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【ぶたシアター】実写版『幽☆遊☆白書』は原作ファンのハートに霊丸で風穴を開けられたのか
どうも、のぶぶです。
2年前、2021年11月に突如発表された『幽☆遊☆白書』の実写版。人気漫画の実写化で上手くいった例は少ないので、多くの人は実写化に否定的だ。キャストが発表され、キービジュアルが公開され、予告映像が公開され、気が付けば配信日となっていた。原作の大ファンでもある僕が観た感想をつらつらと書かせてもらう。
💬|原作『幽☆遊☆白書』は「ジャンプ黄金期」を支えた漫画の1つ
基本情報として、本作について書いておく。『幽☆遊☆白書』は冨樫義博によって描かれた漫画。週刊少年ジャンプにて、1990年12月3日から連載開始し、大人気ながらも4年ほどの期間で終了した。濃密すぎる。
「ジャンプ黄金期」は何度かあるが、ここでは1989年〜1991年頃を指す。『ドラゴンボール』を始め、『ジョジョの奇妙な冒険』の2部〜3部、『聖闘士星矢』『スラムダンク』などなど、現在も語り継がれるような作品が数多くある。ちなみに、1989年2月に発売したファミコンソフト『ファミコンジャンプ 英雄列伝』の登場作品は、このあたりのものがメインとなっている。
⭐|で、実写版はどうだったの?
結論
結論から言おう。
そこそこ面白い。
100点満点だったら60点くらい。減点されている部分は、自分が原作を何度も読んでて、セリフを聞いたらどのシーンで言ってたかをある程度思い出せるほどの大ファンだから、ということと「原作と比較しながら観る」というスタイルだったことが大きく作用してると思うので、そのあたりは理解していただきたい。
全編観て思ったことは、設定グチャグチャにしすぎて「制作側は原作ベースの続編は作る気無いんだな」ってこと。原作後半の「魔界の扉編」以降はただのバトル漫画じゃなくなって、また新しい面白さを見せてくれるから好きな話で、特に「黒の章」の映像化は観てみたかったんだけどな。やはり「実写化」と言うものは、原作ファンのためのものではなく、新しいファンを獲得するためという側面の方が強いのかなと思った。
この実写版を最後まで観れるかどうかは、ぼたんの癖のあるしゃべり方を許容できるかどうかにかかってると勝手に思ってる。あれは、たぶんアニメ版を参考にしてるんじゃないかな。
あくまで個人的な感想だけど、残念ながら「風穴を開ける」までとはいかなかった。
良かったところ
アクションの部分に関しては多くの人が満足できる出来だと思う。原作では「闘技場の舞台をぶっ壊して、その破片に身を隠しながら空中で逆さの状態で霊丸をぶっ放す」といった非現実なアクロバティックなアクションが多数あるが、実写版では比較的現実的なアクションになっている。相手が人間ではないという状況で、上手にその場を利用して戦うようなアクションが主で、霊力、妖力を使った技の応酬的なものはあまりない。
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— Netflix (@netflix) December 15, 2023
ビジュアルも良かったですね。この辺りはかなり好みが分かれるところで、どうしても「コスプレ」になってしまいがちだが上手く馴染むように作られていた。気になる点ももちろんあるけども、概ね満足。妖怪の造形も「異形」で人間とは別次元の強さであることが視聴者にシンプルに伝わってきた。個人的には、稲垣吾郎演じる左京はかなりピッタリな配役で、上流階級の人間で、静かに狂っているミステリアスな男というのを体現していた。
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霊界の幻想的な雰囲気や書類の山だったコエンマの仕事場をスマートにした描き方は現代に合わせて再構築されていて良い。壺から巻物があふれ出てくるような魅せ方は映像化するうえでかなり苦慮した部分だと思う。
劇中に流れる音楽の中に、アニメ版の主題歌である『微笑みの爆弾』を入れてくれたのは明らかなファンサービスで良かったね。ただ、他にも名曲が数多くあるので、もっと使って欲しかったな。楽曲使用許可も、楽曲を流すタイミングも、なにもかも難しそうだけど。
悪かったところ
原作をよく知っているせいでもあるが、設定がハチャメチャに改変されているのが目についた。細かくは後述するが、開始数分で「大きな穴」が出てきた瞬間にマジで度肝を抜かれた。主人公の浦飯幽助は原作では14歳だが、実写版では17歳になっている。解釈の違いもあるが、ツッコミどころがめちゃくちゃ多かった。設定云々は原作ファンだからで、たぶんそこまで詳しくない人であれば気にならないかも。
