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進化の主役はウイルスだった。

ウイルスって悪者のイメージしかありませんが、実は進化の主役を担っていたのはウイルスだった!というお話です。

テストの答えがわからないときに、
「出題者の意図を考えよう!」って1回くらいは聞いたことがあるかもしれません。

作られたものには、すべて作り手の意味や意図が隠されているのです。
そこでふと、ウイルスが作られた意図を考えてみます。常識の知識だけだと「必要なくない?」となってしまうのがウイルスなんです。

ウイルスは食物連鎖の一因を担っているわけでもありません。
ただ、どの生物も、持ちつ持たれつであり、大きな生物世界の中に役割があるはずです。

あっ、ちなみにウイルスは生物かどうか論争って、あまり意味をなさないと思っています。
だって人間が勝手に「生物」という定義を作って、それに当てはまるかという勝手な議論をしているだけで、ウイルスはウイルスです。生物かどうかなんて議論をしても時間の無駄です。(※便宜上、この文章上は「生物」という単語の中にウイルスも含めます。)

そのウイルスの意味として納得性が高いのが、「ウイルス進化論」です。

ウイルスが進化の主役であったということです。すなわちダーウィンによる突然変異と適者生存の説の否定でもあります。

実際に、ウイルスは、異なる生物種間、同じ生物種間で、遺伝子を運ぶ役割をします。

下記のような樹形図は一度は見たことがあると思います。

生物が進化の途中で枝分かれして、独自の種を築いてきたことがわかる図です。ただ、一度、分かれたらそこから、独自の道を突き進む訳では実はありません。

ウイルスが、種族間の遺伝子の受け渡しをします。樹形図を縦糸とすると、ウイルスは横糸となって、進化を脇から支えているのです。

実際に、人類はウイルスなしには存在できません。
胎盤を形成するための設計図(DNA)は、あるウイルスが運んで来たDNAであることがわかっています。

ウイルス由来のDNAは、それ以外にも記憶にとって重要な役割を果たしていたり、胚の成長を助けたり、免疫の働きを調整したりなど、人類にとって欠かせない活躍をしています。

すなわち、ウイルスがいなければ、現在の人類は存在していないということなんですね。

インフルエンザやコロナウイルスのように、ウイルスが同種族間で、一気に広がるのも、これで納得ができます。ウイルスは人知れず、日々我々の間で広まって、私たちのDNAを書き換えているのです。

なんか現象面だけ見ても、その方が納得性が高いんですよね~。
例えば、ここ数十年で、昔はいなかったモデル体型のような女性が純日本人でも生まれています。

これが親子間のDNAの受け渡しだけでは時間的に追いつかないですし、栄養の改善ということだけでは説明がつきにくい。

かなり粗い説ですが、そういうDNAもこの場合は同種続間で、ウイルスによるDNAの受け渡しが行われていたんじゃないか、なんて考えるとワクワクしますよね。

何にせよ、人間のわかっていることなんて、世界のほんの1%もありません。生物の設計図を書き換えるためにウイルスは存在するといる説は、とてもしっくり来ます。

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高橋伸嘉(のぶよし)|自然細胞科学研究者/(株)ルクセス代表/僧侶/
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