税制はどうやって決まるか、知ってます?
時の政策で、税制が新しく新設されたり、変更、廃止されたりしています。税はどのような手順を経て決まるのか、理解を深めていきましょう。
税金は法律によってのみ定められます。これは日本国憲法第84条に規定されている「租税法律主義」に基づいています。新たに税金を課したり現行の税金を変更したりする場合は、必ず法律または法律の定める条件によって行わなければなりません。国会の承認を経て、法律として制定される。
1.税制改正の主な順序
政府税制調査会の検討: 中長期的な視点から税制のあり方を検討。
与党税制調査会の審議: 毎年度の具体的な税制改正事項を審議し、税制改正大綱をまとめる。
閣議決定: 「税制改正の大綱」が閣議に提出され、決定。
法案作成: 財務省(国税)と総務省(地方税)が改正法案を作成
国会審議: 作成された法案は国会に提出され、審議。
法案成立: 両院で可決されると法案が成立し、法律として施行。
2.ポイント
・税制改正大綱は、法律を作るための原案だが決まっていない。
・国会の審議によって、法案は修正される可能性がある。
・税制改正案は、次年度の政府予算の歳入に直接影響する。
・数年先の趨勢を見極めるには、政府税制調査会での議論も注視する必要あり。
3.令和6年政府税制調査会での主な議論
1.所得税のあり方
・各種控除を含めた所得税のあり方。
・格差の是正、所得再分配機能の適切な発揮、働き方に対する中立性の確保、子育て世帯の負担への配慮といった観点からの検討。
2.退職金にかかる所得税
・同じ企業で長く働くと課税が軽くなる現行の仕組みについて、見直しを求める指摘。
・転職する人が増える今の実態にそぐわないことや、勤労意欲に悪影響を与えない制度の必要性を指摘。
3.確定拠出年金(iDeCo)の所得控除
・掛金の限度額引き上げに伴う所得税控除の拡大について。
・高所得者が非課税枠を広げるために活用する懸念が指摘。
まとめ
普段は、課税されることばかりに意識が行きがちですが、どのような手順で行われるのかを知っておくと、普段のニュースも身近なものに感じられます。また中長期的な視点も合わせて持っておくと、ライフプランの設計にも役立つでしょう。
参考資料
・令和7年度税制改正の大綱
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2025/20241227taikou.pdf
Mapifyでマインドマップにしました。ご活用ください。