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余命60秒ーー『Minit』でわずかな時間を紡ぎながら「呪われた剣」の製造工場に殴り込む話
みなさん、あと何年生きる予定でしょうか。
40年?
50年?
そんなあなたでも、道に落ちてる「あるモノ」を拾ったら、そんなことを考えていられないかもしれません。
今回はそんなお話。
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※プチ情報:PSPlusのゲームカタログの対象だよ!
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📃『|Minit』は60秒を紡ぐお話
『Minit』は2018年4月3日にSteamにてリリースされたアクションアドベンチャーゲーム。日本の家庭用ゲーム機でもプレイできるようになったのはその約4ヶ月後。さらに1年後にはスマホでもプレイ可能となり、今ではいつでもどこでもプレイ可能となった。
本作は短時間でゲームを開発するイベント「ゲームジャム」にて開発した作品が好評で、それから本格的に開発に入っていったという経緯を持つ。『Celeste』なんかもそんな経緯だった気がする。
操作感はGBの『ゼルダの伝説 夢をみる島』のような感覚で、スクロールする画面を移動しながら、謎解きをしつつ最終的な目的地を目指すというもの。難易度はそこまで高くはないが、ゲーム慣れしていない人は一筋縄ではいかない部分も多いと思う。逆に、これをクリアできればゲーム初心者卒業だ。
余談。「ドット絵」「白黒のグラフィック」というだけで、パッと見で『UNDERTALE』を想像してしまうかもしれないですが、全く関係ないので留意されたし。
かわいい動画。
リリースされた年のゲームアワード、「Golden Joystick Awards 2018」ではそうそうたる作品と並んで「Best Indie Game」にノミネートされていた。ただ、残念なことに受賞には至らなかったが、ノミネートされたというだけで十分すごさがわかると思う。
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💬|ストーリーはシンプル。「工場に文句を言いに行く!」
あ、剣が落ちてる。拾っちゃおう。
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歩き回ってたら、拾ったのはなんか「呪われた剣」らしいと通りすがりの人が教えてくれた。
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うるせぇから、拾った剣で殴ってやろう。
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工場へ行けって言われたから、工場を探すために歩き回ってみるかぁ〜。
_人人人人人人人_
> 死んだ!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
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ストーリーは、ある日海岸に落ちていた「呪われた剣」を拾うところから始まる。その剣を手にすると、60秒で死を迎えるようになってしまうという突飛な世界観。それに反して可愛らしいグラフィックというギャップが良い。メインの道筋とは別に、寄り道ができる遊び部分があるのも良い。
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⭕|「白」と「黒」のみで描かれた、シンプルなレトログラフィック
本作の特徴の1つは目を引くグラフィックだろう。色鮮やかで美麗なCGやドット絵でも色彩が豊かな作品が多い昨今、それらとは間逆なシンプルな見た目。それでもチープには見えない。色味はモノクロだが、雰囲気としてはゲームボーイのような感じ。操作は滑らかだし、演出も2色とは思えないような派手さもって良い。マップ上には「砂漠」や「海」などがあるが、どちらも黒地のマップとなっている。そこにわずかな「波」や「砂煙」といったオブジェクトを表示する演出を加えることで、同じ黒が「海原」や「砂原」に感じられるマジックを発動している。まるでイリュージョン。素晴らしい。
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⭕|「60秒」という時間制限の絶妙さ
動き回るには少し足りず、なにかヒントを掴むには丁度いい時間設定。「60秒」の間に手に入れたアイテムや解いた謎はある程度引き継いで次のプレイを再開することができる。そして、プレイヤーには絶えず「経験」が蓄積される。
ゲームオーバー後、再開する前に「次回は何をするか」を漠然と計画しながらマップ上を模索し、ダメだったら次、次、次……と短いスパンで「考えて、行動する」というサイクルを回すのが面白い。また、「ストーリーを進めていくと出来ることが増えていく」という基本的な面白みが、時間による制限の影響で効率化まで考える余地を与えてくれる部分も良い刺激になっている。
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⭕|派手さがなくシンプル、それでも最高のBGM
ゲームを初めてすぐはほぼ無音の状態で、効果音や環境音のみだが、剣を拾い、物語が始まった瞬間からBGMが流れ始める。本作は音楽の使い方とか、BGMが流れるマップから離れるとだんだんと音量も小さくなるとか、そういった細かい部分の気配りがされていて、見た目とは裏腹にリッチさを感じさせる。どの曲もマップにあった曲調になっており、冒険の始まりや未知の領域に踏み込んだ勇ましい曲調、不穏な空気を感じさせる曲調など、BGMの色がハッキリとしている。ドット絵に合わせたチップチューンの曲……と何故か勘違いしてたのですが、聴き直したらそんなことは全く無かった。ただ、若干チップチューンのような歪みだったり、レトロ感のある音色や数を意識しているように思えた。個人的には最初に耳にして衝撃を受けた『Minit's Awakening』が一番好きかもしれない。
作曲者のJukio Kallioはどこかで名前を見たことがあるなぁ、と思ったら『Fall Guys』の音楽を担当されている方だった。この人の曲、どれも自分のツボにハマってて、恐ろしさすら感じる。Youtubeにて本人がサントラをアップロードしているので、サブスク加入してないという方はこちらでも聴けるようなので、是非どうぞ。
💬|クリアまでの時間は1時間30分程度
これは私が初見でノーマルモードをクリアした際の時間なので、参考にしていただければと思う。ゲームの経験値がある人は2時間くらいあればクリアは容易なのではないかな、と思う。逆に普段からゲームをやっていなくて、慣れていない人にとってはヒントが少ないことや進むための謎解きを解決する手がかりを掴むのが非常に難しい作品だと思うので、良くも悪くもファミコン時代のようなレトロゲームを彷彿とさせる。
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⭐|短時間でサクッとクリアできて、満足感も高い良作!
なんとなく気になってて、PSPlusのゲームカタログにあったから「とりあえずダウンロードしておこー」と思ってそのまま積んでたのを今回やってみたのですが、思った以上に面白くてかなりラッキーだった。BGMのクオリティ高さ、アクションの快適さ、程よい謎解き難易度、クリアまでの時間、どれをとっても最高峰のバランスで、始まりから終わりまでダレることなくプレイができた。グラフィックのおかげか、約4年前の作品でも気にならずにプレイできるのも大きな強みか。大作を終えて、ワンクッション入れたいと思ったときに非常におすすめの作品。
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サクサクとしたアクション以外に、謎解きだったり、徐々に見えてくるストーリーが大きな魅力であるため、攻略ページを見ることは全力でおすすめしない。自力で解いていく楽しさを是非とも味わっていただければと思う。
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トロフィーは攻略情報さえ見れば、簡単なモノが多い。攻略ページや動画も充実しているので、その通りに操作すれば難なくトロフィーを取得できる。トロコン初心者でも安心の難易度。そういう点でもおすすめの一作。
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同じ開発の『DISC ROOM』も気になる。こちらは『Minit』と打って変わってハードなアクションで、血がブシャーッとなるゴア表現を含むため、苦手な方はご注意を。
それでは。
おわり。
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