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飛び出す絵本!?『The Plucky Squire』で中でも外でも大冒険!

 絵本を読んだ記憶はあるだろうか。絵本を読み聞かせしてもらった記憶はあるだろうか。子供の頃に、無意識に冒険へと旅立っていた記憶。きっとそれは、人生を動かす大冒険だったのかもしれない。今回は、そんなお話。



📃|『The Plucky Squire』は絵本の話?

 『The Plucky Squire ~ジョットと不思議なカラクリ絵本~』は2024年9月18日SteamNintendoSwitchPlayStation 5Xboxなどでリリースされたアクションアドベンチャーゲーム

 PSでは、Day1タイトルとしてPSPlusに加入していたら発売日からプレイ可能となっていたが、PS5のみなので諦めていた。が、この度PS5Proを手に入れられたのでようやくプレイできた。

 物語は、タイトルと同名の「The Plucky Squire」という絵本が舞台となっている。そこは活躍する「勇敢な騎士見習い」であるジョットが大活躍する世界で、悪役であるハムグランプは忌み嫌われていた。いつものようにハムグランプを懲らしめようと塔へ向かうと、ハムグランプは特殊な力を使ってジョットは「絵本の外の世界」へと追い出されてしまう。そこから絵本の内外、ゲーム的に言うと2Dと3Dを行き来しながら正しい世界を取り戻す大冒険が始まることになる。

絵本の1ページ目

 最初のメニュー画面から温かみのある雰囲気で、キャラクターを動かし始めた瞬間から早くも良ゲーの波動を感じることができた。一応「アドベンチャー」と「ストーリー」という難易度の選択ができるが、どちらかといって難易度が高い「アドベンチャー」でもかなり難易度は低めなのでゲーム慣れしていなくても安心して欲しい。

珍しい分け方

⭕|終始かわいらしさ溢れるグラフィック

 プレイ中は「かわいい~」と口をついて出るほどのグラフィック。絵本が舞台となっており、絵本の絵をそのまま動かしている感覚で、とにかくかわいい。登場するキャラクターたちも絵本らしく、シュールな一面があって面白い。視点が「見下ろすようなもの」と「横スクロールアクションのようなもの」で切り替わったりする遊び心も良い

視点がちょこちょこ切り替わる

⭕|2Dと3Dを行き来する、メタ的な視点の面白さ

 本作のメインは「絵本の中」となるが、絵本を飛び出して「現実世界」をも冒険することになる。私事になるが、子供の頃に自分の机を「世界」としてレゴや他のフィギュアなどを使って遊んでた思い出があるので、現実世界でのステージは非常にノスタルジックな気持ちになった

机の上に広がる「世界」

 「現実世界」で絵本のページをめくり、他のページとの境界を越えて影響させあうような見せ方も面白く、特に絵本内の文章を置き換えることで絵本の内容を変えていくパズル要素も非常に面白い。中には攻略に全く意味のない文章にすることで変化するものもあり、全体的に遊び心があって好き。また、「絵本」という特性を活かして、横だけじゃなく、本自体を縦にするような場面もあるのが面白い

単語が欠けた文章
文章を成立させることで、その文章通りのことが実現される

⭕|ミニゲームをスキップすることができる

 本作の道中では『パンチアウト!!』っぽいミニゲームや『リズム天国』っぽいミニゲームなどが用意されている。どれもが面白く、良くできているのだが、そこそこ時間がかかる上に一筋縄ではいかない部分もある。そのせいもあってなのか、ミニゲーム部分をスキップすることが可能となっている。スキップしたことによるデメリットはトロフィーが取れなくなる程度で、ストーリー上は何も問題はない。ストーリーに注目して、サクサクと進めたい人やリプレイ時にはかなり助けられるシステムだ。

