つながりで感じる人間らしさ!純国産ハチミツ作りに取組む、たかはし移住コンシェルジュ新田涼平さんをご紹介
地域の情報を発信する人を応援する企画。
今回紹介するのは、岡山県高梁市に移住し、自らも「移住コンシェルジュ」として活動する昆虫研究家。
学生時代から研究する昆虫を愛し、昆虫を通じて子供たちに愛され、昆虫×移住で町を盛上げる。
こんにちは
ワークもライフも最高に
目標達成支援プロフェッショナルのNobuです。
自分が作った移住案内のプランで、お客様が移住を決めてくれた時が一番やりがいを感じる。人が人生で大きな決断をするときって「目の色が変わるんです!」と、新田さんは興奮気味に話す。
移住してきた自分だからこそわかる移住を考えている人の気持ち。大きな不安を胸にやってくる人たちに、「新田流おもてなし」で、人生を変えたいと真剣に考えている人たちの背中を押す。
移住コンシェルジュって?
-「移住コンシェルジュ」というんですね。
そうです。簡単に言うと移住を考えている人のサポートですが、移住までのサポートだけでなく移住してからも安心して生活いただけるような活動もしているなど、実際の活動は多岐にわたります。
一般社団法人「梁クラス(はしくらす)」という法人として、行政とも協力しながらの活動なんです。
この3年間で、毎年平均20世帯の方々が移住してこられています。また、昨年度は相談件数が初めて100件を超え、127件の対応をさせていただいたんです。
すぐに決めていただける人もいれば、3年くらい考える方も。人生を変える決断ですから、我々も寄り添いながら対応させていただいています。
-具体的にはどんなことをしているんですか?
移住希望者のサポートとしては、岡山県内でもトップクラスの充実度を誇る「空き家バンク」を活用して、移住希望者を案内しています。
家を見せるだけでなく、学校や病院など、生活を具体的にイメージできるような場所も一緒に案内しています。
ほかに提案させてもらっているのが、近くに住んでいる人をご紹介させてもらったり、同じような境遇の先輩移住者とお話をできるようなアレンジもしています。
法人で対応している強みは、こういったご案内や相談の対応を土日も含め365日できることです。
もちろん、移住した後のケアもしっかりとやっています。新規移住者と先輩移住者との交流会も企画しています。
移住希望者のご案内以外には、行政と協力して、東京や大阪の移住フェアや相談会もやっています。ほかにも「梁クラス独自のイベント」もやっています。
また、「空き家バンクの掘り起こし」もやっています。空き家の持ち主との交渉や、相談などは随時やっています。
やっぱり受け皿がないと進まないですから。
-コンシェルジュとして対応しようとすると、たくさんの情報を持っていないとできないですね
空き家の情報はもちろん、どこにあって、築年数や間取りなんかはだいたい頭に入っていますし、その周辺環境、学校や病院含め生活に必要な情報は、だいたい頭に入っています。
他にも、大家さんの人柄だったり、先輩移住者の現在の状況、また、地域の人たちとのコミュニケーションも欠かせません。
-どうやってそんなにたくさんの情報を得ることができたんですか?
移住してきて4年目なんですが、その間の経験で増えていった情報もたくさんありますが、やっぱり1年目ですかね。
移住してきて1年目は特に、市内に点在する町ごとのお祭りには、たくさん足を運びました。そこに暮らす人たちがたくさん集まっていて、皆さんの笑顔が、自然に足を向かせてくれるんです。
そこでは、「外から来た人」という感じはなく、皆さんが受け入れてくれる感覚もあり、たくさんの人とお話させてもらいました。
移住コンシェルジュの魅力!
-そういった日々の活動が、高梁の地に受け入れられ、新しい人を迎え入れているんですね。素晴らしいお仕事ですね。
本当にやりがいを感じてやっています。移住の案内をしている途中の車の中で、「この人だったら気が合いそう」と感じたら、その場でアポイントとって、実際に会ってもらうこともあります。
とにかく「安心して移住してきてほしい」と思ってやっていますね。だから、仕事の相談なんかもされる方がいらっしゃいますね。最近では新規就農を希望される方も多いです。
高梁は「トマト」「ぶどう(ピオーネ)」での新規就農希望でお越しになる方が多いです。実際にこの2品は、それ一本で食べていけている人もいます。
-案内するルートなどはその場で決めるんですか?
いえいえ。事前にお客様のご希望条件などを聞いておいて、ルートを作って、アポを取っておきます。大家さんとの事前の打ち合わせなどもしますし
お客様それぞれに合わせてカスタマイズしたご案内をしています。
二日かけてのご案内もありました。新規就農をご希望された方で、「トマト」「ぶどう」の両方を見たいとのことでしたので一日目にトマト、夜は高梁で宿泊されて、2日目にぶどうをご覧になられました。
事前の情報をもとに、想いを馳せながらプランを練るのは楽しいですね。
-この仕事をされていて一番うれしい時って、どんな時ですか?
