「ロイヤル」すぎる、JRPGの傑作『ペルソナ5R』で味わう短くも長い青春
どうも、のぶぶです。
去年の誕生日に友人からいただいたゲームを、ようやくクリアしました。「名作」とは聞いていたものの、100時間超えは間違いないということからなかなか手を出せなかったのですが、一念発起して11月頃からプレイ開始しました。
今まで感想を書く際は「ネタバレを避けつつ、良い点・悪い点を正直に書く」ということを意識してたんですが、『ペルソナ5R』についてはもうそんなのいらないでしょ。とにかく、個人的な感想をネタバレの配慮はせずに書きたいと思います。なので、未プレイでネタバレ見たくないという人はそっと閉じてください。……ってか、未プレイなら絶対にネタバレを見ないでプレイした方が良いので、早くプレイしてください。ちなみにシリーズ作としてはPSPの『ペルソナ3 ポータブル』、PSVitaの『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』をプレイしたことがある程度です。
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では、いきます。
クリアまでなっっっっっっっっっっっが
ボリュームありすぎ。最初から覚悟はしていたのですが、かなり時間がかかった。日付が明確に出ていて、「1年」という期間が決められているのからある程度残りがどのくらいかってのは見えてはいるものの、パレス攻略やメメントスでの稼ぎなど、やたらと時間が掛かった。メメントスは1回潜ると5時間くらいは出られないので、数日進まなかった。全コープMAXやイベント消化を意識して、基本的に攻略ページのスケジュールに従ってプレイをしていたのですが、自分がマニュアル通りに長時間プレイするのがなかなか性に合わないようで、余計に時間がかかってしまった。RPG系は特にですが、2周目をやるのしんどいので、1周で回収できるものは残らず回収しておきたいから、こういうプレイになりがち。かなり疲れた。
神がかった演出はまさに「統制の神」
オシャレで、目を見張る演出にかけては他の追随を許さない「ペルソナシリーズ」ですが、本作でも相変わらずすごかった。イベントシーンでは「まだ出会ってないときにメインキャラとすれ違っている演出」や「お馴染みのペルソナ覚醒時の演出」、メインメニューやショップでもガチャガチャと動くUIがひときわ目立っていて良い。
そんな演出の荒波の中で輝いていたのがやはりイゴールの声優変更だ。シリーズを通してお馴染みであったイゴールの声優を務めていた田の中勇さんが亡くなり、声優変更を余儀なくされたことを逆手に取ったような大仕掛け。『ペルソナ5』が発売当初も「こんな渋い声のイゴールなんて……」というユーザーの声もあったようで、自分も「変更はしょうがないし、渋い声も悪くないな」と100時間以上かけて調教され、完全に受け入れた状態で登場する「統制の神」。エフェクトがかかっているが、若干渋い声のイゴールっぽいなと感じていたのがドンピシャ。ここまでは「あぁ、イゴールが黒幕だったんだ。意外性があって面白い」というところ。今までのイゴールは偽物で、本物が帰ってくるという展開からの、あの「田の中ボイス」が聞こえた瞬間は何も知らずにプレイしていて良かったと本当に感じた。これ考えた人、マジで天才すぎる。
天才! 天才!!! 天才!!!!!!!
これまでの「ペルソナシリーズ」があるからこそ際立っており、過去作に触れていたユーザーほど感情が爆発するような仕掛けは、今まで築き上げてきた「作品とユーザーの信頼関係」を信じ切った素晴らしい演出だった。マジで最高。天才。
これだけを言いたいだけで書いてる。
「巨悪」のあとに待ち受ける「正義 vs 正義」
主人公の因縁の相手であり、認知訶学を悪用した大ボスである獅童正義を倒したあとに待ち受けるのが、まさかの丸喜先生。憎むべき要素が無く、個人的にはかなり好感度が高かったキャラクターだけに、1月からの展開にはかなり驚かされた。シドーとは打って変わって、心理カウンセラーらしい「みんなにとって苦痛のない幸せな世界の実現」というのが目的というのがなんともイヤらしい。こんなの「絶対に倒すぞ!」って気持ちになりにくいやん。完全なる悪ではなく、それで救われる人がいることはわかっていても、お互いの正義を貫くために戦う。正々堂々と、不本意ながらも全力で叩き潰そうとする丸喜先生の姿は心にくるものがった。泣かせるね。最後は『MGS』を思い出させるような拳での殴り合いというのも面白い。エンディング直前の挨拶回りで渋沢が意味深なこと言ってたからもう会えないかと思ったけど、最後に丸喜先生が生きててくれてたのがわかって良かった。
ほぼ全キャラクターが好きになってしまうような作り込み
ズルい。そう言いたくなるようなイベントの作り込み。コープを全部見ているということもあるけど、各キャラにスポットが当たり、どのキャラにも愛着が持てるような体験ができた。
女性キャラは、事前に知っていた情報では完全に「新島真がダントツで良い。ビジュアルも良いし、中の人も佐藤利奈さんだし、完璧」と思ってたのですが、プレイしているうちに他のキャラも魅力的に見えてきました。
「あれ、診療所の先生。こりゃええな……」
「ギャルっぽいけど、アン殿もこりゃええな……」
「田舎から出てきた占い師……こういうのもあるのか……」
「天才女流棋士……こりゃええな……」
「美少女怪盗……なるほど……」
「あからさまに慕ってくれる可愛い後輩たまらん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
腹立つわ。ほんと。
