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食品の開発をがっちり3年したことがあります。その時に、食品の歴史は菌との戦いなんだな~とつくづく思いました。

菌の問題は、人間と切っても切り離せないので、中学か高校くらいの必須科目として教えても良いくらいだと思います。

人間は当たり前ですが、食べないと生きていけません。狩猟民族でも、農耕民族でも、冬場は食料が取りずらい。また、定期的に飢饉なども起こります。だから、人間が生き続けるためには、沢山取れた食料を、将来に備えて、いかに保存するのかが大切になってきます。

そのときに考えないといけないのが、菌の問題です。当然、食べ物は放っておくと、菌に食べられる(腐る)訳です。

そこで人間は苦労して、色々な保存方法を発見してきました。

乾燥・・・水分がないところでは菌は増殖できません。

塩蔵・糖蔵・・・なめくじに塩をかけるように、塩や砂糖の濃度が高いと、菌は体の水分を奪われて生きていけません。糖蔵で有名なのはジャムです。

発酵・・・発酵させて別の菌が強くなると、腐敗菌が活躍する場がなくなります。醤油、納豆、味噌、漬物、酒類、酢などですね。

燻製・・・煙でいぶすことで菌にとって居心地の悪い環境にします。

酢漬け・・・酢の酸性が強い環境も菌は苦手です。ピクルス、しめさばなど。

また、近代になって発明されたのが、缶詰と、冷凍です。缶詰は密閉したあと、加熱で完全殺菌するので、開封するまでは無菌状態になります。冷凍状態ですと、菌も凍りますので、菌は増殖できなくなります。

ちなみに、加熱殺菌は、通常の菌は80度10分くらいで死滅しますが、芽胞金という何かあると殻に閉じこもるタイプの菌はそれでは死なずに、120度4分とかの殺菌が必要です。


色々な保存方法を見て来ましたが、我々の食事は、実はこの保存方法の歴史の上に成り立っているのです。米や小麦などの保存が利く食事が、主食になっていますし、伝統的な食事は、色々な保存方法の上に成り立ってきた素材を使うことが多くなります。

近年でこそ、冷蔵・冷凍輸送技術が進化して、新鮮な魚やお肉をどこでも食べれるようになってきました。でも、まだまだ、私たちの食事のベースはこの菌との戦いに勝った保存の歴史の上になりたっていると言えるでしょう。

逆に言えば、色々な保存方法ができる昨今は、我々の食事は根本から変更できる可能性があるのです。

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