#2 国宝がぞろぞろ! 地方博物館が放った会心の企画展「鑑真和上と下野薬師寺」の栃木県立博物館を訪ねる
栃木県立博物館とは
栃木県立博物館は宇都宮市にあり、宇都宮駅から西に少々離れたところ、栃木県中央公園内にある。バスで行くことになるが、初めての方は駅の観光案内所に行くことをお勧めする。やはり行くのが難しい。
自分がこの博物館に注目している理由は、その企画展が面白いところにある。自然系と歴史系の両方ともにあるが、自分は歴史系の企画展に行っている。
「中世宇都宮氏」「足利尊氏」「藤原秀郷」等、栃木ゆかりの一族・人物特集は、栃木ローカルに留まらず、全国区と繋がっていく視点が面白い。今回の「鑑真和上と下野薬師寺」はその最たるものだった。
鑑真和上と栃木
自分は鑑真和上と下野にどんな関係があるのか、全く知らなかった。ただ、あの道鏡が流されたことは知っていたので、なんか格式が高かったのかな程度であった。
かいつまんで云うと、日本国内の仏教の僧侶の養成のためには正式に授戒を行う必要があり、授戒ができる高僧を唐から招くプロジェクトを天平時代に実施し、やって来たの鑑真で、この鑑真の授戒の機関として設置されたのが、東大寺(奈良)と下野薬師寺(栃木)と観世音寺(大宰府)の3か所。この下野薬師寺は東日本を担当していたというのだから驚きだ。
展示品
何といっても、唐招提寺からやってきた「薬師如来立像」、「伝獅子吼菩薩立像」、「伝増長天立像」の国宝3連発。このほかにも東京国立博物館や金沢文庫から国宝がやってきている。同じことを東京でやったら、国宝オタクが大勢全国から押し寄せたろう。
おしまいに
実はこの企画展、10月30日まで。これを公開した時には終わっている。もっと早くに見るべきだった。
これを読んだ方に伝えたいのは、国立博物館ばかりではないということ。今年であれば、土浦市立博物館の「八田知家と常陸小田氏」も良かった。自分も見逃しが多いが、アンテナを高くし、もっと見聞を広めていきたいと痛感した企画展だった。
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