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信者を集めて『Cult of the Lamb』で子羊の教祖を崇め、讃えよ

みなさん、教団入ってますか?

 ちょっと怖い話題だね。信じる者は救われる。本当にそうなのかな。それでも信じる。お前はその価値がある”教祖”になるのだ。今回は、そんなお話。



📃|『Cult of the Lamb』は危ないゲーム?

 『Cultカルト ofオブ the Lambラム』は2022年8月11日にリリースされたアクションゲーム。スマホは未対応だが、PCや現行のゲーム機のほとんどでプレイ可能となっている。ちなみに、今回私がプレイしたのはPS4版。自分はセーブデータが使い回せなかったのでプレイしていないけど、PS5版は動作が重かったりするらしく、あまり安定しないという噂なので気をつけて欲しい。アプデで直ってるのかもしれないので、詳しくは調べてくれ。

 ストーリーとしてはとある羊の一族の子羊が生贄にされ、死後に「待ち受けし者」と呼ばれる神の力によって復活するシーンから始まる。命を助けてもらった代償として、その神を復活させるべくカルト教団を作り、信仰を集めていくことになる

死ぞ

 ゲームのシステムとしては大きく分けて「教団の運営パート」と「アクションパート」があり、それらを行き来しつつ物語が進行していく。
 「運営パート」では拠点で信者の寝床を確保したり、祈りを捧げてもらったりと信者に尽くすパート。そこら中に排便したり、嘔吐したりとやりたい放題なので、教祖なのにそれらを片付ける雑用みたいなことが非常に多い
 「アクションパート」ではランダム生成されるマップを攻略するローグライクな作りで、道中で拠点で使用する資材や新たな信者の獲得などを行うが一筋縄ではいかない難易度となっている。

どういたしまして

 本作はリリース後から無料での大型アップデートが複数回行われており、リリース当初から様々な要素が追加されて非常にボリューミーな作品となっている。その一例としてはローカルでの協力プレイ、信者との結婚、信者同士の子作り、裸踊りなど、他のゲームではあまりお目にかかれないようなものが多くて面白い

2024年12月現在の最新バージョン

 開発はオーストラリアの開発スタジオ「Massive Monster」。過去作としては比較的王道な横スクロール2Dアクションの作品をリリースしており、本作と同様に可愛らしい絵柄と不思議な造形とグロさを併せ持ち、レビューを見るに快適なアクション性もしっかりと完成されていたようだ


⭕|スピード感のある、ローグライトな快適アクション

 全体的にアクションのスピードは速く、サクサクと進めることができる。敵の攻撃は単純なものが多く、個々のパターンを見切るのは比較的容易。ただ、ボス級になると一気に弾幕アクションのような様相を呈してくる。直前までどっちの攻撃なのか見極めにくいパターンや予備動作のようなものが無く、急に発動するものなどもあり、アクションの難易度が一気に跳ね上がる

複数体との戦闘はなかなかの歯ごたえ

 アクションパートではランダム生成されたマップに6種類ある「武器」、魔法のような性能の「呪い」、基本的にプレイヤーの有利に働く「タロット」などが配置されているいわゆる「ローグライク」のシステムになっている。そのため、自分の気に入らない武器だとしてもそれを使って攻略し、道中で入れ替えながらどうにかするしかない。そこが面白いところであり、難しいところでもあり、魅力でもある。
 ゲームオーバーになった場合は信者からガッカリされたり、道中で手に入れた資材を少し失うなどのデメリットがあるが、致命的なものは無いので良くも悪くもゲームオーバーへの緊張感は少し薄め

こんな感じで、自分の進むルートを選んでダンジョンを攻略する

💬|アクションが苦手でも、アクセシビリティでサクサク攻略可能

 アクションの難易度は「イージー」~「エクストラ」まで4種類あり、「ノーマル」でも十分に難しい。難易度はゲーム中に変更可能なので、難しかったら素直に難易度を下げるといいだろう。

