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「酒は百薬の長」とは、前漢の歴史書「漢書」に記してあった言葉だそうです。ただ、なぜそうなのか?という、そこに付随してる理由などは記してありません。

ただ、この人が書いてくれたお蔭で、私のような世界中の酒好きにとっての、心強い言い訳に使われているのは確かです。「飲み過ぎ注意」ってよく言われますが、「いやいや薬だし~」とわずかに心の中で反論できます。

「徒然草 」にはお酒に関して、「百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそ起れ。」と、お酒は万病の元と言われています。確かに、お酒というのは基本的には、人間にとって、有害物質です。

だからアルコールを摂取すると、肝臓が真っ先に毒素の分解作業を行います。特に病気の療養中の人などは、体のエネルギーを癒すことに集中的に使わないといけないので、あまり飲み過ぎない方が無難でしょう。

しかし、この「百薬の長」といわれる由縁はどこにあるのでしょうか?!

私は昔の衛生状態に由縁があると思います。日本や中国でも、近年までの死因の多くは、衛生状態に起因する、菌やウイルスによる感染によるものでした。明治時代に、日本を旅した外国人も、一部の大都市を除き、地方の不衛生さには辟易したそうです。

食べ物も菌汚染されて不衛生な時代は、アルコールの殺菌力というのが一助になったと考えられます。アルコールは低濃度でも多少の殺菌力が認められます。ワインや日本酒くらいの濃度があれば、充分に効果を発揮します。

腐りやすいお寿司も、日本人が、わさびやガリ、緑茶などの抗菌力の高い食べ物と一緒に摂取するようになったのと一緒です。

不衛生時代には、アルコールを食事と一緒に摂取することで、菌感染による病気の予防に一定の効果があったのではと思います。だから、衛生状態が良くなった現代においては、「酒は百薬の長」とはますます言えなくなってきている気がします。(残念)

それでも、お酒は人生を楽しくします。メンタルへの貢献度は大きい!という言い訳で、今週もしっかりお酒を飲んで行きたいと思います!

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高橋伸嘉(のぶよし)|自然細胞科学研究者/(株)ルクセス代表/僧侶/
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