さぁ、ついに始まったーー『takt op.』を始めて1週間くらい経った話
無料アプリを利用してる途中や見ることで特典を得られる際に見させられる動画広告。多くの場合は「あまりにもつまらなさそうなゲーム」や「やってみたら全然違う内容のゲーム」ということでしょう。ただ、本作の広告は目を引くものがあり、ついつい事前予約をしてしまった。
執筆時のプレイ環境
これから記載していく感想は、あくまで私の環境での体験を基にしているため、他の方では感じないことが多くある可能性があります。そのため、先にプレイ環境を記載しておく。正直、昨今のゲームを動かす環境としては劣悪だと思ってる。
『takt op.』ってなんて読むの?
読み方は「タクトオーパス」……って、先に貼ったトレーラーに書いてあった。本作は2023年6月28日にリリースされたスマートフォン向けRPG。いわゆる「ソシャゲ」としては珍しく、フレンドの機能は存在しないどころか、普通にストーリーだけ進めているとプレイヤー名の入力すらないため、1人用RPGという感覚が強い。「ソーシャル」ではないスマホゲーム……? 全体的にスタイリッシュというかオシャレな雰囲気で、そのせいでアイコンの意味がわかりにくいのが玉に瑕。
スマホゲームといえば「ガチャ」が付き物だが、本作では「読譜」と称される。読譜の最高レアの排出確率が1.5%と、結構厳しめな設定になっている。ただ、読譜を45回以上行うとちょっとずつ排出確率が上がり、75回目で最高レア濃厚となる。読譜を行う直前には謎の演奏タイムがあり、上手く弾けるほど高レアが出やすいとされる(高レアが排出されやすいとは言っていない)。
2021年6月に初めての公式生放送があり、2022年に配信予定となっていたが、2021年11月にリリース延期が発表。翌月12月には開発会社変更され、合間に開発状況の報告やクローズドβテストを挟みながら、2023年5月の公式生放送にて、ようやくリリース日が発表されました。約2年の延期となりながらも無事にリリースと相成りました。めでたい。
サクッとストーリー概要
舞台は西暦2067年、音楽が失われた世界。突如として地球に飛来した黒夜隕鉄から生み出されるDespairDolls、通称・D2が人類の脅威となっていた。D2は音楽アンチで、音楽を奏でる人をボコボコにしてしまうので、「音楽」という文化がほとんどなくなってしまったらしい。そのD2の対抗するために結成された組織「シンフォニカ」は人間を素体とした戦闘兵器「ムジカート」を作り出し、指揮を行う「コンダクター」と力を合わせてD2と戦い続けることになる。
アニメ版との関係は? 観たほうがいいの?
アニメ版は、ゲーム版の20年前の話になっている。主人公は同じだが、いろんな事情で設定や性格には違いがあるらしい。リリースから約1週間後にアニメとのコラボがあり、まずは巨人が実装された。
私はプレイ開始時はアニメを観ておらず、執筆時点で2話までしか視聴していないが、特に問題は感じていない。それは主人公は記憶喪失となっており、登場キャラクターもほぼほぼアニメ版と違うため、別物として楽しむことが可能となっている。ただ、アニメ版を知っているからこそ、という部分もあるようなので「可能であれば視聴したほうがいい」くらいかもしれない。ちなみに、私が参加しているゲーマーコミュニティではアニメ視聴済みの方の悲鳴がよく聞こえてくる。
もし間に合わなかったという方は、Netflixで配信されているので、そっちをチェックしてもらえればと思う。
【追記】
アニメの公式アカウントが配信サービスの案内をしていたので貼っておきます。
なんて言ったって、最高クラスのビジュアルパワー
大きな魅力の1つがビジュアルだ。ムジカートごとに選択画面、調律画面、スコア強化画面でそれぞれ別々のイラストが用意されており、LIVE2Dという技術でぬるぬると動く。この労力は計り知れないが、素晴らしいクオリティとなっている。ちょっとずつ距離が近くなってく感じかな。ぜひとも全ムジカートを見てもらいたいし、自分も持っていないものを見てみたい。これを見るためだけに継続してプレイしてもいい、そう思わせてくれるほどだ。
「クラシック音楽」という、多くの人が無意識にでも触れたことのある題材
ムジカートは「クラシック音楽」を基にしているため、それぞれ曲名が名前になっている。「運命」はベートーベンのやつだし、「威風堂々」はE.エドガーのやつ。学校の授業や放送、なんとなく見ているテレビ番組やYoutubeの動画などでも耳にする機会があるような有名楽曲が数多く採用されている。曲名は知らずとも、聴いてみたら「コレか!」と思うこと間違いなし。ガチャで引いた際やムジカートの強化画面などでは対応する楽曲が流れるため、音を出しながらプレイすることをおすすめする。音楽はピアノの演奏動画でも有名なまらしぃで、クオリティは保証されている。
戦闘システム
戦闘システムは4人パーティでターン制コマンドバトル。行動を選択して、上部のゲージが溜まると必殺技が撃てたりする。コマンド選択式では珍しく防御の選択肢がないので、基本的に攻めることが多くなる。
