才能爆発!?『HITMAN2』で天職を見つけた男
ヒットマン。それは「殺人」を生業とした「殺し屋」のことだ。まさか、自分の天職が、自分の居場所が、自分の生まれてきた理由がここにあるとは思わなかった。ちなみに、同様に「暗殺」を行う「アサシン」という言葉もあるが、「ヒットマン」はお金を払えば誰でも始末するのに対して、「アサシン」は政治関連の暗殺を大義のために行うような違いがあるとかないとか。知らんけど。あと、家庭教師でもない。
あ? 貴様のドリンクに殺鼠剤入れたろか!!??
『HITMAN2 』とは「ヒットマン」になれるゲーム
『HITMAN2』は2018年11月15日にPS4、XBoxOne、PC向けにリリースされたステルス暗殺アクションゲーム。「HITMAN」シリーズは1作目が2000年にPC向けにリリースされた人気作品。本作は全体で言うと7作品目、「HITMAN」のリブートプロジェクトとしては2作目にあたる。
プレイヤーはバーコードハゲこと伝説の暗殺者・エージェント47となり、様々な依頼を達成しながら47の過去や「プロヴィデンス」という組織の謎を知ることとなる。
後頭部にバーコード
2007年、2015年には1作目を原作とした実写映画化もしているので、ゲームは知らなくてもこちらは知っている人がいるかもしれない。
以降の感想については基本的にPS4版のキャンペーンモードを対象としているので留意いただきたい。
前作をやってなくても大丈夫?
ストーリーは前作からの続きなので、本作から入るとわからないことが多い。しかし、最初に軽く「前回までのあらすじ」があるので、前作を未プレイでも問題はないと思われる。実際に自分も前作を未プレイだがなんとなく進められている。ストーリーをしっかりと追いたい人は、当然前作をプレイしたほうが良い。ちなみに「HITMAN」シリーズは3部作となるので、本作ですべて完結すると思っていると肩透かしを食らうだろう。
前作『HITMAN』の内容を『HITMAN2』でも遊べる!?
条件付きだが、本作で前作もプレイすることができる。条件は「前作を持っていること」だ。いろいろと分かりづらいが、『HITMAN2』のシステムで『HITMAN』のマップが遊べるのだ。これは最新作の『HITMAN3』でも同様で、『HITMAN』『HITMAN2』を持っていれば『HITMAN3』ですべてプレイすることができる。本作を少し触って気に入ったのなら、『HITMAN3』を買って、最新作ですべてを楽しむのが一番良いかもしれない。
下記ページには複雑怪奇なDLCまみれの本作の解説があるので、よくわからない人は読んでみると良いかもしれない。現在は各DLCをバラバラに買うことはできないため、約5000円の拡張パスを買わなければならないのが辛い。
2019年2月には前作『HITMAN』が100円となるセールをやっていたので、実は持ってる人も多いかもしれない。自分もすっかり忘れていた。『HITMAN』をインストールして、起動。最初のミッションを軽くクリアして(クリアしなくてもいいかも)、メインメニューへ。ストアの「レガシーパック」をインストール。『HITMAN2 』をインストール済みだと「もうインストールしてます」ってのがでるかもしれない。
『HITMAN』の画面
その後は『HITMAN2』を起動して、ストアに「レガシーパック」があることを確認する。キャンペーンの「HITMAN」を選ぶとダウンロード中とかになっているので、待つ。できる。嬉しい。それにしても、『HITMAN2』から入ると手順がめちゃくちゃ分かりづらい。一応公式の指南はこちら。
元々「購入する」だったのが「ダウンロード中」に。
優秀な「仕事人」は余計なことをしない
本作と同様に、広いマップを舞台に大暴れができるようなゲームは多い。代表作としては「GTA」こと『Grand Theft Auto』とかだろうか。まさにやりたい放題な作品と一線を画するのは「ヒットマン」という職業の設定。本作ではステージクリア時にスコアや評価が表示されるのだが、いかに見つからず、早く目的を達成できるのかが重要な要素となる。その中で、ターゲットとなる人物以外の殺傷は減点となってしまう。私の中の「モンスター」が暴れだしかけてしまうが、どうにか抑えつつクリアしないといけない。たとえバレそうになっても焦らずに、落ち着いた行動が大事。
慌てず、騒がず、ゆっくりと暗殺。
お兄さんとの約束だ。
お手本
非対象殺傷ペナルティ -165,000
美しく、リアリティのある暗殺の舞台が凄まじい
上にある動画は「マイアミ」を開始する際に流れるオープニングだ。美しい映像に加えて、どんな舞台なのかがわかるように1分ほどの解説がある。そこから流れるようにゲームプレイに入ることができるのがすごい。まさに映画を操作している感覚。前作『HITMAN』には日本の北海道のマップもあったのには驚いた。
ミッション中は格好によっては周囲から怪しまれ、一気にピンチとなる。現実でもそうだが「関係者以外立入禁止」の場所にTシャツ短パンのハゲがいたら怪しさ満点だろう。即通報。その場に適した服装や振る舞いをしなければならないというリアリティもかなり魅力的。いかに適した格好とはいえ、作業員が不自然に走り回ってる姿を怪しまないのはご愛嬌。
アシストは丁寧だが、ゲーム慣れをしていないと難易度は高い
