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戦略参謀(1):著名コンサルタント

これまで、私自身の経験や読んできた本から、事業経営陣や経営企画スタッフ向けの多くのテーマについて私の考えを書き連ねてきました。
こういった人材・職種は「経営企画」と言われるとともに、昔からちょっとカッコよく「戦略参謀」とも呼ばれたりしています。

戦略論「失敗の本質」を例にあげるまでもなく、軍事戦略から発展してきた歴史があるので、参謀も諸葛孔明やマルトケ、黒田官兵衛、秋山真之など古今東西の軍師を表す軍事用語から来ていると思われます。

今回と次回はそうした「戦略参謀」を目指す方に参考となる本をいくつか紹介していきたいと思います。

大手企業 経営企画部門向き

まず始めに紹介するのは、もはや古典とも言えるマッキンゼー元日本支社長 大前研一さんの「企業参謀」です。

私が読んだのは1985年に講談社文庫から出たものでしたが、それから版を重ね、30年以上経った今でも、経営者・経営企画スタッフの「戦略的思考」のバイブルとなっています。

本書の中には中期事業計画PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)の話も出てきますので、基本的にはマッキンゼーが顧客としている複数の事業・ビジネスユニットを抱えた大手企業の戦略スタッフ・経営企画部門向きと考えておくと良いと思います。


準大手・中堅企業向き

最近、読んだ中では同じマッキンゼー出身ですが、現在
(株)RE-Engineering Partners代表の稲田将人さんが書かれている
「経営トップの仕事」がお薦めです。

この本はご自身が戦略参謀として、数多くの会社の経営改革をしてこられた豊富な実績・経験に基づいた、ある意味「地に足のついた」経営論だと思います。

稲田さんご自身の経歴を見ても、独立後はマッキンゼーが顧客にしている超大手企業、就職ランキングで上位に来るような有力企業というよりは、成長に苦しむアパレルや食品、中堅建設業など、必ずしも優秀な組織長やスタッフが揃っている訳ではない会社の立て直しに尽力されてきたように思われます。

そのためか、50のアドバイスの内容も、流行の(机上の)戦略理論に惑わされることなく、PDCAマネージャーの躾など基本的なマネジメントの重要性や、泥臭い「人の業」「人治」との向き合い方など、まさに「地に足のついた」話になっています。

超大手名門企業の経営陣やマネジャーから中堅企業やグループ子会社に移っても、必ずしも成功しないのはこの辺にあると思います。
経営トップや本社部門が緻密な市場分析や高邁な戦略を振りかざしても、実際にそれだけで動ける現場と動けない現場があるのです。

中小企業社長向き

そして、さらに規模が小さな中小企業となると、小難しい最新の戦略論よりも基本戦略やマネジメントの徹底こそが重要になってきます。

この分野では経営コンサルタントの小宮一慶さんや(株)武蔵野社長の小山昇さんが有名です。

私も最初に小さなグループ会社の経営を任された時はこういった本を数冊読みました。この規模になると経営企画部門が独立して存在するような余裕はなく、経営トップ自らが市場分析して、戦略を立て、具体的に指示したり実際に動いて見せて、結果もモニタリングし、PDCAを回していく度量が必要になってきます。

その意味で、私は中小企業の経営者は本当に大変だと思いますし、お付き合いする中で、いつもリスペクトしています。

皆さんはどのタイプの戦略参謀になりたいですか?
それとも、規模は小さくとも経営トップを目指したいですか?

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