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なんで

ツーブロックは禁止だそうです。

娘の中学校の学年懇談と学級懇談に初めて参加してきた。
この中学校に限らず、多くの中学校ではツーブロックが禁止されているらしい。いつも利用している理容店のお兄さんも言っていた、「まじ、意味わかんねぇっすよね。端っこに残った髪の毛で更地(毛がないところ)を覆い隠すような、ある意味スペシャルツーブロックは許されているのに、爽やかな若者のツーブロックがだめな理由、わかんねぇっす。」と。
その理容店のお兄さんには、「ツーブロックっていうネーミングの問題じゃない?面接用爽やかカットみたいな名前にしたらいいんじゃね?」というアドバイスをしておいた。

中学校でツーブロックが禁止になっていることを、娘の中学校の生活指導担当教員は奥歯にものがはさまったような言い方で説明していた。先生と呼ばれる仕事をしているある意味同業者として、ぼくはその先生が本当は「なんでツーブロックだめなのさ」と心の中で思いながらも、立場上禁止せざるを得ないし、それをそれらしく説明せざるを得ないんじゃないかな?と想像している。

一応、学校からの説明資料によると、「高校受験で面接試験を受けるときに、相手に悪い印象を与える」とのことだが、ほんとか?と思う。
中高生がツーブロックにしている様子を見て、悪い印象を持ったことはないけど、悪い印象を持つ人が一定割合いるっていうことなのかな。
ピンとこない。
ツーブロックだから悪い印象を与えているんじゃなくて、悪い印象を与えている人の中にツーブロックの人もいる、っていうことのような気もする。
さらに言うと、高校の先生が面接試験でツーブロックの中学生を見たとき、「うわ、ツーブロックだ。ガラ悪いなぁ。」って思うのかな?どちらかと言えば、「うわ、ツーブロックだ。普通、中学校ではツーブロック禁止だろうから、この生徒は先生の指導を無視する生徒なんじゃないか。」という思考経路をたどっているだけなんじゃね?と想像している。
ぼくの想像が正しかった場合、中学校の先生は「高校の先生が〜」と言ってツーブロックを禁止にして、高校の先生は「中学校の先生が〜」と言ってツーブロックを悪者認定している。
結局、悪いのはツーブロックという髪型ではないし、ツーブロックにしている生徒でもない、のでは?

パーカーが禁止になったそうです。

中学校がらみで、もう一つ。
3月半ばを過ぎたら、中学校では「パーカー禁止」になったらしい。
理由は、「もう寒くないから」だそうで。
まったくもって、「それは貴方の感想ですよね?」案件で、脱力して苦笑。

なるべく思考停止させる方向らしい

きちんと「なんで?」を説明できないルールは、「なんで?」を考えようとしない人間を量産するから、(社会に出る直前の若者の教育を担う立場から言わせてもらえば)百害も万害もあるからホントやめてほしい。
「なんでかわからないけど、従わなければならない。」という状況は、「なんでか考えても意味がない」になって、「とりあえず従っておけばいい」になる。そして、「従ったふりしておけばなんとかなる」に発展して、ルール自体にほとんど意味を感じなくなる。

だから世の中制限速度を守らない大人ばかりになる。
そのくせ、「地上高が9cmない」とか「マフラーの(排気)音が基準値を超えている」とか、「フロントウィンドーに初心者マーク貼ったらダメだ」とか、制限速度を守らない大人がそういう指導でマウントとっている様子は、滑稽以外の何物でもない。
※保安基準に適合しないのは当然ダメだけど、地上高が8.5cmしかないクルマより60km/h制限の道路を65km/hで走るクルマの方が危ない(少なくとも停止距離は長くなる)し、悪いことしている意識がないところが重症。

服装の乱れは心の乱れ

荻上チキさんが、ラジオで面白いこと言っていた。

服装の乱れは心の乱れというスローガンとかありますよね。
これが誤解釈されているような部分があると思うんですよ。
要は、服装になにか問題がある場合には、実際になにか問題を抱えているかもしれないのでケアしなければいけない、ていう発想だったらまだわかるんです。
例えば、服が破れている、いじめられているのかな、とか、ちょっと経済状況よくないのかな、とか、そういう心配を発見するために服装の乱れから何か発見するというのはいいことだと思うんですけど。
なのに、みんな服装が乱れていない状態にしましょう、っていのがゴールになる学校になると、それぞれが抱えている問題に向き合わない状況っていうが作られてしまいますよね。

荻上チキ・ Session
【音声配信】特集「問題校則、性教育など教育の現状と課題を考える」
荻上チキ×内田良×シオリーヌ 2023年3月23日(木)放送分

要するに、「服装の乱れは心の乱れ。だから、服装は乱れないように。」という対処は、心の乱れの発見を阻害する(っていうか、そこから目をそらしている)っていうことでしょ、と言っている。

まさに、まさに。

でも、黒幕は学校の中にはいないと思う

「うちの子がダメなら、あの子はどうしてOKなんですか?」
「基準を明確にしてくださいよ。」
「他の子に言っていることとうちの子に言っていることが違うじゃないですか。」
「平等に対応してください。」

こういう外からの声に丁寧に対応した結果が、あれこれの禁止につながってるんじゃないかな、と想像しているので、学校も先生たちも、ほんと、ご苦労さまです。

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