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『デイヴ・ザ・ダイバー』で潜って獲って握って撮って育てて無限ループ生活
お寿司は好きですか?
寿司といえば、大事なのはネタ。新鮮なものほど喜ばれる。ならば自分で獲りに行こう。さぁ、大海へ。今回は、そんな大海物語のマリンちゃん無しバージョン。
📃|『デイヴ・ザ・ダイバー』は寿司屋?
『デイヴ・ザ・ダイバー』は2023年6月28日にSteamでリリースされたハイブリッド海洋アドベンチャーゲーム。現在はNintendoSwitch、PlayStation4/5でもプレイ可能となっている。
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「ハイブリッド」とあるように、本作は大きく分けて「海に潜って魚を取る漁業」と「寿司屋の経営」という2つの要素で構成されている。他にも細々と様々なシステムが用意されているのだが、一旦は置いておく。昼間は海に潜って、夜は寿司屋で働くのを繰り返していくのが本作の進め方になり、寿司屋で稼いだお金で装備を強化していくというサイクルを繰り返していくという、全体が上手く回るような作りになっており、そこにストーリーも乗っかっていてハイクオリティな作品となっている。
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本作は最近流行りの「インディーゲーム」のくくりになるが、ゲームの表彰式典「The Game Awards 2023」で「Best Independent Game」部門にのミートされた際に「これをインディーゲーム扱いするのはどうなのか」という議論が発生していた。これは、開発元が超大手ゲーム会社のネクソンのサブブランドということに起因している。ただ、開発元は自身でインディーゲームとは言っていないし、インタビューでも「小規模チームで作った」という受け答えをしていたそう。言葉の定義が曖昧な「インディー」というものだけに、なかなかに難しい問題だ。
⭕|ハイクオリティなドット絵による美しい海の世界
やはり注目するのはグラフィック。圧倒的なドット絵はレトロ感を抱かない、アートの域にまで達していると感じた。多種多様な魚やボス級の巨大なモンスターはじめとした、細かい部分も含めて目に映るものすべてが素晴らしいといっても過言ではない。
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また、途中で出てくるアニメーションも素晴らしい出来で、様々なタイミングで見ることができるのだが、「料理のレベルを上げる」という頻繁に発生するタイミングでのアニメーションは複数用意されているなど、ユーザーを飽きさせないような心配りがすごすぎる。
あまりにも良いな。 #DavetheDiver pic.twitter.com/UPEvq27L23
— のぶぶ (@NoticeBeefBell) August 6, 2024
▲このレベルのが結構な量用意されている
⭕|コミカルな世界観
主人公はダイバー。ライフセイバーのイメージで引き締まったボディのイケメン……かと思いきや親近感を覚えるような丸っとした体形のおじさんが登場。休暇中に昔の仕事仲間からの連絡を受けて、ダイバーとして活動を再開するというゆるっとした始まりが面白い。人気ゲームのパロディやオマージュを感じさせるような登場人物やキャラクターの会話など、時折風刺的な演出も交えながら全編に渡ってコミカルに描かれている。
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❌|アクションに爽快感がなく、ストレスが溜まるゲーム性
ゲーム中で主な舞台は水中となる。水中は陸上と違い動きがどうしても制限される傾向にあり、緊急回避などもないため攻撃されても避けきれない場面が多々ある。また、タイムリミットやアクションの緊張感を持たせる意味として体力にあたる「酸素」があるが、これは常に減り続けるためどうしようもない場面が発生しやすい。設定的に仕方がない部分があるが、いわゆるスリップダメージが標準的に存在するのはかなりストレス。
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欲張って魚を獲り続けると総重量によって動きが遅くなるというシステムはリスクとリターンを考慮する押し引きの面白みがある。ただ、それでも遅くなった状態で敵に絡みつかれると逃げ切ることは難しく、攻撃も当てにくくなるので相当イラつき度が高い。マップ上には「水上に帰還できるポイント」が用意されてはいるが、そうじゃなくてどこからでも、いつでもリスクなしで帰還できるようなシステムが標準的にあったら嬉しかった。でも、それだと簡単すぎるかもね。バランスが難しいところ。
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❌|後半は作業感が非常に増して食傷気味になりがち