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ストーリーが原作の1巻~12巻をごちゃまぜにして、面白そうな要素をピックアップしました、というような作り。全5話というかなり短い作品なので仕方がないという気持ちもあるが、かなり思い切ったやり方をしているなと思った。また、その改変によってキャラクター設定にも歪みが出てくるもので、細かいことは説明なしで放っておかれるので残念だった。
キャラクターへの感情移入がしにくい。これはストーリーと同様に短すぎるが故の弊害。原作は地道に長く絆や信頼を深めたり、修行や鍛錬を積んだ結果身につけた技だったりするのがいろいろと端折りすぎてすごくあっさりしすぎている。そのため、戸愚呂弟のセリフなんかも重みが原作と比べてかなり薄く感じた。
正直、原作への「愛」は薄いと感じた。全体的に「時間が足りない」ということが原因だとは思うので、もう少し長編にだったら原作ファンももっと喜べる形になっていたのではないだろうか。
ネタバレ無しの感想はここまでで終了。気になった方はこのままNetfixへ直行しましょう。
⚠ここから先はネタバレも含むのでご注意を⚠
以降の記述は原作、実写版含めてネタバレを含む内容となるので、未視聴の方はご注意を。また、自分が見落としていたり、勘違いしている部分もあると思うので、優しくしてくれると嬉しいです。
👉|設定が違うところや解釈の違いを感じた部分をテキトーに挙げる
前述してるのも含めるが、気づいた範囲で原作との設定の違いを列挙させてもらう。多すぎて、割と適当です。
冒頭で出てくる「大きな穴」。これは原作後半にある「魔界の扉編」に出てくるものの要素の1つ。実写版の主な舞台となる皿屋敷市ではなく、蟲寄市に開く穴なので、全く違う。
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上記の「大きな穴」から出てくる「魔回虫」が人間に入り込んで暴走、妖怪化してしまうので、それを防ぐために戦うというのが目的の1つとなるが、これは作中序盤の大ボス・朱雀が虫笛で操るもの。正直全然覚えてなくて、実写版オリジナルかと思った。
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主人公・浦飯幽助の年齢の違い。まぁ、実写化で14歳を描くのはかなり難しいし、14歳とは思えないキャラクターだから仕方がないところだとは思う。喫煙シーンがあるのは結構攻めてるなぁ、という印象。
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幽助の幼馴染・雪村螢子の髪型がツインテールじゃない。後で発生する火事が原因で桑原の姉・桑原静流にカットしてもらうことになるのだが、静流ごと丸まるカット。
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いじめられっ子の桐野。1話で幽助と対峙するために作られたオリジナルキャラクター。せっかくなら、似たようないじめられっ子のエピソードの松尾の名前を使ったら良かったのに。
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学校の先生の良心・竹中が不在。学校の中で螢子以外で唯一と言ってもいいくらい幽助と真っ正面から向き合った先生。原作では生徒の万年筆をパクって幽助のせいにしようとしたりする最悪の教師・岩本はそのまま登場。
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幽助がトラックに轢かれて死んだが、原作では陽キャみたいなカップルがわき見運転していたことが原因。また、実写版では「魔回虫」によって暴走したことが発端となる。幽助が助けなくても子供は助かっていたということも抹消。
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幽助の母親、浦飯温子と幼馴染の雪村螢子が死んだ幽助を前に語り合うシーン。つきっきりで看病したのは風邪をひいた時以来とエピソードを語るが、原作では悲しそうな顔をする螢子を見て温子が思い出すシーン。
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火事の原因は「魔回虫」が入り込んだ桐野が暴れているうちに漏れたガソリンに火が付いたという展開だが、原作では放火犯によるもの。この放火犯、結局捕まったんか謎。
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コエンマが常に人間界バージョン。ミュージカル版のようにするわけにもいかないだろうし、仕方がないか。ってか、コエンマ役の町田啓太がおしゃぶりしてるのにイケメンすぎる。