ゲーム中、目的地までの距離や画面上に何をすれば良いのかが常に表示されているため、困ったらその通りに動いていけば基本的には問題ない。R1ボタンを押すことで壁や床を透過して人物の動きを見ることができ、なにか動かしたりアクションができるオブジェクトは黄色く表示されるので、周りを見渡した際に何か攻略のきっかけを見つけることが容易となる。ただ、対象が非常に多いので悩むことも多い。わからなかったら、とにかくR1を押して、赤く表示されているターゲットに向かって暗殺すれば良い。
看板の「B」あたりにある赤いのがターゲットだ
序盤の「ICA施設」や「ホークスベイ」は舞台となるのは1つの建物や施設となっており、なんとなく全容が掴みやすいのだが、一歩進んだ「マイアミ」は一気に大きな舞台となる。大きなレース会場に加えて少し離れた場所にある地上4階建ての施設。縦にも横にも広く、人も多い。そう簡単に暗殺は行えず、どこに何があるのか、どうやって道が繋がっているのか、変装はどこでできるのか、暗殺のタイミングはいつなのか……悩みは尽きない。
こまめにセーブを!1ステージの初クリアにかかる時間は30分前後
初見で1ステージをクリアするのに、攻略情報も見ずに手探りでプレイしてだいたい30分くらいかかる。体感としては「あ、そんなにかかってた?」と思うような感じで、長かったと思わせないゲーム体験ができる。
難易度は「カジュアル」「プロフェッショナル」「マスター」の3種類となり、いわゆる「EASY」「NORMAL」「HARD」という感じだ。それぞれセーブ回数や監視カメラの有無、敵の数などが違うので、初見は「プロフェッショナル」で、2回目以降は「カジュアル」でステージや暗殺方法、ミッションストーリーを楽しむと良いと思う。「マスター」は完全に上級者向けなので、無理してやらなくても良い。
キレイに難易度選択並べようと思ったら
上手くいかなかった(1敗)
プレイ中にはオートセーブ機能もあるが、何か行動をする前には手動でセーブをすることをおすすめする。ちょっとしたタイミングのミスで大きなチャンスを逃すことも多いため、保険をかけておこう。下手すると最初からやり直すハメになるぞ。
8つのセーブスロットはパンパンに。
様々な「暗殺」を行う「チャレンジ」についてはYoutubeなどでお手本がいっぱいあるので、それを参考にプレイすると良い。ただ、動画の通りにやれば間違いなくできるので、手探り感が損なわれるため、見るかどうかは各々のプレイスタイルに委ねる。
「殺り方」のバリエーションは豊富
「仕事」ができれば手段は選ばない自由な職場
「仕事」の「やりかた」は基本的には自由だ。目的さえ達成できれば、それまでの過程はなんでもあり。銃で撃つのも、トイレの便器で溺死させるのも、首を絞めるのも、飲み物に毒を入れるのも、戦闘機の脱出システムで空高く吹っ飛ばすのも、アジトに電車を突っ込ませるのも、なんでもOK。とにかく「仕事」ができれば良い。
あらゆるものが武器となり、そのへんにあるお魚さんも投擲アイテムとなる。頭に一発でおさかな天国へGoだ(死なない)。
思いっきり投げよう
ついやりたくなってしまう、絶対にやってはいけない選択肢の誘惑
本作では状況に応じて様々なアクションを選択することができる。「押さえ込む」や「毒を入れる」などのアクションや、他にはヒゲ剃り屋に変装して「対応する」か「断る」なんてのもある。そんな中、ボディチェック中に「殴りかかる」というアクションが選択できる。
絶対ダメだよ。でも、私の中のモンスターが……。
やめて……!
あぁ……っ!
おらァ!!
よっしゃァ!!
やっちゃった
シリアスとユーモアが共存する、3Dアクションゲームとしては最高峰の名作
映画的な演出や音響など、ゲームでここまでできるかと思わせるような作品。「ヒットマン」という要素もしっかりと含まれ、プレイしていてストレスが溜まるのは若干長いロード時間と○と✕ボタンの決定/キャンセルがゲーム中とPS本体の操作で変わること、個別のDLCが販売終了していることくらいだろうか。また、リアリティの中にもユーモアのあるシーンもあるため、そういうのも面白い。
敵の動きをじっくりと観察して、試行錯誤しながら目的を達成する、という体験が好きな人には特におすすめだ。先に書いたとおり、私の中には「モンスター」が潜んでいるので、ダイナマイトで全部ぶっ壊すというようなド派手にサクッと終わらせたいタイプの「モンスター」を心に飼っている人には合わないかもしれない。だが、私も最初は「難しいし、性に合わないな……」と思ってましたが、だんだんと操作にも慣れて、変装のタイミングやアイテムの場所などがわかってくるとのめり込んでプレイできるようになったので、とりあえず触ってみるのも良いかもしれない『HITMAN3』もぜひともプレイしたいところ。
あまりプレイできていないので書いてなかったが、ユーザーが自由にターゲットを指定し、ミッションを作ることができる「コントラクト」というモードがある。これにより、『HITMAN2』の世界は無限に楽しむことができるのも、また未知なる強みだ。
変装中
と、言うことで天職を見つけた
いろいろな「仕事」を経験した私は今、ムンバイの屋台で働いてます。結構繁盛していて、毎日大変ですが楽しい日々を送っています。「ヒットマン」なんかより、こっちの方が性に合ってるかもしれない。みなさんも、ムンバイに訪れた際には私を見つけてみてください。
オイシイよ
それでは。
おわり。
トロフィー山盛りの本作は、
流石にトロコン予定ないですね……