最初は美しいグラフィックや泳ぐ面白さがあるのだが、ゲームが進んでいくと作業感が非常に強くなっていく。当然っちゃ当然ではあるのだけど、最初の感動は長くは続かない。ゲームのメインとなるのはどうしても「魚を獲る」→「寿司屋を営む」という繰り返しになるため、同じことをずっとやり続けることになる。お金を稼がないと主人公を強化できないし、お金を稼ぐには魚を乱獲しないといけない。だけど、前述したようにアクションもそこまで快適ではないので手間や時間がかかる。なんとなくやり続けてしまうような魅力がある反面、この「同じことの繰り返し」を意識してしまうと一気に熱が冷めていく感覚を抱いた。繰り返しが苦にならないような仕組みがもっとあると良かった。
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❌|微妙に不便なシステムと操作性たち
メインの1つとなる「寿司屋の経営」だが、ここでの操作が特にかなり不便。
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提供するメニューの設定
店で提供する寿司ネタを毎回セットする必要があるのだが、いちいち自分でネタと数を選ばないといけない。また、イベントによっては特定のネタを選ぶ必要があるが、それも目視でここは「自動セット」の機能が欲しかった。
ネタのレベル上げ
ネタのレベルを上げる際には、レベル上げ可能なネタにマークが付いているのでわかりやすいのだが、一気に上げようとするとどんな順番にソートしてても連続して上げづらい。ソート順に「レベル上げ可能なネタ」とか、機能として「レベルアップ可能なネタを全部一斉にレベルアップする」とか用意して欲しかった。
遅すぎる移動
営業中以外でもそうだが、移動が遅すぎる。営業中は最低でもスタミナアップができる要素があって欲しかった。通常時は既定の場所に移動してから遷移先を選ぶみたいな感じだが、こっちはどこからでも飛べるファストトラベル的なのがあったら嬉しかった。
❌|要素が盛り盛りで、詰まりすぎてる!
メインのゲームシステム以外にも、ミニゲームや素材が採れる農場や養殖場などが用意されているが、それらがあまりにも多い。どれもがいちいち手間がかかるようなシステムになっており、キャラクターの移動の遅さも相まってなかなかにストレスが溜まる部分でもある。一部は自動的に回収ができるような救済措置も用意されているが、大量にお金がかかるし、ものによっては期間が決められているものもある。ユーザーを飽きさせないような試みの1つなのかもしれないが、どれも魅力的とは思えないもので、逆に「いらない」と言っても過言ではない。これらにリソースを割かず、メインの快適さをもっと追及して欲しさがあった。
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💬|ゴジラコラボが気になってる方は急いで!
本作は様々なコラボをしていることでも話題になっているが、その中に日本を代表する特撮映画『ゴジラ』とのコラボがある。この「ゴジラコラボ」は2024年11月23日(土)までと期間が決まっているため、「後でいいか」と後回しにしている方はお気をつけて。ダウンロードができなくなるだけで、イベントは発生するのかとかはよくわからないけど、期間内にやっておけば問題ないと思う。調べても出てこないが、『DREGDE』とのコラボは終了期間は決まってなさそう。これらは、各ハードのストアからDLCをダウンロードしないとイベントが開始されないのでご注意を。
今後は『Balatro』や『Potion Craft』といった作品とのコラボも予定されている。ゴジラと同様であるならば、ゲームの後半~終盤あたりまで進めてないとイベントが発生しないようになっていると思うので、今のうちに進めておくといいだろう。
⭐|正直惜しい部分も多いと思うが、触ってみる価値はある佳作
面白いは面白いが、個人的には微妙だったというのが正直な感想。
ビジュアルの強さは近年でもトップクラスの作品なのは間違いない。ドット絵で描かれた魚や海中のオブジェ、寿司などなど、とにかく目に映るものはすべて感動するレベルにハイクオリティ。ただ、「繰り返しが多いゲーム性」と「快適とは言えないアクションやシステム」が噛み合っておらず、ダメな部分をグラフィックで穴埋めしているような感じ。
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決して悪くはないんだけど、個人的には「面白いかどうか」と聞かれたら「グラフィックが良い」と答えるしかないような作品。たぶん、『どうぶつの森』や『牧場物語』といった「スローライフゲーム」が好きなプレイヤー層に刺さりやすいデザインなのかも。
発売前から非常に期待をしていたことと、あらゆるメディアで高評価だったということで、自分の中での期待値が上がっていたのだとは思うが、ちょっと期待してたものとはズレてたのかもしれない。自分を強化して、徐々に進める範囲が増えていく面白みはあるが、終盤はその広がった世界をストレスを感じながら泳ぎ続ける羽目になるのはもったいない。
前述したように「スローライフゲーム」に近いデザインだと思うので、そもそも自分が得意じゃないジャンルだったことで、こんな感想になったのかなと振り返って思った。
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それでは。
おわり。
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トロコン難易度は簡単め
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