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復活の条件としてあった「霊界獣の卵」の展開は丸まるカット。原作では要所要所でキーになるキャラクターなんだけどな。
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「闇の三大秘宝」は「例の危険物」と呼ばれるようになっており、なんか脈打っててキモすぎる。なにあれ。
原作では霊界の「霊界大秘宝館」から盗み出したということだが、実写版ではよくわからん強奪犯から飛影たちが奪い取るような形になっている。また、「降魔の剣」は「こうまのつるぎ」ではなく「こうまのけん」と呼び方が変わっている……と思ったら、原作でもぬるりと変わってたわ。これ書いてて知ったわ。さらに性能も変わっていて「使用者が望む能力を与える」という『ジョジョの奇妙な冒険』の「矢」のようになっている。強力すぎんか。
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さらにさらに、その「降魔の剣」を使って飛影は第3の目を得たというような描写もある。魔界整体師・時雨が手術したとか手術代として「妹に会っても兄と名乗らない」という制約をしたとかその手術のせいで妖力を大幅に失ったとか、そういうエピソードは全部終了。
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剛鬼を倒すときに使った「霊撃輪具」は無し。まだ霊力が未熟な幽助向けのアイテムだったけど、剛鬼ナーフされた? というか、「霊界七つ道具」も全く無いものになってるな。
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蔵馬が南野家から離れることができなかった理由を「長く育ててくれた仮の母が病気になって倒れたときに妖怪としては異質な感情に気付いた」というだけになっている。母が身を挺して南野秀一を守ったことで、蔵馬の中に感情が芽生えたというようなきっかけのエピソードはカット。
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飛影が「氷泪石」を探しているけど、これは原作後半で明かされる話。というか、実写版だとなんで探してるのかあんまわからんよな。妹を探す手がかりとして追ってるくらいの認識か。
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突如として登場した「首縊島」。原作の「暗黒武術会編」の主な舞台となる島だが、左京の家があるという謎の設定で登場。ってか、あの「U」の先っぽみたいなとこに家を建ててるの、安全性皆無すぎるだろ。
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ギャンブル狂いの金持ち集団。「B・B・C」という名称が取り上げられる。また、原作で戸愚呂弟の実力を試すために犠牲になったヘレンちゃんは実写版では存在しなかったけど、あっさり殺された名もなき妖怪がヘレンちゃんだった可能性は否めない。
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幻海との修行は、弟子の選考会に潜入して、多数のライバルとの戦いを経て行われるが、実写版ではコエンマの紹介というコネを使って参加。原作では、桑原は幻海に弟子入りすることはなかった。修行のシーンは原作では描かれなかったので、新鮮な映像だった。
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原作で空に向けて霊丸を撃つのは幻海が殺されてからだが、実写版では修行の最後に見せつけるような形で実現している。ちょっとあっさりしすぎかな、という印象。
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幻海が全てを幽助に受け継がせるように「霊光玉」を渡すが、あまりにもあっさりしすぎている。原作では、幻海から「どんなことでも耐えられるなら、私を殺すこともできるか。殺す覚悟が出来たら来い」と言われて、苦悩の末に対面して「霊光玉」を受け取ることになる。受け取ったあとに、体がその力を受け入れるのにボロボロになるくらい重いモノなのに。
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鴉戦。実写版でもトリートメントしてるか疑問を持つ鴉は健在。でも、マスクを外してから金髪にならない鴉。「追跡爆弾」とか「地下爆弾」を映像で見せなかった鴉。なんでなん。
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そんなことより許せないのはその中で急に妖狐蔵馬になるところ。突然すぎる。しかも「この姿には二度と戻りたくなかったんだがな」だぁ……?