『パンチアウト!!』っぽいのって他のゲームでも
まぁまぁあるけど、海外だとかなり人気なのかな

⭕|ゲームに不慣れでもクリアできる丁寧な作り

 自分がゲーム慣れしているということもあるが、本作はかなり難易度が低めの作品となっている。「ゲーマーだからでしょう?」と思われるだろうが、ゲームに関するイベント「The Game Awards 2024」では「Best Family Game」部門にノミネートしていることからもうかがえる様に、家族でも安心してプレイできる作品として太鼓判を押されているような感じだし、一般的にも難易度は高くないと思っていいだろう。

受賞は逃したものの、そうそうたる面々の中にいる

 それでも、やはり難しいと思う人も少なくないかもしれない。『ゼルダの伝説』ライクのトップビューの作品で、謎解き要素もある。そんな人たちに向けて、ゲーム内ではヒントが聞けるシステムが用意されていたり、道中のアクションを快適にさせることができるオプションも用意されているので、クリアまでのハードルは低めとなっている

オフでも十分簡単だけど、オンにするとかなり快適になるのでおすすめ

❌|虫がキモすぎる!!

 本作の一番の難点だと個人的には思っているポイント虫がキモすぎる。絵本の外に出るシーンの中で、強力な敵として登場するのがカナブンだ。現実の「リアルな世界」を表現するために「生物」を出しているのだろうけど、ものすごいクオリティで描かれた虫が相当に気持ち悪い。動きもそうだし、キャラクターと比較して素早く、大きめの敵になるため、見つかって攻撃を受けてしまうと、ほぼ一発でゲームオーバーになるというのも非常に嫌すぎる。まじキモ

これだけがホントきつい

❌|メッセージやイベントシーンのスキップが出来ない

 本作では各チャプター内に隠しアイテムが存在するが、チャプターをクリアした後に、改めてチャプターを選択して取りに行くことができる。なので、取り逃がしても再度挑戦すればいいのだが、その際には初回プレイと同様にイベントや戦闘を全てこなさなければならない。ミニゲームのスキップができるのがまだ救いだが、道中の謎解きやギミックをやり直さないといけないのが大変。また、会話シーンなども一気に飛ばすことができないので、ひたすらボタン連打するしかない。チャプターの終盤で取り逃がしが発生した場合は、終盤まで改めて進めないといけないのがしんどかった。やり直したくない人は攻略ページを見て、取り逃がしをしないようにしたほうがいいかも

▲攻略についても丁寧に書かれているページ


⏱|クリアまでは10時間程度

 自分がクリアした際は13時間。これは収集要素を探し回ったり、取り忘れのためチャプターをやり直したりしたこともあるので、すんなり進めていけば10時間もあればクリアできるのではないだろうか。各チャプターは長くても1時間程度なので、寝る前に1チャプターだけという感じでゆっくり進めても楽しめると思う。

ぴったり13時間

⭐|普段ゲームをあまりしない人にもプレイして欲しい、かわいらしさと面白さを両立した傑作

 ボリューム的にはそこそこで、難易度もゲーマーじゃなくてもプレイしやすい。非常にかわいらしく、クオリティの高いアクションゲーム。ライトな『ゼルダの伝説』という感じで、絵本という要素を上手く活かしたギミックや進行がとても美しく、おすすめの一作

進行方向を無視すると絵本の文として
警告がでるオシャレさ

 翻訳は一部表示しきれていなかったり、改行が気になる部分もあるが、全体的によくできており、絵本を読み上げるボイスも心地よく満足度も高い。特に、いわゆる「ナレーション」にあたる地の文の見せ方が上手く、後半はそれを活かした演出も非常に面白いので、是非とも自身の手で動かして体験していただきたい。

絵柄が違う、他の紙媒体との接触

 偶然にも、近いタイミングでオモコロで公開された「めちゃおもろゲーム7選」という記事にも本作が紹介されていた。短いながらも訴求力の高いプロの文章もぜひ目を通していただきたい。Playstation公式でも、吉田修平さんのお気に入りのタイトルとしてピックアップされてた。

 それでは。

 おわり。

取り逃しなければ、1周でコンプ可能

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