ヒカリとオト-歴史を知らなくても大丈夫!な一乗谷の楽しみ方-
ずいぶん久しぶりの更新になります。
更新できなかった間に、わたしは一乗谷を離れ、違う場所で仕事をすることになりました。
一乗谷では2年間仕事をしたことになります。仕事ですから、一日の多くの時間を一乗谷で過ごしました。最高気温35度越えの日中に、日陰のない史跡内を歩きまわったり、雪が残る早春に山城を登ったり。まだ肌寒い早朝も、虫の声しか聞こえない漆黒の夜更けも経験しました。そんな一乗谷の日々で、気づいたことがあります。
■一乗谷では、何よりヒカリ(光)とオト(音)を感じてほしい!
史跡なので、もちろん歴史の知識はあった方がいいんですが。
一乗谷は生活の場。歴史の知識は無くても、光と音を意識すれば当時の人たちの息づかいを感じられます。
■まずは「光」です。
東西を山に挟まれた一乗谷。天気のいい日でも日照時間は短いです。谷は日が陰って薄暗くても、谷を一歩出ると夏の日射しがまぶしい、なんてこともありました。谷間なので当たり前のことなんですが、平野の真ん中に住んでいるわたしには、とても新鮮に感じられました。戦国時代に一乗谷を訪れた人たちは、谷の中の翳りを、どのように感じたのでしょうね。
いかがでしょう。夏の夕暮れ、同じ時間でも、谷の中はこの暗さです。
もしかしたら、一乗谷の人たちはゆっくり起きて早く寝たのかもしれません。
■つぎに「音」です。
一乗谷のどこにいても、水の音がする。
緑の山に囲まれた細長い谷、山からの水はすべて小さな川となって、その真ん中を南から北に向かって流れる一乗谷川に注がれます。一乗谷のあちこちを歩いていると、どこにいても、水の音が聞こえます。城下町一乗谷は、水の町でもあったのでしょうね。
■以下一乗谷の水の音を集めた動画です。よかったらご覧ください。
戦国時代の様子を今に伝える遺跡、一乗谷朝倉氏遺跡。そこに身を置いて、太陽の光や天候、温度、湿度、自然の生み出す音などを感じてみてください。当時の人たちも、この日差しを浴びるとともに周囲よりちょっと早い夕暮れを感じながら暮らし、雪解けで水量の増した川の音を聞きながら、作業をしていたのでしょう。そんなことを考えているうちに、時間を超えて感覚を共有している気持ちに、きっとなるはずです。
いかがでしたか。一乗谷には短時間の滞在じゃなく、早朝や夕暮れなどさまざまな時間に遺跡に足を運んでもらえると、きっとこの感覚を分かっていただけると思います。
見どころたっぷりの一乗谷朝倉氏遺跡、ぜひ近くに宿泊して、味わい倒していただきたいところです。