蔵馬はそんなこと言わない。
原作では裏浦島戦で予想外に妖狐に戻ったが、その際も「まさかまたこの姿に戻れるとは」というような驚いたような反応はしているけど、「戻りたくなかった」なんてことは言ったことはない。なんでこんなこと言わせるの。悲しいよ。
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「魔界のオジギソウは気が荒い」の後の忠告は、審判の樹里に対するセリフだったが、鴉への忠告になっている。
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シマネキ草を使った戦いは六遊怪チームの呂屠戦で披露されたもの。原作では鴉には通用しないという展開で、命がけで勝利することになるのだが、実写版ではあっさりと通用する。シマネキ草の仕込みもかなり荒く、スマートさを感じられなかった。初見でも「あ、なんか仕込んでるな」ってわかるくらいに不自然な動きをしていた。
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武威の斧の持つとこ、細すぎ問題。武威が五連邪チーム戦でズンッと斧を出すところ、めちゃくちゃ好きだからよく覚えてるんだけど、実写版細すぎだろ。飛影が溶かすこともできず、アクションで動かして斧を無力化することを考慮すると、実写版のようにデザイン変更するのがいいんだろうけど。
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武威が鎧を脱いだ時に、特に「妖力を抑え込むため」という理由は言っていないので、なんで装備してたのかがあんまりよくわからなくなっている。そして脱いだ時のビジュアルで髪の色が水色じゃない。なんでここは手を抜くんだろう。
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邪王炎殺拳もなにも披露してないのに突然出てくる「忌呪帯法」。邪王炎殺黒龍波という技名も無く、龍型の炎に焼かれる武威。邪王炎殺黒龍波の真の性能も隠されたまま。
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戸愚呂兄の変形シーンは無し。再生能力や体を一部変更するに留まっていた。これに期待してた人も少なくなかったのではないか。
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幻海の死。原作では桑原以外は知っている状況だったが、実写版では全員知らない。そのため、事実を告げられて、その怒りや幻海の言葉を思い出すことで幽助が一段階覚醒するという展開に。
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戸愚呂弟の爆肉鋼体は名称を失い、パーセンテージでの力加減もほとんど無し。特に説明なくなんかムキムキになったりするだけ。実写版ラストは100%の状態だとは思うが、原作のような異形さはなかった。原作ではさらに「フルパワー100%中の100%」という最終形態があるが、実写版では出ないので少し拍子抜け。
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戸愚呂弟が妖怪に転生するきっかけの話。潰煉に敗れたという部分では一緒だが、なんで戦うことになったのかが単純に「戸愚呂と戦いに来た」というだけに。実写版ではどうやって妖怪に転生したのかは全く語られないのがモヤる。
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公式が戸愚呂弟の強さを表現するのに「失うものがない強さ」と書いてる。幽助たちの強さを表現した「守るものがある強さ」の反対の意味として書かれたものだと思うが、自分の解釈とは少し違うかなと思ってる。戸愚呂弟は大切なものを奪われて、絶望の末に人間であることすらも捨てて力を手に入れた。そのため、書くなら「全てを捨てた強さ」の方が合っていると思った。
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『幽☆遊☆白書』予告映像公開! #北村匠海、#志尊淳、#本郷奏多、#上杉柊平、#白石聖、#滝藤賢一、#稲垣吾郎、#綾野剛 ら出演。
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) December 5, 2023
守るものがある強さと、失うものがない強さ。
幽助と最強の敵・戸愚呂弟がついに激突💥
12月14日より独占配信スタート!