うれしいのはやっぱり、移住してこられた方が「引っ越してきたよ」と言って訪ねてきてくれた時ですね。すごく自分の仕事が認められ、そして高梁のことを好きになってもらえたことが嬉しいですね!
この人たちに移住後も寄り添っていきたいと純粋に思える瞬間でもあります。
やりがいを感じるという点では、案内させていただいた人が「移住のイメージができた時」ですね。移住って、人生の節目と言うか変わり目なんですよね。新しい人生を手に入れるんです。そのイメージが具体的にできた時に、「ここに住もう」って決断されるんです。
その瞬間は「目の色が変わる」のがわかるんですね。伝わってきます。そこがい一番やりがいを感じますね。
普段から「高梁で何かしら持って帰ってもらいたい」という気持ちでやっているんですね。だから、「せっかく来たのに残念だった」とならないように事前の準備や地域の人たちの協力をもらって、やってるんです。
決断にはタイミングもあるでしょうから、できる限りの情報を集めて、ご案内するんです。その結果が出る瞬間だからこそ、やりがいを感じますね。
-地域の人たちの協力も大切なんですね
そうなんです。移住というのは生活するということなので、地域との関係は大事です。そういった意味では高橋に住む人たちの人間らしさというのは大きな魅力に一つだと思います。
自分が移住してきた経験者だからこそ伝えられることだと思いますね。ずっとここに住んでいる人では気づかないことかもしれません。
「田舎がスローペースなのでいいなぁ」を実現するためには、周囲の人たちとのつながりの中で、みんなが気遣い、誰もができるちょっとしたあいさつなどが大事だということを教わりました。
昆虫教室は子供たちの楽しみ!
-ところで新田さんが移住したきっかけは何だったんですか?
出身は愛媛県で、愛媛の大学・大学院を出たんです。大学では昆虫学を研究していて、その後昆虫に関係する会社に就職しました。
しばらくして岡山に転勤になったんです。
昆虫を探してよく高梁には来ていたんですが、学校の先輩が高梁に移住していて、その先輩と話しているうちに自分も「もっと昆虫の近くに」住みたいと思ったんです(笑)
そして、会社を退職し、自分も移住し、移住者を受け入れる仕事を始めたんです。
-昆虫がきっかけ?
そうですね(笑)
ですので、移住の仕事をしながら、高梁市図書館や、市内の小学校などで「昆虫教室」もやっています。
ご両親が昆虫が苦手でも、子供たちは興味あるし、好きなんですよね。だから結構人気ですよ!
親にとっても子供にとってもうれしい教室なんです。
今、昆虫食も好評ですよ!
-いやいや、私はちょっと。。。
そういう人も多いです。でも、興味がある人は多くて、市内からだけじゃなくて周辺の、総社市や吉備中央町から来てくださる人もいるんです。
自分の得意分野を町の活性化に活かせるとすれば、「昆虫をキーにした関係人口の増加」という面では、可能性は色々あると思っています。
純高梁産のハチミツ
-確かに、新田さんならではの差別化ができそうですね
昆虫教室はこれからも計画的にやっていきます。
実はそれ以外にも、純高梁産のハチミツに取組んでいるんです。ただの昆虫好きなだけではなく、自分の特徴を生かして、高梁をPRする商品を生み出したいんですね。
ワクワクするんですよね。現在、ハチミツの多くは中国産なんです。自分はあえて、高梁に住むハチが、高梁の花から集める、純高梁産でブランド化したいんです。
そのためには、高梁の人たちが花を育てていくこともあるかもしれません。アイディアは膨らみます。
-私が東京のアンテナショップでハチミツを見つけるときがくるかもしれませんね!
そうしたいですねぇ。高梁のみなさんの愛がこもった「高梁産のハチミツ」を全国に発信していきたいですね!!
まとめ
移住コンシェルジュは、ただの案内人ではなかった。新田さんは「全ては人のつながり」と語る。
自分が移住してきたのもつながりだから。これから移住を考えている人と、過去から地域に住んでいる人、最近移住してきた人、人々の橋渡しができれば、これ以上の喜びはないとも語ってくれた。
ご自身の移住経験をベースとした「安心して」移住するためのサポートにかける熱意が伝わってくる1時間でした。
この先は、移住×昆虫+ハチミツで、ますます高梁の魅力を伝えていってくれることでしょう。
これからの新田さんのご活躍が楽しみです!
<高梁市図書館でのイベント> 7/25㈯、8/8㈯
記事を読んでくださった方、みなさんの地域を応援する活動など紹介したいことがありましたら、お気軽にご連絡ください。
オンラインで取材させていただくこともできますので、お話を聞いて、ブログに書かせていただきます。
岡山に限らず、地域を盛上げてくださっているみなさまからの情報をお待ちいています!