設定内の「ゲーム」の一番上に難易度設定がある

 「イージー」でも難しいと感じる方には、アクセシビリティーで「HP無限」や「信力無限」といった快適な設定があるので、ストレスを溜めるくらいならこれを活用しよう

設定内の「アクセシビリティー」にいろいろある

⭕|かわいらしさとグロさが共存する奇妙な世界観

 メインビジュアルやゲーム中では主人公の子羊を始めとした可愛らしいキャラクターで溢れている。そして、それとグロさも同居しているという奇妙な世界観が本作の魅力の1つだ。公式的には明記されていないっぽいけど、クトゥルフ神話の世界観を取り入れているような感じがする。そのため、気持ち悪いと感じてしまうものも少なくないが、それでも受け入れやすいような造形にしてくれている……と思う。

かわいい?

⭕|良くも悪くも、目立ちすぎないが心地よい音楽

 本作のBGMは民族的なようなものが多く、その名の通り裏側で静かに鳴っているようなイメージが強い。「音楽で盛り上げる」というような印象は受けないが、よくよく聴くと「めっちゃいいじゃん」ってのが結構ある。
 追加アップデート分のものになってしまうが、個人的には拠点の『Nudism』や終盤のダンジョンで流れる『Anchordeep Purged』が好きだ。サブスクとかではなく、Youtubeでも公式がサントラをアップロードしているので、興味がある人は聴いてみると良いかもしれない。


❌|信者の管理が大変!

もうね、こいつら大変面倒

 せっかく助けてあげて、教団に入れてあげたのに「あれしろ」「これしろ」とうるさいのなんの。病気になりゃ至るところで嘔吐や排便をし、それを教祖様である私が一生懸命掃除する羽目に。いろいろやってんのに、こっちがダンジョンでゲームオーバーになるとバカにしてくる。しまいにゃ教団の資金をパクって逃げ出すやつまで出てくる始末

もうね、舐めんなよ

生贄決定

 かといってゲームのシステム上、ないがしろにできないという部分もある。ストーリーを進めるうえで、一定数の信仰が必要となる。つまり、信者たちをちゃんと生きたままキープしていないといけない。信者には寿命があり、しばらくするとぽっくり逝ってしまうし、ほったらかしにすると離反する者も出てくる。そのため、ご機嫌を取りながら生活しなければならないのだが、いろいろ操作が遅かったり、信者のステータスを後から見れないとか、地味に不親切な部分が多いのが残念だった

昼間に肉を剥ぎ取るとドン引きされる

💬|信者に友達の名前を付けて面白さが1.2倍(当社比)

 信者を教団に加えた際には「名前」と「見た目」を任意に設定することができる。そのときに友達や知り合いの名前をつけるとそいつらの排便したものを掃除したり、酒を飲んで喧嘩してるのを仲裁したり、なんかお願いされたときに断ったり、いろいろ感情移入ができて面白くなる(個人の感想)。最終的にかなりの数の信者を加入させることになるので名付けのネタがなくなっていってしまうが、芸能人やストリーマーなどでやっていくとあまりその心配はないのかも知れない。おすすめ。

めちゃくちゃキレてる

❌|教団の運営パートが単調になりがち

 運営パートでは1日1回の説教度々壊れる寝袋の修理死体の処理など、小忙しいのだが、特に終盤は同じことの繰り返しになってしまうのが残念だった。単調になるのはシステム上避けられず、かといって前述した通りないがしろにするのも避けられない。それらが仕方ないとしても、その単調な繰り返しを手動で行わないといけないのが不便で疲れるポイントだった。

アットホームな拠点

❌|マップで敵やギミックが見えづらい場面が多い!

 推測になってしまうが、おそらく難易度を上げるためにわざと見えづらくしているのだと思う。特殊な条件で発動する装備もあるのでそう思ってるけど、それにしても嫌がらせのような配置には閉口。部屋を移動してすぐに避けないといけないような位置に罠が用意されていたり、縦長の部屋で画面外で見えない下側にいる敵から遠距離攻撃が飛んできたりなどなど。基本的に「攻撃を受けないこと」で発動する恩恵の装備を愛用していた自分にとってはストレスが溜まる仕様だった。アクションの操作性は気持ちが良いものなのに、それを阻害するようなマップの作りは勿体ない。もうちょっと優しくして。

