褒められる事について(前編)リアクション編
俺は褒められるのが苦手です。
いつ頃からそうなのかは忘れましたが、とにかく、苦手です。
叱られたり責められたりすることには慣れていますが、褒められるのは苦手です。
なぜか。
そういう時、どんな顔したらいいのか分からない
からです。
別に格好つけるわけじゃなくてですね。
ガチで、困るんですよ。褒められると。
人は皆、「嬉しければ喜んだらいい」とか
碇シンジばりに「笑えばいいと思うよ」などと気軽に勧めてくる。
そんなに簡単に喜んでいいものか。
本当にその評価を間に受けていいものか。
いきなり怖くなるのです。
褒められると「嘘言ってんじゃねぇのか」と思ってしまう
んですよね。
「のぶさんはすごい」みたいな事を言われようものなら
「騙されないぞ」と思わず言い返してしまいたくなる。
なぜなんだろう。
言い方を変えれば、これは俺自身の問題でもある。
「他人を信頼していない」だけなのかな、とも思えてくるんですよ。
自分のことを、心から褒めてくれる人間なんて、この世にそうそう居るわけがない、などと腐った思想を持ってしまっているのかもしれない。
(それでも、少しでも信頼関係を築きたい、なるべく分かり合いたい、とは思っているので、腐り切ってはいないのでしょうが)
喜びや嬉しさの感情って、どうやって「表に」出すの?
というのがイマイチどうにもピンと来ない。
劇団の稽古で、ただ黙って二人が出会う、みたいなワークがあった。
その時「いぬいぬ」が相手だった。
気持ち良い距離感と受容の雰囲気を作ってくれたのが素直に嬉しかったのをよく覚えている。のですけれど、それが「表に出ていたか」と言われれば、どうだったろう。
出ていなかった のではないかな、と思う。
そう、そういう時こそ「笑えばいい」のかもしれないのですけれど、自分の中でストッパーがかかる事があるのですよ。
思い返せば「機嫌が悪そう」「のぶさん怒ってるの?」などと言われることも多いんですよね。
いつもそういう硬くて怖い表情をしているのかもしれない。
そうなんですよ。
俺は別に綾波を気取りたいわけじゃないんですけど
素直に喜べない事だらけだし、
喜んだところでどうしていいか迷う
っていう日々を送っているわけですよ。
学校にも行かず引きこもっていたり、中卒労働者をしていたり、鬱で仕事辞めたりなどしてきた俺は、自分のことを「褒められたもんじゃない人」なのでは、と思っている節があって。
謙遜して、へりくだって、立場を守りたいわけじゃないです。
俺と仕事や活動をともにしたことがある人ならご存知でしょうが、俺は基本的にはずうずうしい人間です。
そのくせに自信がない。面倒な人間だなぁと自分でも思います。
今このタイミングで、この事を文章化しているわけは
最近、少しずつではあるが、褒められる場面が出てきた
ために
リアクションに困る場面が増えて ガチで 困っている
からなんですよね。
さらに言えば、困っているなりにも、やっぱり
嬉しい時には、やっぱり素直に喜べる人間でありたい
のですよ。
笑う練習 した方がええんかな これ。
ただ、俺にはどうやら、素直に喜べる褒められポイントと、
素直に受け止められない褒められポイントが、
けっこうはっきりあるみたいです。
それは「後編」にて。