はじめてのフロムゲー、難しいより怖い『Bloodborne』でヒト狩り行った話
フロムゲー。それはゲーム会社「フロム・ソフトウェア」の作品を指す。フロムゲーの経験はないが、多くの場合は「硬派で高難易度」という雰囲気の感想を見かける気がするし、そんなイメージがある。セールで購入していた本作を、フロムゲーの入門として触ってみた。
「フロム・ソフトウェア」とは
まず、フロムゲーと呼ばれるほどの作品を作る会社「フロム・ソフトウェア」について説明しよう。
フロム・ソフトウェアは1986年11月創業のゲーム制作会社。2019年7月からは株式会社KADOKAWAの子会社になっている。もともとはゲームではなく業務アプリケーションの開発を手掛けていたらしいが、バブル経済崩壊後の不況を機にゲーム制作への参入を決定。『ウィザードリィ』を意識してゲーム制作を続け、完成したのがPlayStationの『キングスフィールド』となる。当時は賛否両論となったが、その7ヶ月後に2作目、さらに1年後に3作目というハイペースで作品が作られていった。ゲーム業界への参入の際にあったコンセプトの1つ「3DCGのロボットによるアクションゲーム」は『アーマード・コア』となり、ファンは闘争を求める身体となった。
一方で『ハローキティのおしゃれパーティー サンリオキャラクターずかんDS』や『モンハン日記 ぽかぽかアイルー村』といった全然違う方向性の作品の開発もしており、守備範囲の幅広さを感じさせる。
2009年2月に『Demon's Souls』、2011年9月に『DARK SOULS』が発売されると「硬派な死にゲー」としての地位を確立していった。
Wikipediaから抜粋した情報ですが、ざっくりとした説明としては以上のような感じとなる。詳しくは各々で調べてみて欲しい。
『Bloodborne』は「狩人」の物語
『Bloodborne』は2015年3月26日にPlayStation4向けに発売されたアクションRPG。通称・ブラボ。2021年11月現在、プレイ可能なのはPS4だけという比較的珍しいタイトル。舞台は19世紀ヴィクトリア朝をベースにしており、全体的に薄暗い不気味な雰囲気となっている。ジャンルは「アクションRPG」だが、個人的には「ホラーアクションRPG」と言っても良いくらいホラーの要素が強く、敵のビジュアルもグロテスクなものが多い。あと、虫もいる。プレイヤーは獣と化した人を狩る「狩人」となり、街中に彷徨う「獣」を狩りつつ、事態を収束させるために原因を探っていくことになる。
まだ人の形を保っている「獣」
ゲームのシステムは『Demon's Souls』や『DARK SOULS』などの「Soulsシリーズ」を踏襲しており、正直シリーズを初めてプレイするプレイヤーにとっては非常にとっつきにくい物となっている。油断すると一瞬でピンチに陥り、よほどレベルを上げていない限りいつゲームオーバーになってもおかしくない状況になることが多い。「硬派で高難易度」というイメージはその通りであった。レベルアップの際は任意にステータスを割り振るタイプで、プレイヤーのスタイルに合わせたキャラを作り上げることができる。私は脳筋スタイル一択。
プレイ中に何度も見ることになる英単語
なお、以降の感想は「Soulsシリーズ」はもとより、フロムゲーを経験してこなかった人間の感想になりますので、ご了承ください。
訳のわからないまま進むストーリー
まじで意味わからん。これに尽きる。ただ単に自分の頭が足りていない可能性も高いですが、なんだか雰囲気だけで話が進んでいく。
誰やねん
ストーリーについて調べると「考察系」のページが多く、正確なストーリーを把握するのは困難なようだ。概要だけを記載させていただくと、本作は先に書いたとおり19世紀頃の時代で、古都ヤーナムが舞台となっている。そこは人を人外の獣に姿を変えてしまう「獣の病」が蔓延っている世界。その病に罹患した人たちを狩る「狩人」が活動する夜は「獣狩りの夜」と呼ばれ、「獣」を狩りながら病と狩人の秘密を暴いていく、という感じ。たぶん。シリーズのファンもこんな感じのようなので、クリア後に考察なんかを見るのが正しい気がする。
物騒な奴だ
「難易度の高さ」の正体は「不親切さ」
初めてフロムゲーを体験して思ったことは、アクション自体の難易度はそこまで高くないということ。なのに「難易度が高い」と思うのは、やはり「不親切さ」から来るものだろう。最近のゲームでは親切なチュートリアルや便利な機能が用意されているものだが、本作にはそういったものはない。
初っ端から5回死んだ
訳のわからないままゲームが始まり、手ぶらで強敵に出会い、死ぬところまでが雑なチュートリアル。細かい操作説明なんかは実戦で覚えろという姿勢はファミコン時代のような不親切さがある。機能としてはエリアのマップが無く、複雑な地形を頭に叩き込むしかない。迷子になるのは必至。ゲームをクリアしても、未だにわからない要素があるくらいにゲーム中での説明はない。そのため、知らなくてもなんとかなることも多いが、やり込むとなると奥が深いゲームとなっている。「獣性」って、なに???