男性キャラも魅力的で、裕介も明智もかなり良かった。唯一竜司だけは嫌いになるくらい動きがうざったかったな。高校生という年頃だし、ストーリーの進行上必要なお調子者で短気な性格は嫌われがちな立ち位置のキャラなのでしょうがないけど、「おまえ!!! モルガナ先輩に謝れや!!!!」って何回も言った。まだ許さない。
最高のイベント。
洗練されたカッコよさの中にある泣かせる音楽
「ペルソナシリーズ」はギター、ベース、ドラムが鳴り響くバンドっぽいサウンドやジャジーなクールなサウンドが特徴的で、終始オシャレな雰囲気を味わうことができる。その中でも好きな曲をいくつか挙げさせていただく。
1. Blooming Villain
パレスボス戦で流れる『Blooming Villain』。ギュイーンギュイーンと禍々しい音から始まり、ドラムとギターのサウンドが前半では流れる。そこからベースをメインにした静かなパートがあってからのブレイク、メロディアスなギターが切り込んでくるという展開がもう最高すぎて、この曲が流れてきたら絶対にそこまで聴いてから戦闘を開始するくらいだった。『ペルソナ4G』の『I'll Face Myself -Battle-』も同じ理由で好きなんだけど、ただただ「悪いやつを倒す」というだけじゃなくて、「救ってやる」という気持ちにさせてくれるBGM。なんかい聴いても涙ぐんでしまう。100点満点。
2. Our Beginning
終盤で流れる『Our Beginning』。流れるタイミングも良くて、本当の本当にこれで最後なんだという気にさせてくれる一曲。後半には『星と僕らと』のメロディも流れるような憎らしい演出が素晴らしい。魂が震える。
3. Gentle Madman
最後のパレスで流れる『Gentle Madman』。曲名が丸喜先生をそのまま表していて良い。曲調もピアノをメインとした美しいメロディの中に物悲しさや不穏さを含んでいて、なんとも言えない雰囲気を持った不思議な曲。
4. 自由と安心
メメントスの最深部やバッドエンドの際に流れる『自由と安心』。シンプルなメロディながらも寂しさと絶望感を覚える曲。バッドエンドの結末と曲名を照らし合わせると、なんだか怖さも感じる。各パレスの曲はこの曲のメロディをベースにアレンジされているような作りらしいとあとから知った。すご。
他にもあるけど、このへんにしといたらぁ。
トロフィー難易度がめちゃくちゃ易しい
本作の最高ポイントの1つ。トロフィー難易度の易化。無印の『ペルソナ5』は、おそらく『ペルソナ4G』のトロフィー難易度をベースとしており、かなり難易度が高い。特に「ナビを250種類聞く」という条件はゲーム内に確認する方法が無く、別途個人で記憶、記録するしかないのが悪魔的発想。『ペルソナ4G』はこいつがキツすぎて挫折した。「ロイヤル」になってからは一気に簡単になり、特に意識せずとも攻略ページの通りにプレイしていればほとんど取得ができるレベル。容易にプラチナトロフィーが取得できるのは嬉しいポイント。
蘇る「パチスロ」の記憶
「ペルソナシリーズ」といえば、パチンコやパチスロになっていることも少なくはないです(少ない)。パチスロの『ペルソナ4』はなんか好きで、ゲームセンターで打ってたりもしたのですが、2022年9月には『ペルソナ5』のパチスロが満を持して登場しました。パチスロとして結構面白いのですが、勝つのが難しすぎ。
『Life Will Change』が流れれば継続確定、『Revers In the Desert』が流れれば内部的にストックを持っている。そんなことをゲームをプレイしていても思ってしまう病気。聖杯との決戦の際は「聖杯に至る道ステージじゃん!」とテンションが上がった。
そして最終決戦・ヤルダバオト。「おま、最強特化ゾーンやないか!」。しゅき。
そういや、いわゆるレギュラーボーナスの敵キャラが名栗なのはなんでなんだろう。チャンスアップで別の敵キャラとかいても良さそうなものだけど……。
好きなペルソナたち
ペルソナの造形も魅力の一つ。とは言うものの、正直性能ばかりに目が行ってしまい、そこまで見れていない。そんな中でも目を引いたペルソナたちを紹介していく。
1. ネコショウグン
かわいい。一番印象に残ってるかもしれない。
2. サタナエル
でかすぎ。ヤルダバオト戦で登場したときの衝撃は凄まじかった。
3. マザーハーロット
こわい。妖艶な雰囲気にガイコツフェイスというギャップが良い。
4. ヘルズエンジェル
かっこいい。映画化もされたアメコミの『ゴーストライダー』が元ネタ? ビジュアルが最高。
5. 伊邪那岐大神・賊神
「幾万の真言」を撃つマシーン。一番お世話になったペルソナ。強すぎ。
とにかく、プレイして良かったと思える最高の作品
コレに尽きる。自分の人生に大きな影響を与えた『LIVE A LIVE』や『UNDERTALE』をプレイしたときのような充実感を味わえたのは久しぶり。RPGという性質上、どうしてもプレイ時間が長くなってしまうことがネックになり、なかなか他人に勧めるのは憚れるが、ゲーマーなら体験しておいてもらいたい作品。本当に良かった。最高の一言。
中学時代からの友達で、リアルでは疎遠だけど謎にSNSで繋がり続けてるキミ。この場を借りて、改めて感謝を。プレゼントしてくれて本当にありがとう。
それでは。
おわり。
P.S. 『ペルソナ5S』もやったよ!
先日、ようやく『ペルソナ5S』の方もクリアしたので記事を書きました。こちらは基本ネタバレ無しで書いてます。よかったら見てください。
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