キャラクターにはそれぞれ所属する「陣営」と「役割」が設定されており、戦闘ごとに有利な陣営や役割がバラけるようなパーティ編成をする必要がある。リリース開始直後の感覚だが、最高レアのキャラクターでなくても、いわゆる低レアのムジカートにも光が当たるようになっている。組み合わせによってはパーティを底上げするようなバフ効果を撒いたり、恩恵を受けることで活躍することができる環境が用意されている。
他のゲームでよくある「オートバトル」は2章クリア後に解禁されるようで、気が付くと戦闘中に左上にボタンが追加されている。特に説明がないのがちょっと不親切かもしれない。
日常パート
ミニキャラで描かれたかわいい世界を歩き回ることができる。ただ、視点変更ができないため、一部見づらかったりする。また、右上の地図のようなアイコンを押すことでファストトラベルが可能になっている。ここからムジカートがどこにいるかも検索出来たりと、地味に便利。でも、この機能の説明はない。
ムジカートに話しかけるとキャラごとのエピソードが見れる他に、「ムータカード」というミニゲームができる。トランプの「ババ抜き」そのものなのだが、これがめちゃくちゃ面白くない。他にもミニゲームが用意されており、音符を並べたり、飲み物を作るようなものが用意されている。たぶん自分が悪いんだけど、ルールがよくわからないのもあって、ちょっと謎。面白味はそんなにない。
「未完成感」を抱かせる触り心地
「とりあえず遊べるようになったので出した」という感じがあり、感覚的には完成度が70~80%くらいに思った。細部はこれから整えたり、要望で改善したりという流れになりそう。以下に、個人的にちょっと気になった部分を挙げる。
ローディングがめちゃくちゃ多い
ゲームの作り上仕方ない部分なのかもしれないが、場面によっては各メニューの遷移やマップの移動をするたびに数秒のローディングが差し込まれる。あまりスマホでいろんなゲームを触ってきたわけではないが、ここまで細かくローディングが入ってくるものは見たことがなく、非常テンポが悪く感じてしまった。誤ってなにかしらボタンを押してしまった際のストレスも大きい。
バーチャルパッドが左側のみで、片手でプレイすることが難しい
本作の移動方法には「バーチャルパッド」が採用されているが、初見では存在に気付かないほどうっすらと存在している。これは画面の左側1/3くらいが反応する範囲のようで、両手が使えない状況ではプレイがしにくいのが地味にツラい。いや、そんな状態でプレイするなよって感じかもですが。
戦闘開始時の演出と終了時の余韻がない
一番と言えるかもしれないほど気になっている。ストーリー中、D2と接触することで戦闘に突入するのだが、ぶつかった瞬間にぶつ切りでローディングが入り、戦闘画面に遷移する。これだけビジュアルにこだわっているのに、なんかここだけないがしろになれているように思った。戦闘終了時も、戦闘の種類によるが終わった瞬間にぶった切ってローディングが入り、マップに戻る。『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』なんかで慣れ親しんだこともあるが、なんだか味気ないなぁ、と思ってしまった。
自動的に周回させる機能で、選んだ回数分の消費指揮力にしてくれない
たぶんかなりどうでもいいところではある。「定期指令」という素材集めをするクエスト群は条件を満たすとスキップすることが可能となっている。最大で5回分スキップできるのだが、消費指揮力の部分は1回分のままになっている。回数分の数値になって欲しいよね、というささやかな思い。
全体的に反応が悪い?
なんだかボタンが反応しなかったりすることが多い感じがする。「ティーブレイク」をスキップしたときの待ち時間や「ムータカード」のスワイプなど、なんだかテンポの悪さも感じる。そんなことない? 端末のせい?
まだまだ課題はあるが、可能性を大いに秘めているソシャゲ界の超新星
端末の空き容量を切り詰めて、なんとかぶち込んだゲームだが、なんだかんだインストールしてよかったかなと思った。ムジカートのレベル上限はプレイヤーのランクに依存しているため、最高レアを手に入れてレベルを上げて無双ということはできない仕様になっている。自分がプレイしているものだと『プリコネR』に感覚が近く、毎日少しずつ強化していくことが大事になる。
ムジカートの強化素材が無限に足りなかったり、ランクアップしても指揮力がMAXに回復しなかったり、やることに対して指揮力が無限に足りなかったりと、まだまだ改善点が多い作品ではあるものの、強烈なビジュアルや耳馴染みのある音楽など、プレイし続けて「先が見たい」と思わせるパワーは持っている。今後も新しく実装される楽曲や新展開などにも期待。気になった方は、初めてみてはいかがだろうか。サーカスギャロップちゃん、たのむ。
それでは。
おわり。
あなたが私をサポートすると、私はあなたからサポートされることができます。