にかけてイギリスでオーブン皿として使われた、今で言うところの耐熱陶器を意味します。
つまり、当時のイギリスはきっとお洒落なスリップウェアに盛られた熱々の料理がそのまま食卓に並ぶ、という光景が普通だったのでしょう(なんという贅沢 泣)。
☝※イメージです。
そんなスリップウェアは20世紀初頭の工業化と共に姿を消してく事となるのですが、同時期に柳宗義を始めとした民藝運動の創始者達によってその美しさを見出され日本にも伝えられたことにより、現代の日本でも色々なスリップウェアを見かける事となったのです。
また、現在日本で作られているスリップウェアは、耐熱陶器というよりはスリップを重ね掛けして装飾したものを広義に「スリップウェア」と呼ぶ様になっています。
スリップとは?
「スリップ」とは「化粧土」の事。
「化粧土」とは粘土に弁柄(赤色顔料:ベンガラ)などの着色剤を混ぜてクリーム状にしたものを指します。
ちなみによく聞く「イッチン」とは、この「スリップ」を使ってスポイトなどで加飾する事を言い、久保田さんが最も得意とする技法でもあります。
柄も色々
★画像タップで詳細が見れます。
⇩「フェザーコーム」
伝統図柄の「フェザーコーム」。
複数のスリップで縞模様を描いたのち、専用の櫛の様な道具でまだ液状の状態の模様をなでると☝の様な模様になります。
筆で描くのは難しい図柄も、スリップの性質を活かす事で出せる表現がある事の代表例。
とても美しいですよね♪
⇩「唐草文様」
久保田氏が得意とするイッチンによる唐草文様。
筆描きと違ってスポイトでスリップを出しながら描くので、スリップを出す量とスポイトを運ぶスピードのバランスがとても難しい。
伸びやかで段々と細くなる線を描くには、迷いなく思い切り良く運ぶ技術が必要。
「生きた線」に見えるのは、氏の修練の成果。
⇩ドット
水滴の様に垂らすと、描くより真円に映りやすく見えるスリップの性質を活かしたドット柄。
⇩花柄
ドットの応用編。
上の図柄は紫陽花模様。
スリップを近接して垂らし揺らすと、不思議な事にくっ付きあう事が無く上の様な模様になります(不思議!)。
⇩線描 一筆描き
このような線による図柄や、その線を一筆描きに終える手法は、当時のイギリスでも日本の有名作家(濱田庄司他)でもとにかく多くの作品が残っており、長年に渡り作り手にも使い手にも好まれた図柄。
そのパターンも多岐に渡る事から、観ていてとても楽しいものが多いです♪
洗練された表現(写真上)からやや荒っぽい手描き感が残る表現まで(写真下)、それぞれに魅力が異なり、また組み合わせる配色によっても訴える力が異なります。
⇩マーブル
紫陽花模様のさらに発展形!
3色のスリップを手ですくって上から打ち付ける様に乗せて完成させる図柄。
100%再現性の無い模様となるので、気に入った図柄があった場合は即決めしないと二度と手にできません(笑)。
⇩動物
※今回は動物図柄の入荷はありません…。
動物図柄は、線描、ドットの組み合わせで☝
ここで大事なのはその技法以上にアウトプットの可愛らしさ♬
久保田氏の生き物を描く表現力が垣間見れますね☝
まとめ
スリップウェアは見ているだけでも華やかで、皿などは飾り皿にされるものもあります。
もちろん料理を盛ってもしっかりと映え、食卓が華やぐことは間違いありません。
自粛生活でおウチごはんが主流な今、食事の時間は1日の中で1番の楽しみだと思います。
スリップウェアはそんな食事時間をより楽しく豊かにしてくれる素敵な仲間。
ぜひ多くの方にその魅力が伝わると嬉しいです!
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