また、敵の攻撃力や状態異常などのバランスが悪く、いくら準備をしていても一撃で状況がひっくり返る可能性がある。ボスのHPがあと1cmほどで負けるパターンも少なくない。緊張感があるのは良いが、こっちはチビチビと削るしかなく、相手は一撃で9割〜10割のダメージを与えてくるバランスは辛すぎる。
キレた
常に油断ができない、緊張感のある「死闘」
本作の魅力は手に汗握る戦闘だろう。ザコ敵との戦闘を怠れば、道中で囲まれて一瞬にしてなぶり殺されてしまうので、1体ずつゆっくりと倒して行くのが主な進め方になる。急がば回れ。
1対1で勝負しよう
ゲームオーバーになると、ゲーム中で「お金」と「経験値」の両方の性質を兼ね備える「血の遺志」が0になる。だが、実は無くなったわけではない。ならばどこにあるか。それは死んだ場所に遺っているのだ。死んだ場所に戻って、血痕が残っていればボタン一つで回収ができる。残っていない場合は近くの敵に「血の遺志」がくっついている可能性が高い。目が青く光っている敵を倒すことで取り戻すことができる。しかし、それを回収する前にもう一度ゲームオーバーになると「血の遺志」は本当に消えてしまう。正確にはゲームオーバーになった時点で前回の記録が上書きされてしまう感じ。これは『HollowKnight』で同様のシステムがあったのでなんとなく理解ができたが、初めての場合は把握するのは難しいシステムと思われる。
どういう意味なんだ
上記のシステムがあるため、ゲームオーバー直後は特に死ねないプレッシャーがプレイヤーにのしかかる。初めて足を踏み入れるエリアでの移動中は気が抜けず、終始緊張感を持ちながらコントローラーを握り続けなければならない。何度、「血の遺志」を無駄にしただろうか……。
荘厳な雰囲気
精神を蝕む「効果音」
プレイ中、うめき声や足音などがそこら中から聞こえてくる。もう、これが怖くて怖くて。序盤はジャラジャラと鎖を引きずっている音やドスンドスンという足音が特に怖く、音の正体にビクビクしながらやっていたせいか、1度にプレイできる時間が1時間くらいが限界だった。BGMもあまりない作品なので、この「効果音」が精神的に辛かった。恐怖を緩和させるために、Youtubeを見ながらプレイしていた(ライフハック)。
デカすぎィ
他人には気軽におすすめできない、超ハードな作品
超がつくほど硬派、というかあえてこういう作り方をしているのだと思いますが、不親切なゲームだった。過去のシリーズやフロム・ソフトウェアの作品の傾向を知っている人でないととっつきにくい部分が多いので、無闇におすすめするのは難しい。ホラー系が得意で、高難易度アクションに興味があるならプレイしてみても良いのではないでしょうか。ストレスが溜まる箇所は所々にあるが、大ボスを倒せたときの達成感はこの難易度だからこそ得られるものと思う。演出面は目を見張るところも多く、プレイヤーの気持ちを高ぶらせてくれる。ただ、個人的にはホラーというジャンルがめちゃくちゃ苦手なので、本当に怖かった。あ、蜘蛛型の敵も出てくるので、虫が苦手な人はご注意を。ゲーム開始時に細かいキャラクタークリエイトができるけど、あまり自分のキャラを見る機会がなかったな、と思った。
ガター
本作を安く手に入れる場合、DLCとのセットがセールで1500円程で売っていることがあるので、機会があればぜひともDLC込みでどうぞ。DLCはあまりボリュームのあるものではないものの、特殊なボスと戦えるのでおすすめ。
キレイな景色も多い
『Bloodborne』は初めてのフロムゲーだったため、かなり苦しい部分が多かったですが、「Soulsシリーズ」や「天誅シリーズ」を組み合わせたような和風高難易度アクションゲーム『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』や「Soulsシリーズ」の正統進化系とも言われる新作『ELDEN RING』なんかもぜひとも触ってみたいところ。
黄昏
トロフィーの難易度はちょっとだけ高め。一部時限イベントを達成しないといけないため、トロフィーコンプリートを狙う場合はそこだけは攻略情報を見ておくことをおすすめする。そこ以外は基本的に面倒臭い要素が大きいため、地道に進めるしかない。詰まったらレベルを上げることでコンプリートまでの道が見えてくると思う。マルチプレイすれば、もっと楽になるかも。覚悟が決まってるプレイヤーが多いためか、プラチナトロフィー取得率は比較的高い。トロフィー厨は頑張って。
コンプリートまで50時間くらいかかった
それでは。
おわり。
は?
あなたが私をサポートすると、私はあなたからサポートされることができます。