#幽遊白書 #YuYuHakusho #冨樫義博 pic.twitter.com/yGj0YEaswp
🐷|観ながら思ったことを好き勝手に書く
単純に観ながら書いただけの感想コーナー。文句多め。
火事のシーンで、落ちてきた木の柱を支えるやつなんなん? 霊体のまま人間界の物に干渉するって何のフォローもないけど、ぼたんの「あんた さっき自分で使っただろ!」ってセリフが霊力を使って干渉したってことなのかな。原作ではそんなのはなかったような。こんなのできたら、あんまりよくないよね?
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原作のコエンマは「子供の姿なのに生意気な口っぷり」というコメディタッチの役割だけど、実写版は人間界バージョンの大人な姿のまま煽るから割とムカつき度は高い。
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原作では森で戦うという映えない剛鬼戦だけど、車ぶっ壊しまくりの派手なバトルになってていいね。まだまだ霊力が使いこなせてなくて、桐野戦と同様に喧嘩殺法でどうにかしてるにしては幽助の身体能力高すぎだけど。最後に剛鬼の口の中に棒を突っ込んで霊丸をぶっ放すのは原作と同様だけど、なんで最後のあの数秒間無抵抗なの。両腕がタイヤで動かせなくなってるとはあまり思えないけど、なんで?
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「暗黒鏡」のデザインはタブレットのように変わってるけど、中に入り込んで作用するみたいな仕様だとこれでもいいのかも。「2人で使って、命を半分ずつにすれば死ぬことはない」とかいう結構無理やりな解決方法は原作同様ながら意味不明すぎる。蔵馬へ「母親が自分のことで泣いてんの見たことあるか?」と投げかけて説得するのは映像化するとより訴えかけるものがあっていいね。
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「降魔の剣」の性能、なに。「使用者が望む能力を与える」って意味わからんすぎるし、それで飛影は邪眼の能力を得たの? 時雨いらないし、手術代の話も全捨て。かなり大胆なアレンジ。
突然の「首縊島」。左京の家、そんなとこに建てて大丈夫なんか。ヘレンちゃん生存ルート。そして戸愚呂チームが登場。四聖獣戦みたいになってきたな。
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幻海との修行。乱童は丸まるカット。残当。修行のシーンは原作ではすっ飛ばされていたので、完全にオリジナル。桑原は原作では修行をつけてもらってないから、全く新しい展開だ。「岩を割る」って修行、どこかの鬼殺隊がやってなかったか? 既視感がありすぎる。まぁ、他でもそんな修行はありがちか。
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霊剣が青いの、なんなん。原作でもアニメでも、青く描かれたの見た記憶はないんだけど、なんでオレンジ色じゃないんだ。映像的に見づらいとかなのかな。
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空に向かって霊丸を撃つシーン。原作だと幻海が戸愚呂弟に殺されたあと、落ち込んでる中でコエンマから幻海の伝言を聞いて、その返事としてぶっぱなす名シーンだけど、印象的だからこそちょっと使いどころが微妙だと思った。そして直後の「霊光玉」を受け渡すシーン。マジであり得ないくらいあっさりとしている。受け取る前の苦悩、そして継承することの重みを幽助が乗り越える大事なシーンなのに、「はい、どうぞ」「受け取ります。ありがとうございました」くらいに酷くあっさり。ちょっとガッカリ。
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幻海vs戸愚呂弟。逆にここは描かないんだ。ここに繋げる都合で「霊光玉」をさっさと渡したって感じすらある。
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戸愚呂弟が飛影に化けてたけど、原作だとそういう能力の使い方してなかったよね。巻原は例外として、姿を変えるのはできそうなのにやってなかったな。
蔵馬vs鴉。支配者級なし。爆発は映像映えするね。シマネキ草の仕込みがかなり荒かったけど、もっと見せ方なかったんか。鴉は金髪にならないし、蔵馬は急に妖狐になるし、「この姿に二度と戻りたくなかった」みたいな事言ってて、実写版の中でも結構酷いところ。ってか、シマネキ草で倒すんだったら「皮肉だね。悪党の血の方がきれいな花がさく…」を入れてくれよ。