手前のオブジェクトで見えづらかったり、草むらに隠れたりもする

❌|ダンジョン攻略で、同じところを最低でも4回クリアしないといけない

 アクションパートでは、各ダンジョンは3回クリアして、4回目に奥の扉のロックが解除されてボス戦に突入することになる。もちろん道中でゲームオーバーになれば、その分周回数が増えることになるわけだ。ローグライクで、ランダム生成のダンジョンとはいえ、そこまで変わり映えのしないダンジョンを繰り返しプレイさせられるのは面倒だった。下手だから死ぬし。もう少し「繰り返しプレイする意味」や「変化」を感じさせるような要素が欲しかった。

ボス戦までが遠すぎる

❌|フォトモードが惜しい!

 他のゲームでも実装されていることが度々ある「フォトモード」だが、本作にも実装されている。ダンジョン攻略中だろうがイベント中だろうが、ゲーム中のほとんどの場面で利用できるのはかなり良いのだが、フォトモードで撮ったものは「ゲーム内に保存」されるというのが勿体ない。ステッカーでデコレーションできるとはいえ、最大で10枚しか保存できないのもイケてない。PSでプレイしてたので、メッセージで他のユーザーにシェアするってことをすると本体に保存されるので無理やり利用してたけど、PCとか他のコンソールではそんな不便はないのかな。

良い感じの写真が撮れたりはするんだけどね

⏱|クリア時間は30~40時間くらい

 アップデートが含まれた状態なので、「どこまでをクリアとするか」がちょっと難しいですが、私がトロコンまで要した時間がゲーム内時間で「190日」で、プレイ時間は「約44時間」。放置してた時間も含まれているので、実際はもうちょっと短いとは思う。トロコン以外で、ゲーム内の一区切りつくタイミングまでならおそらく20~30時間程度になるかと思う。まぁ、参考までに。


🏆|トロコンめっちゃ大変!

 ここは実績を埋めたりするのが好きな人向けの話になっちゃうけど、とにかく大変だった。私はPS版でプレイしたので、PS版のトロフィーを基準として記載させてもらう
 最初に書いた通り、本作では複数回に渡って大型アップデートをしており、そのたびに様々な要素が追加されている。その中には「信者のスキン」や「タロット」なども新規で追加されているのだが、いわゆる収集要素となる各種の「コンプリート」のトロフィーは追加された要素も全て収集しなければならない。この仕様のせいで達成難易度が上がり、追加要素のほとんどをプレイし尽くさないとならなくなる。高難易度のダンジョンを周回したり、信者に酒を飲ませたり、みんなで裸になって開放的になったり、信者に子作りさせて出来た卵を即座に割ったり、大変な日々だったので、狙う人は気を付けて

ウンチ料理を作り続ける日々

⭐|クセが強いものの、それぞれの要素がしっかりと際立っている傑作

 基本的には可愛らしいが、グロさを感じさせるデザインにクセがあるので人を選ぶ作品ではあると思う。アクションゲームとしての触り心地は一級品で、それにくっついてくる教団運営パートはやりごたえを感じさせる忙しさがあって良い。そういう点ではちょっと『アクトレイザー』感もあるかな。私は友人の名前を付けて遊んでたりしてたので、そいつらが酒を飲んだ勢いで喧嘩したり、イタズラしたり、儀式の生贄にしたり……。人によってそういった要素の面白さに幅が出るのも特異な作品だと思う。

尊い犠牲

 ただ、先に苦言を呈している部分にもあるように不満もあるのでそのあたりを許容できるかがプレイする上で重要かも知れない。プレイ動画はかなり多いと思うし、PSではフリープレイの対象にもなっているので、お試しで触ってみてもいいと思う。

 「快適なアクションが好き」「ちょっと変わったゲームがしたい」という人にはうってつけ。万人にはウケにくいけど、刺さる人にはキチンと刺さる作品なので、気になった方はぜひプレイを

あなたもぜひ、高潔なるのぶぶ教団
教団のシンボル

 それでは。

 おわり。


仕方ないんだけど、終盤は作業ゲーになっちゃうね

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のぶぶ
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