Nobu Atobe

「自分の取り扱い説明書」をつくるお手伝いをしています。こちらでは婚活を通して自分の取説…

Nobu Atobe

「自分の取り扱い説明書」をつくるお手伝いをしています。こちらでは婚活を通して自分の取説をつくる「ねじれ女子婚活物語」を掲載しています。どうぞよろしくお願いいたします。

最近の記事

1人で生きる覚悟の人とそうじゃない人 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

月曜日。 朝のミーティングには本社から山本部長が参加していました。 黒くて長い髪をうしろに結んで、縁無しのメガネをかけています。 ベージュのスーツを着て、できるオンナのオーラが漂っています。 「今日から3日間、パート社員の更新面接と、女性社員のキャリア面接を行います。今日の午後からパート社員の面接で、終わり次第女性社員の面接を行います。ヒアリング用のプリントがあるので、こちらに書き込んでもらって、面接の時に持ってきてくださいね」 山本部長はゆっくりとした口調で言いました。

    • 第十七話 あなたの本当に好きなことは?

      「自分に合う、かあ‥ 自分のことは、行動してみないとわからないことばっかりだなあ。」 「そうなんだよ。自分の好きなことはこれ、とか思っていたけど、行動したら違ってた!っていうこともよくあるよね。 お金をたくさん使ってようやく自分の好きなことが分かったりとか、たくさん失敗をしたからこそ、自分にとっての正解がわかってきたりとか。大切なのは、その地点から、次は何を選んで進んでいくか、なんだよね」 「失敗するのって、嫌だし怖いよね。でも進まなかったら、歳をとっていくだけ、だもんね

      • 第十六話 一歩一歩進むということ 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

        次の日の日曜日。 マリエさんは全国でも有数の大手結婚相談所に来ていました。 婚活をしている人なら誰でも知っている会社です。 ホームページを見て、料金的にはちょっとお高め。 でも、専用アプリのほか、相性診断、自動マッチングシステムやお役立ち情報随時更新ブログなど、サービスがたくさんある。 そんな印象でした。 出迎えをしてくれた椎原さんは歳が50代後半ぐらいで、優しい笑顔の方です。 左手の薬指には結婚指輪をしています。 「お待ちしておりました。こちらにどうぞ」 マリエさ

        • 第十五話 頭の中にあることを先に済ませる 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          ファッションビルの中は、前回と同じようにたくさんの人で賑わいをみせていました。 マリエさんがスタバの方に向かおうとすると、りーくんの声が聞こえました。 「今頭の中にあることを後回しにしないで先に済ませていくと、物事は進んでいくよ」 「スタバじゃなくて、ワンピースのことね?」 「頭の中がぐるぐるしていて、スタバで美味しいもの何か食べても、心から味わえないでしょう?ワンピースが気になって。」 スタバでの食事は一人暮らしのマリエさんにとって決して安くはなく、ご褒美的なものなの

        1人で生きる覚悟の人とそうじゃない人 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

        • 第十七話 あなたの本当に好きなことは?

        • 第十六話 一歩一歩進むということ 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

        • 第十五話 頭の中にあることを先に済ませる 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          第十四話 自分が居心地の良い結婚相談所とは? 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          「えー、ほんとに?マリエさんだったら、サークルとか、なんか合コンとかがあれば全然大丈夫だと思うよ。 焦らなくても大丈夫だよ。まだいろんな人と会って、その中から決めればいいじゃん」 「いやいや、この間説明を聞きに行ったんだけど、もうほんとに、私の年齢だと婚活市場的には厳しいんだって。 すごくリアルにおしえてもらったのよ。」 「婚活市場?なにそれ?? えー。でもマリエさんがそんなのだったら、私なんかどうなるの?」 ゆきこさんはおかずの卵焼きを箸で挟んだまま動けないようです。 結

          第十四話 自分が居心地の良い結婚相談所とは? 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          第十三話 心が満ちたりてくる時 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          (心と体がつながるって、どんな感じなんだろう?) マリエさんは最後の一口のキッシュを美味しく味わいながら、そう思いました。 結局マリエさんは、何も買わずにアパートに帰ってきました。 あのピンクのシフォンのワンピースのことは、ずっと気にはなっていましたが、 購入に至る決断をすることは、今は無理そうな感じだったので諦めたのでした。 床にペタンと腰を下ろして、窓を見上げてみると 美しいオレンジ色の夕陽が今にも沈んでいくような情景がみえました。 マリエさんは少しの間、それをボ

          第十三話 心が満ちたりてくる時 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          第十二話 心と体がつながるために 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          (あー 私って、なんか、いつも、こうだよなあ。自分で自分のことがよくわかってないって、どうなのよ?) マリエさんの、 いつもの自分責め思考です。 「マリエさんは、僕に出会う前より二キロ痩せたよね。最近はウエストあたりに余裕もあるくらいだし」 りーくんが突然言いました。 「あら、そんなところまで見てるの? うん、なんか、体が軽くなったから、前よりも気持ちも軽くなった気がする」 「自分を責めないこと。マリエさんは、何も悪くない。ほら、マリエさんは、本当に欲しいもの、一つクリ