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桑原vs戸愚呂兄。滝藤賢一の演技がかなり良い。特殊なキャラクターで難しい部分が多いと思うが、戸愚呂兄の残忍さと奇抜さをしっかりと演じ切っている。「さすがは俺の弟だ」の囁くような言い方は癖になる。どうやって退場させるのかと思ったけど、原作同様に戸愚呂弟に始末されたね。武器に変形とかするかと思ってたけど、無かったのが残念。
形態描写をおこなう不気味な妖怪・戸愚呂兄(#滝藤賢一)
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) December 6, 2023
「さすがは俺の弟だ」
Netflixシリーズ『幽☆遊☆白書』12月14日より世界独占配信スタート!#幽遊白書 #YuYuHakusho #冨樫義博 pic.twitter.com/RWiMKF0Mk6
飛影vs武威。武威はやっぱかっこいい。ここまで邪王炎殺拳とか使ってなかったので、突然出てきた「忌呪帯法」。ドラゴンが出てきてあっさりと勝利。なんだね、これは。それにしても、画面が暗くて腕の龍の模様が見えづらい。
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幽助vs戸愚呂弟。ド派手でいいねぇ。妖怪との戦闘経験が圧倒的に不足している実写版の幽助。場所が特段広くはない室内で、桐野戦と同じように身体能力で戸愚呂弟の攻撃を逃れつつ攻撃を与えていく構図。戸愚呂弟の驚異的なパワーを見せつけるように描かれている。合間で見せられる戸愚呂弟の過去話。妖怪へと魂を売った大きな原因となった潰煉の登場は当然だけども、どうやって妖怪化したんだろうか。原作では暗黒武術会の優勝特典で願いを叶えてもらったんだけどな。
そして原作ではありえなかった4人で戸愚呂と戦う展開。圧倒的パワーで蹴散らす中で、雪菜と瑩子を殺そうとする戸愚呂弟を止めようとするのだが、ここで飛影が無様に足にしがみついて止めてるところ。飛影はこんなことしないだろ。飛影なら真っ正面から攻撃してどうにかするイメージがある。初見の時はあり得なさすぎる行動でちょっと笑った。
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桑原が殺され、完全に覚醒する幽助。ここ、めちゃくちゃかっこいい。
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最後の全力霊丸。原作で言ってた「あんたの全てを壊して。オレが勝つ」は好きなフレーズだったから入れて欲しかった。それにしても、最後があっさりしすぎてる。
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戸愚呂弟の最期の「悪くないねェ」ってなにそれ。ちょっとダサさある。もう少し原作の言葉を使ったキメ台詞の方がよかったんじゃ。
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暗黒武術会じゃないから、幻海を生き返らせることできないじゃん。どうするんだろう。続編を作るなら、幽助と同じような理由付けして、無理やり生き返らせるとかやってきそう。
左京の死に様もそんなんなの。なんか展開が早い。
飛影があんなにハッキリ「仲間だ」って言うかな。あと、飛影が雪菜に「氷泪石」を渡してるけど、なに。
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霊界での幻海と戸愚呂弟のやりとり。幻海が若い状態のままじゃないんだな。ここの別れのシーンはなかなかよくできている。幻海と戸愚呂弟のやりとりは原作そのまま。「冥獄界」って言葉は出さないんだね。なんかすごいところに行っちゃうんだよって見せつけてもよかったんじゃ。
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最後に頭だけの状態で砂浜にいる戸愚呂兄。足が映って、誰かが近づくような、続編を匂わす感じだったらどうしようかとめちゃくちゃドキドキした。
おわった。
同じことを書くけど、「原作と比較しながら観る」というスタイルだったので、原作と違うところを指摘して文句を言っている部分が多かったと思う。文句は多いけど、こうやってまた作品を知ってもらえる機会を作ってくれた制作陣には感謝の気持ちはちゃんとお伝えしたい。本当にありがとうございます。幸いなことに、結構好意的な声が多いみたいね。もし、続編が製作されるなら喜んで応援するよ。
それでは。
おわり。
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