民間療法の弱点と利点
民間療法は全ての医療の原点
いまでも生き長らえている民間療法で行くと、「喉が痛いときに長ネギを首に巻く」とか、「頭が痛いときにはこめかみに梅干しを貼る」これはもはや死にかけの療法ですかね。世界中を津々浦々歩けば、かなりの量の民間療法が存在しているはずです。
医療は元をたどれば、すべて民間療法からスタートしてます。大昔に、怪我をした人、体調が悪い人などを助けてあげるために、身近なものを活用しようとしたことから発祥しています。
いまでも、インディアンやシャーマン、アボリジニーなどの土着の民族は、劇的な効果のある薬草を使用したりします。
日本などの先進国などでは、効果が高いものは医薬品認定されてしまって、自由な流通ができないので、そんなに効果があるものが手近には残っていません。
植物の効果はピンからキリまで
植物というと、現代では、「安心、安全」というイメージがありますが、とんでもないことです。毒キノコ、トリカブトなど生死に関わる植物もありますし、ニラとスイセンを間違えたなどとたまにニュースになりますが、危険な植物は世界中に山ほどあります。
抗がん剤も植物を起源とするものもありますし、薬は植物の成分だったり、それを模したりするものも沢山あります。漢方はもろ植物だったりしますね。コカイン、アヘン、大麻などドラッグと呼ばれるものも植物由来が多いです。
植物だって種の保存をしていきたいわけですから、誰かに食べられる用に作ったものは置いておいて、根や幹や葉などは、動物や虫に食べられると命を脅かされるので、色々な物質で自衛をするのはごく自然なことです。
民間療法の弱点とは
民間療法は、主に植物(薬草)を使うわけで、私は大好きな分野です。ただ、民間療法は集落とか町単位で治療をするのに使われたわけですので、手近な材料が使われます。故に、劇的な効果を期待するのは現代では特に難しくなってきています。
都合よく、その病気に効果を出す植物がそばにある訳ではないからです。野放しの大自然やジャングルの中に住んでいたら、まだ材料はいろいろありそうですが、それはもはや民間療法とも言えないでしょう。
結局、医療という競合に市場を取られて、民間療法は姿を消しかけています。人類が長年のトライアンドエラーでみつけて、長い物なら何千年と生き長らえて来たものですから、無碍にはできないません。
論理的な説明が見当たらなくても、何か理由があって、何かしらの効果があって残って来たと思うのが自然です。真の医療という次元から、いまも残る民間療法を眺めると、そこに真理へのヒントが隠されていたりするのです。