          第十二話 心と体がつながるために 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          第十一話 私の本当に欲しいものは 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          「どこにいるの?」 マリエさんはその頭に聞こえる声に、頭の中で聞き返しました。 「今はね、空の上。マリエさんのおばーちゃんと一緒にマリエさんのこと見てる」 「え、ばーちゃんもそこにいるの?」 「いるよー よくがんばった、マリエ って言ってるよ」 マリエさんはなんだか泣きそうになりました。 「ばーちゃんと私は、話ができるの?」 「それは、ちょっと無理なんだ。僕が通訳をするから、大丈夫だよ」 なんとも不思議な話ですが、そもそもリーくん自体が不思議なので、もうそっちは

          第十一話 私の本当に欲しいものは 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          第十話 自分も相手も開いていく 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          「ちょっと厳しいことかもしれませんが、年齢が高くなってくるほど婚活は厳しくなってきますから、 マリエさんは覚悟を決めてうちにこられたんだと思いました。 是非、ご検討してみてくださいね。 婚活で非常に重要なのが年齢です。 なので、マリエさんは今が一番若いからこそ、行動されるのをお勧めしたいです。 あと、婚活に役立つ情報もいろいろありますから、ちょっと資料をお持ちしますね」 大西さんは、プロフィール写真の服装や、お見合い、交際に関してなど、その他いろんな資料を丁寧に話しながら

          第十話 自分も相手も開いていく 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          第九話 覚悟を決めるとドアが現れる 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          「お花見をね、結婚して退会された会員さんたちと毎年しているんですよ」 奥様の豊子さんがニコニコしながらお菓子とコーヒーをマリエさんに勧めながら言いました。 「え、退会した会員さん達とお花見ですか?」 驚いたマリエさんが聞き返すと 「そうなんです。ハッピーウェディングクラブのクラブ、というのは、退会されても末長く関係が続けばいいな、という意味合いが含まれているんですよ」 と大西さんが言いました。 (普通だったら、退会したら、ハイ、それまで っていう感じなんじゃないかと思っ

          第九話 覚悟を決めるとドアが現れる 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          第八話 サクラ色の新しい未来を「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          「話を聞きながら、その人の特徴を把握してお見合いの相手を探してくれるって、そんな結婚相談所があるの?」 「うん。それが明日行く、ハッピーウェディングクラブっていう結婚相談所」 「そうなんだ」 リーくんがマリエさんの膝の上に乗ってきました。 マリエさんはその背中を優しく撫でました。 りーくんは気持ちよさそうに目をつぶってじっとしています。 黒くて柔らかな りーくんの毛はふんわりとしていて、マリエさんの心を癒してくれました。 「いきなりうさぎさんが話しかけてきたり、こ

          第八話 サクラ色の新しい未来を「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          第七話 自分の心の癖に気がつく 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          (私は、何を 信じていたんだろう?) マリエさんは車の中で号泣しながら、どうにかアパートの駐車場につき、急いで部屋に戻りました。 マリエさんの顔は涙で化粧がとれてぐしゃぐしゃになっていました。 部屋のドアをあけ、スニーカーを脱ぎ、マリエさんはリビングの床に座り込みました。 頭の中ではさっき見たタカシと横にいた女性が、まだぐるぐると回っています。 (可愛い人だったな。でもタカシは、仕事が忙しくなるから、なかなか会うことも難しくなってくるから、一度別れよう って言ったん

          第七話 自分の心の癖に気がつく 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          第六話 マリエさんの元彼 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          (ちょっとぷらっと行ってこようかなあ) 明日は初めての結婚相談所に行く日曜日です。 予定のないマリエさんの土曜日は、いつものように暇な時間がたっぷりあります。 マリエさんの土日の過ごし方はだいたい近所のショッピングモールをうろうろして、 スタバでおひとりさまのお茶をすることでした。 スタバのニューヨークチーズケーキが大好きで、いつもはそれを目当てに行きますが 現在ダイエットでようやく2キロほど体重が落ちています。 (うーん、クッキーで我慢という手もある。ま、とりあえず

          第六話 マリエさんの元彼 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          第五話 私のココロの断捨離 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          会社のランチタイム。 皆がパラパラとデスクからいなくなります。 マリエさんとゆきこさんは相変わらず二人でランチタイムです。 マリエさんの今日のランチは、早起きして作ったお弁当でした。 中身はごはんと卵焼きと鮭の塩焼き、キャベツのマリネ、ミートボールです。 キャベツのマリネはダイエット用に多めに作って冷蔵庫に常備するようにしました。 先週の土曜日に自分の体重の数字を見たときの、あの愕然さは、今もずっしりと心に残り、 スカートのファスナーがきついのもお尻がぱつんぱつんなのも

          第五話 私のココロの断捨離 「ねじれ女子の婚活物語」〜38歳OL マリエさんの場合

          第四話 体重という年月の重み

          愕然としているマリエさんに気がついたのか、よしこさんが少し困った微妙な笑顔で 「ごめんね、ついつい嬉しくてこんな話しちゃった。マリエさんは最近はどう?」 「絶賛彼氏募集中です‥」 ぼそっと呟くマリエさんに、よしこさんはニッコリして言いました。 「仕事はいつでもできるけど、結婚は年齢もあるし、いつでもはなかなか難しいから、したいって思ったら即行動よ。 由美も腹括ってやってたわ。」 (そうなんだ‥ 私、自分のこと、まだまだいけるって思ってた。 結婚相談所はモテない人が行く最

          第四話 体重という年月の重み